■『ブルリフ燦』のバトルは、推しキャラを輝かせる「フラグカード」に要注目!

『ブルリフ燦』のゲーム性は、少女たちの育成・交流・戦闘が主な要素になります。交流は主人公と少女だけでなく、少女同士の関わりもあるので、従来のファンはご安心ください。また育成も、要素自体は多岐にわたりますが、一般的なRPGに近しい構成なので、まっさらの状態から始めてもすんなり理解できると思います。
戦闘も複雑なシステムなどはなく、RPGに慣れているゲーマーならすぐにしっくりと来るコマンドバトル。ウェーブごとに登場する敵を撃破しつつ、最終ウェーブの敵をせん滅すれば勝利です。

戦闘の進行は、敵味方に分かれたターン制ではなく、キャラクターごとに順番が回ってくるので、敵味方の動向を把握しつつ攻撃や回復などを組み立てていきます。また、敵を攻撃するたびにHPだけでなくブレイクゲージも削ることができ、ブレイクゲージが0になるとその敵の行動順が後回しに。実質的に敵の手数を減らせるので、いかに行動させずに立ち回るかが、重要な戦略になります。
ちなみに少女たちも含め、すべての敵・味方は固有の属性を持ちます。属性ごとに有利・不利の関係があり、有利な属性で固めれば与ダメージが上がり、被ダメージが下がるため、これも戦局に関わる大事な要素です。
敵が単一の属性で構成されていれば、有利な属性で固めて戦うだけで済みますが、混合編成で挑んでくる場合も。そうなれば、こちらも混合で挑むしかない──となりそうですが、本作ならではの対処法がひとつあります。

属性はキャラクターごとに属性が決まっていますが、属性が固定されているのはそのキャラと、固有しているスキルひとつのみ。スキルは、1キャラあたり最大で3つまで持てますが、残りの2つは「フラグカード」と呼ばれる装備品扱いのカードを身に着けることで使用できます。
フラグカードの装備に関して属性の制限はなく、例えば火属性のキャラに土属性のスキルを持つフラグカードを持たせることも可能。火は水に弱いので、水属性相手には不利な立場を強いられますが、土属性のスキルを装備していれば、本来火属性のキャラであっても大ダメージを与えることができます。

属性要素を取り入れたRPGの多くは、属性の影響が強く、キャラ同士で補い合うのが一般的です。もちろんその戦法は本作でも有効ですが、キャラ間でのフォローだけでなく、スキルの構成で対応するといった手段も用意されています。
強さを極めるならば、有利な属性と有利なスキルを揃えるのが最上でしょう。しかし、「好きなキャラを使いたい」と思うのも人の常。強さだけのために推しキャラが使えないのは、決して嬉しい状況ではありません。
ですが本作の場合、キャラ自身の属性は不利でも、攻撃面で有利が取れるスキルを用意できるので、工夫次第で推しキャラが輝く機会を増やすことができます。また敵が混合編成の場合は、多彩な属性のスキルを併せ持つこと自体が強みになることも。
フラグカードによるスキルの付け替えは、単なる救済だけではなく、戦略的な意味もあり、本作のバトルに深みを持たせる独自要素と言えるでしょう。

ちなみにフラグカードは、デメリットなしで付け外せるので、新たなキャラクターを取得しても使いまわせます。そのため、強力なフラグカードは後々まで使い続けられ、その意味ではお得度が高いのも嬉しい点です。
いいことづくめのように見えるフラグカードですが、若干気になった点がひとつだけあります。フラグカードを手に入れると、それぞれのカードごとに特定の物語が楽しめる仕様になっていますが、一部のフラグカードは前後編に分かれていました。
1枚目を手に入れれば前編が読めますが、後編を読むにはもう1枚入手する必要があります。カードの枚数を重ねる仕様は基本無料系ゲームの常ですが、1枚だけだと物語が完結しないスタイルは、ちょっとモヤモヤが残る仕様でした。

とはいえ、スキルの付け替えが可能で、編成の自由度が高いのは、プレイヤー視点で見ても素晴らしいところ。手ごわい敵に対していかに立ち向かうか。RPGの原点とも言える楽しさを、フラグカードが深く掘り下げてくれています。

今回のプレイレポートは、特に気になる「男性主人公」の存在や、本作の独自要素「フラグカード」に絞って迫りました。ですが、少女たちとの多彩な交流、彼女たちを育てていく手応え、過去作で活躍したキャラクターの登場など、『ブルリフ燦』の魅力や特徴はこの他にもたっぷりと用意されています。
まだクローズドβテストの段階なので、今回触れた範囲についても変更され、プレイ感に影響が出る可能性もあります。しかし、現段階で興味深い要素があり、『ブルリフ燦』としての個性が感じられるプレイ体験だったのは間違いありません。

この冬のリリースに向け、『ブルリフ燦』がどのような装いを見せてくれるのか。正式サービス開始の報を、楽しみに待つばかりです。
(C)2021 EXNOA LLC / コーエーテクモゲームス All rights reserved.