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反乱軍を指揮して帝国の支配体制を崩す勇士!
『伝説のオウガバトル』は、1993年にスーパーファミコンでクエストから発売されたRTS(リアルタイムストラテジー)風のシミュレーションRPGで、後年の『タクティクスオウガ』、『オウガバトル64』と世界観を同じくする「オウガバトルサーガ」の第一作です。神聖ゼテギネア帝国の支配体制を打ち崩すべく、ゼノビア王国騎士団のわずかな生き残りによる解放軍を指揮して戦う主人公(名前と性別はプレイヤーが決定)の戦いが描かれます。
主人公は『タクティクスオウガ』にも登場する騎士ランスロットやホークマンのカノープスらとともに戦いを続け、ついにはゼノビア王家の生き残りであるトリスタン皇子を保護。
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そうしてさらなる大義名分を得た反乱軍は進撃を続け、ゼテギネアの勃興に協力した軍事大国・ハイランドの女帝エンドラ、かつてゼノビア王に仕えながらもそれを裏切った賢者ラシュディ、そしてラシュディが最後の力で蘇らせた暗黒神ディアブロをも倒し、大陸に平和を取り戻します。めでたしめでたし。
でも、傍から見たら死神でした
ここでエンディングをむかえるわけですが、本作はいくつもの顛末が待つマルチEDが採用されていました。大まかには、主人公の善良さを表すステータス「ALI(アライメント)」の数値や、反乱軍の民衆からの支持率を示す「カオスフレーム」の数値などでEDが分岐します。
筆者が本作を初プレイしたときはカオスフレームの値には気を付けていましたが、主人公のアライメントは序盤からほぼ0でした。アライメントは「自分よりレベルが低い敵ユニットを倒すと下がっていく」ため、主人公が率いるチームを前線に立たせて各マップをじっくり戦っていると大抵こうなってしまうのです。
おそらく、低レベルの敵との戦闘が民衆には弱いものいじめのように見えるのでしょう。「そんな勝手なことばかり!」と感じるかもしれませんが、本作を手がけた松野泰己氏による続編『タクティクスオウガ』でも「民衆というのは無知で愚かなものだ」と断ずるキャラクターが登場したりしますので、むしろそうした世界観が見事にシステムに落とし込まれているというべきでしょう。
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そして「アライメントが0のまま上がらなくなったけど、問題なく進められてるからまぁいいや」と気にせずゲームを進めたのが運のツキ。筆者の主人公は平和を取り戻したあと、これまで盛り立ててきたトリスタン皇子に不穏分子とみなされてサクッと処されるのでした。こんな結末アリなの!?(※バッドエンドです)
前述したカオスフレームもアライメントが低いキャラで都市を開放すると下がってしまうため、本作は「レベルが高い(強い)キャラのみで構成された戦闘専門のユニット」と「レベルは低くてもいいので、アライメントが高いキャラのみで構成された都市開放専門のユニット」を編成し、それぞれの役目に専念させる…というのが攻略法のひとつになります。
前者のような、敵を蹴散らして回るならずもの(≒アライメントが低いキャラ)たちを「死神ユニット」などと呼んだりもしますが、筆者はこの死神ユニットを主人公に任せてしまったのが失敗でした。トホホ…。
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