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先日行われた配信番組「Pokemon Presents 2023.2.27」にて、ニンテンドースイッチソフト『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の追加DLC「ゼロの秘宝」が発表されました。
林間学校で「キタカミの里」を訪れる「碧の仮面」と、交換留学生としてブルーベリー学園に赴く「藍の円盤」の前後編で構成されている「ゼロの秘宝」。いずれも冒険心をくすぐられる内容ですが、「碧の仮面」の舞台「キタカミの里」のモデルは岩手県北上市では、とポケモンファンの間で話題になっています。
◆告知映像で登場した地形が北東北を横にした形と酷似
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シンプルに「北上」と「キタカミ」の音が同じという点が目立ちますが、根拠はそれだけではありません。まず、告知映像の中に登場したマップの地形が、北東北を横倒しした形に似ていると指摘。描かれている山や湖も実在のものが当てはまるといった予想が飛び出しています。
また、このマップには「いわて応援ポケモン」の「イシツブテ」らしき姿も表示されており、北東北や岩手を連想させる要素が複数確認できます。
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ちなみに「キタカミの里」について、公式サイトではこのように記載されています。
キタカミの里は、大きな山がそびえ立ち、その麓に人々が暮らしています。田んぼやりんご園など、パルデア地方とまた違ったのどかな自然が広がっています。また、キタカミの里ではこの時期になると村でお祭りが開催され、様々な屋台が出ていて賑わっているようです。主人公は新たな仲間やポケモンと出会い、キタカミの里に伝わる昔話を紐解いていきます。
山に囲まれ、田んぼやりんご園のある景色は、岩手県北上市にも無論ありますが、該当する地方は絞り切れないほど存在します。ですが、村で開催されているお祭りや里に伝わる昔話などに、岩手県北上市を連想させる重要な要素が含まれています。
◆鬼と岩手の名のおこりとの関連性
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「碧の仮面」で描かれるお祭りの詳細はまだ未公開ですが、告知映像の中で気になるシーンがいくつもあります。そのひとつに、人間と三匹の獣が鬼らしき存在を追い立てる伝承を残した祠らしきものがあり、これが“里に伝わる昔話”を描いているのかもしれません。
県名にある「岩手」は、県庁がある盛岡市が岩手郡にあることから、そこから取って名付けられたものです。そして、「岩手」そのものにも由来があり、これは鬼と関係した伝承に基づいたものでした。
当時の岩手郡周辺にいた「羅刹鬼」という鬼は、里の人や村人に悪さを働き、暴れまわっていました。そこで里人が神様に救いを求めたところ、神様は羅刹鬼を大石に縛り付けてこらしめます。
この仕打ちに音を上げた羅刹鬼は、もう二度と悪さをしない、この里にも来ないから許して欲しいと懇願。神様はその誓いを約束とすべく、大石に手形を残すよう羅刹鬼に命じます。その言葉に従って、羅刹鬼が大石に残した手形──この「岩」に残された「手」形が、岩手という地名の由来と言われています。ちなみに、手形を残したこの大石は、現在東顕寺の裏手にある三ツ石神社に祀られている模様です。
岩手県のHPでも、上記の内容が「岩手の名のおこり」として紹介されています。
◆鬼に関係する文化は他にも存在
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また岩手県北上市には、威嚇的な鬼のような面をつけて踊る「鬼剣舞」と呼ばれる念仏踊りが伝わっています。面といえば、前編のタイトル「碧の仮面」との結びつきを予感させ、この点も「岩手県北上市がモデル説」を後押します。
◆鬼のようなポケモンに桃太郎を連想させる要素も
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「前編・碧の仮面」では恐ろしいお面を被った伝説ポケモン「オーガポン」と出会えます。恐ろしいお面、名前にオーガと付くことから、鬼を意識して制作されたと考えるのが妥当でしょう。
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ちなみに「碧の仮面」では、「イイネイヌ」「マシマシラ」「キチキギス」といった新たなポケモンの登場も判明しています。これも憶測の範囲ですが、それぞれ犬・猿・雉がモチーフのように見え、祠に残された昔話、鬼、そしてこの3匹を結びつけると「桃太郎」を連想する人も多いのでは。
もしかしたら「碧の仮面」は、この3匹を引き連れ、鬼退治をする物語になるのかもしれませんね。
果たして、「碧の仮面」の舞台は岩手県北上市がモデルなのか。共通点を模索するもよし、SNSに広がる考察を見聞するもよし。今ある情報を楽しみつつ、「碧の仮面」の配信を心待ちにしましょう。
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