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『Fate』シリーズや『月姫』など、数多くの人気作を生み出したゲームブランド「TYPE-MOON」。その中心人物である武内崇氏・奈須きのこ氏による個人サークル「竹箒」が、今年の8月に行われた「コミックマーケット100」に参加し、新刊となる同人誌を頒布しました。
頒布されたのは、TYPE-MOONが関わった作品の表に出ていない設定資料や草稿などを纏めた雑多本「型月稿本」、『Fate/Grand Order』のメインクエスト第2部 第6章の制作に向けて用意したプロット本「Avalon le Fae Synopsys」、そして会場限定販売のイラスト本「Kaleido works」の3冊。
武内氏と奈須氏は、同人活動での成功をきっかけに、商業で大きく飛躍したクリエイターです。そうした経歴を持つため、彼らが関わった商業作品でファンになった方もいれば、同人活動時代からずっと追いかけ続けている人もおり、今回の新刊3冊も多くの方から高い関心を集めました。
その人気ぶりは、コミックマーケット開催前に実施した通信販売の予約受付の時点で判明しており、締め切られた後も同人誌を求める声が殺到。その反響を受け、受注生産の受付を後日行うとの発表が当時行われました。
コミックマーケットに「竹箒」が参加すると、例外なく多くの一般参加者が足を運び、常に長蛇の列になるほどの人気ぶり。そのため、会場に足を運んでも確実に買えるとは限りません。また、そもそも会場に行けない方も多いので、この受注生産の発表で多くのファンが助かりました。
また、「Kaleido works」の頒布は会場限定ですが、内容を一部変更した本書のPDFデータの期間限定公開も決定。印刷物という形ではないものの、会場で購入する労力を払うことなく「Kaleido works」を閲覧できるのは、朗報と呼ぶに相応しい発表でした。
こうした展開が明らかになった後、「コミックマーケット100」が開催。同人誌に限った話ではありませんが、人気の高い流通物は往々にして転売目的の対象になることがあり、今回の「型月稿本」、「Avalon le Fae Synopsys」、「Kaleido works」も目をつけられてしまいます。
会場で頒布されたその日のうちに、フリマアプリなどに「竹箒」の同人誌が次々と出品。会場での頒布価格は、3冊1セットで3000円でしたが、その10倍を上回るような販売価格も飛び出すほどでした。
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しかし、発表された通りに「Kaleido works」がインターネット上で公開され(現在は期間経過により終了)、「型月稿本」と「Avalon le Fae Synopsys」は新たな受注生産の受付を開始。現地で入手出来なかった方や、会場に行けなかった人が、この限定公開と受注生産の恩恵を受けます。
こうした経緯をたどりつつ、第3次受注生産分の郵送も先日無事に実施されました。頒布直後には手に入らなかったものの、購入を求めて受注生産に申し込んだ方々の手元に届いた今現在、フリマアプリでの販売価格は大きく下がっています。
「Avalon le Fae Synopsys」はまだ頒布価格や通販価格を上回っていますが、中には倍額のものも見られます。また、「型月稿本」は通販価格を下回るものも確認できました。
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「Kaleido works」は内容の一部変更や期間限定公開の終了などの要因もあり、今も1万円を優に超える高値です。とはいえ、これも最高値の時期と比べると大きく下がっているため、PDFデータの公開が大きく影響したものと思われます。
「竹箒」の新刊が欲しかった多くのファンが、限定公開と受注生産により救われました。ですが、その新刊の情報に当時気づかず、今から欲しいと思う方がいた場合、高額の転売品に手を出すしかないのでしょうか。
「Kaleido works」については、これから閲覧できる手段は今のところありません。しかし、「型月稿本」と「Avalon le Fae Synopsys」は、転売品に手を出さずとも、正規の価格での購入が可能です。
受注生産の窓口にもなった「とらのあな」と「メロンブックス」の各通販サイトにて、「型月稿本」と「Avalon le Fae Synopsys」の販売が行われており、今もまだ在庫が残っています(記事執筆時点)。
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「とらのあな」の通販サイトでは、「型月稿本」と「Avalon le Fae Synopsys」のいずれも“在庫あり”の状態。また、サイト上で店舗在庫したところ、池袋店7Fに在庫があると記載されていました。
「メロンブックス」の通販サイトでは、3次受注のキャンセル品なら、「Avalon le Fae Synopsys」「型月稿本」のどちらも“在庫あり”の表記でした。加えて、ばらつきはありますが店舗在庫も残っている模様です。
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フリマアプリではまだ転売価格が横行していますが、今ならば通販サイトなどの正規ルートで「型月稿本」と「Avalon le Fae Synopsys」を適正価格で購入できます。コンテンツを支える意味でも、正規のルートでの購入が最適の手段。今からでも欲しいと思う方は、「とらのあな」や「メロンブックス」の利用を視野に入れてみましょう。
また、「Avalon le Fae Synopsys」と深く関わる『FGO』では、メインクエスト第2部を振り返る「Road to 7」が進行しており、今は「Lostbelt No.5 オリュンポス」に関する展開が実施中です。いずれ、第2部 第6章の振り返りも行われるので、それに先駆けて「Avalon le Fae Synopsys」を読んで備えておくのも一興でしょう。興味がある方は、ご一考ください。
なお、通販サイトや店舗在庫の情報は変化・変動する可能性があるので、購入前に改めてのチェックをお願いします。