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「ロケット団」を筆頭に、歴代『ポケットモンスター』シリーズで主人公に立ちはだかってきた“悪の組織”。それぞれが違った野望のもと活動しているのですが、どうも近年はスケールが尻すぼみしているという説が浮上しているようです。
危険思想の集まりだった“悪の組織”
シリーズ第1作『ポケットモンスター 赤・緑』に登場した「ロケット団」は、ポケモンを悪事に利用して世界征服を目論んだ秘密組織。目的のために略奪や殺生も厭わない凶悪ぶりで、悪の組織=反社会的勢力というイメージを抱いた人も少なくはないでしょう。
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『ポケットモンスター ルビー・サファイア』以降の作品からは、各地方に纏わる伝説のポケモンを悪用するように。「ロケット団」のような悪虐性は鳴りを潜めたものの、スケール感は増大していきます。
たとえば、「マグマ団・アクア団」はグラードンとカイオーガを利用して世界中の環境に干渉。「ギンガ団」はボスであるアカギ個人の野望として、世界の破壊と創造を目論んでいました。
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“悪の組織”はショボくなった?
是非はともかく、スケールだけは立派だった悪の組織。しかし、近年の作品では歴代と異なる趣旨や役回りになっていったこともあり、徐々にスケールダウンしている印象です。
その傾向が現れ始めたのは、『ポケットモンスター サン・ムーン』に登場した「スカル団」。元々は「アローラ地方」の島文化からはぐれてしまった人々の集まりであり、他組織のように迷惑行為を働く一方で、野望や目的は存在していませんでした。
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さらに『ポケットモンスター ソード・シールド』の「エール団」にいたっては、ネズの妹であるマリィをリーグチャンピオンにするべく主人公の妨害を行っていた厄介者たち。最終的にはマリィの一喝で改心するなど、悪の組織に根付いたイメージとはかけ離れた存在だったと言えます。
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ちなみに、シリーズ最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場する「スター団」は、学校のやんちゃな生徒たちが結成した組織。独特なコスチュームや星を描くポーズが既に大きな話題となっており、SNS上では「ポーズがダs…」「今回の敵パリピなんか」「急に世界観違うくて笑う」などと多くの反響が寄せられていました。
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振り返ってみると、たしかに規模やスケールは縮小気味にある模様。一方、近作ではストーリーの黒幕という役回りから外れているため、今までとは違うポジションに生まれ変わりつつあるのかもしれませんね。