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本日10月15日、『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』ファンにとって、衝撃的なドリンクが発売されました。その名も「生ホイップは飲み物(ゲルバナ味)」。名前からトラウマが蘇る人も多いのではないでしょうか。
念のため説明しておくと、「ゲルバナ」とは作中で主人公たちが行った実験によって生まれた、ゲル化した緑色のバナナ。当然食べることを想定してつくられたものではありません。
「なぜこの味の商品をつくってしまったのか?」
この誰もが抱く素朴な疑問を解決すべく、編集部では、開発元のエム・ジー・ケイに突撃取材しました。
◆『シュタゲ』に(いい意味で)人生を狂わされた
ーー本日はよろしくお願いいたします。
山崎将史氏(以下、山崎):よろしくお願いします。エム・ジー・ケイ代表取締役の山崎将史です。
ーー早速ですが単刀直入に聞きます!なぜこの「ゲルバナ味」を発売しようと思ったんですか??
山崎:簡単に言ってしまうと、私自身『シュタインズ・ゲート』が大好きだからです!シュタゲという作品にハマって以来、いつかコラボしたいと思っていました。
ーーシュタゲファンなんですね。
山崎:そうですね。まだファン歴は10年ほどの若輩者なんですが、10年前も今も変わらずシュタゲが一番好きな作品なんです。
実はシュタゲを見るまでは、国民的アニメを見る程度でアニメにそれほど興味がない仕事人間でした。38歳だった当時、友人から「『シュタインズ・ゲート』は絶対観たほうが良い」とすすめられ、試しに観たところ見事にドはまりした。
シリーズ全体で50回以上も観直していて、人生の何時間をシュタゲに費やしているんだろうと思います。
ーーシュタゲが人生を大きく変えたということでしょうか…?
山崎:ほんとうにその通りです。いい意味で人生が狂いました。それまで人生の中心だった仕事も、今では何かしらシュタゲに結び付けることが多いです。
例えば、5年前に設立した当社の名前「エム・ジー・ケイ(MGK)」というのも「未来ガジェット研究所」の頭文字をとっています(笑)。当初はそのまま「未来ガジェット研究所」「Future Gadget Laboratory」という会社名にするのも考えていたのですが、事業内容がぜんぜん違うので、ファンの人たちからも良く思われないだろうと思い、今の名前にしました。
この10年間、シュタゲに関わる仕事をするのがひとつの夢だったので、それがついに叶って、ほんとうに嬉しいです。
ーーちなみに、なぜ「ゲルバナ味」を選ばれたんでしょうか?
山崎:シュタゲとコラボする味なら「ゲルバナ」しかない!と思っていたのと、当社が販売している「生ホイップは飲み物」と親和性が高いためでした。ただ、商品企画の段階では「栗悟飯とカメハメ波味」「ダルのマンドクセ味」「ルカ子妖刀五月雨味」などの味も用意していました。
◆コラボの提案はダメ元だった
ーーコラボが決まるまでの経緯を教えてください。
山崎:もともと「生ホイップは飲み物」という商品は、オタクに人気のドリンクだったため、ラジオ会館の前にキッチンカーを持ってきて販売していました。
そのキッチンカーの売れ行き好調だったこともあり、ラジオ会館に自販機を置いてもらえることになったのがきっかけです。この時に、シュタゲとのコラボ商品を出すしかない!と思い、今回の「ゲルバナ味」の企画をつくりました。
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ただ、我々は社員5名程度の小さな会社でゲーム業界と縁があるわけでもなく、企画書をどこに送ればいいんだろう、というところからスタートでした。もちろん、シリーズの発売元であるMAGES.さんとつながりもなかったので、ほとんどダメ元で問い合わせフォームから企画書を送りました。
ーー問い合わせから…!
山崎:そうなんです。だから、まさか返事をもらえるとは思っておらず、返事が来たときはリアルに飛び上がるほど嬉しかったです。
ーー商品化に至るまでも大変だったのではないですか?
山崎:実際の“味”は、かなり試行錯誤しました。最初は作中でも言われているような「ゲルバナはデロデロでぶにゅぶにゅ」「味は無い」をリアルに表現しようと思ったのですが、個人的にはおいしい「ゲルバナ」を味わっていただくことで、みなさんのトラウマを上書きしたいと思い、おいしく飲める“味”を追求しました。
なるべく人工甘味料に頼らず、バナナ感とトロトロ感を表現しており、健康面にも配慮したドリンクになっています。
ーー私もトラウマを抱えているので飲んでみます。最後になりますが、何か読者に伝えたいことがあればお願いします。
山崎:今回、自分の「オタクの夢」が叶ったときに、その感動や喜びの大きさを実感しました。
なので、「オタクの夢」を持つ方々は、夢は諦めなければ実現するということ、実現すれば大きな感動が得られるということをもっと知ってもらいたいです。
まだうっすらとですが、オタクの皆さんが持つ夢の実現をサポートするような取り組みを、我々の会社でできないかというのも考えています。「生ホイップは飲み物」自体も「恋するオタクの推し活飲料」という商品を目指す予定です。
ここからは完全に妄想ですが、会社が成功した暁には、『シュタインズ・ゲート』で未来ガジェット研究所のモデルとなったビルを購入し、「未来ガジェット研究所」「ブラウン管工房」を原作そのままに再現したいと思っていますので、よろしくお願いします。
後日、実際に「生ホイップは飲み物(ゲルバナ味)」を試飲した、レポート記事を公開予定です。