※本記事は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
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『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(ポケモンSV)』の新ポケモン「キラフロル」。実はキラフロルの能力には不可解な点が多々あり、対戦ガチ勢のプレイヤーから疑問の声が上がっています。
◆今作の“チャンピオンの切り札”枠
キラフロルは、いわ・どくタイプを有するこうせきポケモン。パルデア地方のポケモンリーグチャンピオン・オモダカの手持ちポケモンでもあり、切り札的な立ち位置でバトルの最後に登場します。
ただ本来チャンピオンの切り札ポケモンは、性能的に優遇されていることが多いのですが、キラフロルは微妙にモヤッとする性能。いったい何がモヤッとするのか、まずはその見た目からご説明しましょう。
キラフロルは毒エネルギーが結晶化した花びらを身に纏っており、ドヒドイデやパルシェンといった「ぼうぎょ」の高いポケモンたちと似た姿をしています。しかし実際に育ててみると、伸びやすいステータスはむしろ「とくこう」。つまりこの見た目でアタッカー気質なのです。
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…ということはもちろん特性もアタッカー向きなのかとおもいきや、専用特性「どくげしょう」は物理技のダメージを受けた際に「どくびし」を撒くという、攻撃を受けながら戦うポケモン向きの特性。ちなみに隠れ特性「ふしょく」は、本来「どく」状態にならないタイプのポケモンも「どく」状態にできるというものなので、こちらも「どく」を付与して耐久戦を挑むポケモンに向いた特性といえるでしょう。
要するに、硬い外装で攻撃を受け、粘り強く戦いそうな外見とステータスがかみ合っていないのです。
◆専用技もステータスとかみ合わない?
またキラフロルは、専用特性に加えて専用技まで持っているのですが、その専用技「キラースピン」が参照とするのは「とくこう(特殊攻撃)」ではなく「こうげき(物理攻撃)」のステータス。「とくこう」が高いのであれば、特殊攻撃の方が自然なのに、なぜ物理攻撃が専用技なのでしょうか。
せっかく専用特性や専用技を持っていても、それらを存分に使いこなせないステータスとなっているキラフロル。ネット上では「キラフロル、この見た目で特殊アタッカーなの笑う」「起点作成向きの特性なのに特殊アタッカーなの謎すぎる」という声が上がり、一部のプレイヤーからは「開発途中で能力値の変更を受けたのではないか?」とのウワサさえ出ているようです。
実際、ポケモンリーグチャンピオンのオモダカも、序盤に使ってこその「どくげしょう」を持つキラフロルを最後のポケモンとして使っており、このかみ合わなさに振り回されている様子。彼女が序盤にキラフロルを使って「どくびし」を撒き、倒された味方ポケモンが多いほど攻撃力が上がる「ドドゲザン」を切り札にしていたならば…。彼女に辛酸を嘗めさせられたプレイヤーは、もっと多かったのではないでしょうか。
ただし、「能力値の変更」云々は、あくまでプレイヤー間でのウワサ。一見かみ合わないキラフロルの能力値と特性ですが、「ふうせん」や「きあいのタスキ」といった道具を持たせることでカバーが可能です。
もしかしたらこうした運用を想定しての、あえての設定…なのかもしれませんね。