2022年10月に放送を開始し、たちまち大きな人気を博したTVアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。TVシリーズでは初となる女性主人公を主軸とし、様々な新機軸で令和の“新たなガンダム”を描きました。
ですが、「水星の魔女」の物語はまだ幕を下ろしません。秋から冬にかけて放送されたシーズン1に続き、2023年4月9日よりシーズン2の放送が始まります。約3ヶ月の期間を経て、スレッタとミオリネの物語が再始動。この時を待ちわびるファンも数多いことでしょう。
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そこで今回は、待望のシーズン2幕開けに向け、見どころ満載のシーズン1を振り返ります。といっても、ただ振り返るだけでは味気ないので、「水星の魔女」とヤマザキビスケットのお菓子「エアリアル」がコラボレーションした特別パッケージを通して、シーズン1の各シーンに迫りましょう。
コラボした「エアリアル」の特別パッケージは、発売当時も大きな話題となりました。当時の盛り上がりを覚えている方は、あの時の気持ちを思い出しながら、そして初耳の人は一風変わったこの切り口からシーズン1を辿ってみてください。
なお振り返るために、本記事にはシーズン1のネタバレも含みますのでご注意ください。
■「スレッタ」×「しお味」
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「水星の魔女」×「エアリアル」の特別パッケージ版はいくつも出ましたが、今回は筆者が手に入れた4つのバリエーションを通して、振り返りをお届けします。
まずは、本作の主人公であり、物語の大きなカギを握る「スレッタ」は、エアリアルの“しお味”とコラボ。このパッケージには、「水星の魔女」でメインキャラクターデザインを務めた田頭真理恵氏による描き下ろしのスレッタが描かれており、力の入れようが窺えます。
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“しお”から連想するシーズン1のシーンは、スレッタに対する塩対応の数々。例えば第1話では、スレッタがミオリネを助けようとしたのに、計画の邪魔をされたとミオリネに怒られてしまう始末。事情の分からないスレッタからすれば、しょっぱい顛末と言うほかありません。
同年代とのコミュニケーションに慣れておらず、学園に着いた当初は挙動不審そのもの。それでいて、パイロットとしての素質は優れており、グエルから「ホルダー」の座を奪うほど。このアンバランスさが周囲から好奇と憶測の視線を集めますが、その環境もスレッタにとって厳しいものでした。
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当初は優しく接してくれたエランも、自分との立場の違いに気づくとスレッタへの態度を一変。苛立ちを浴びせられますが、ここでもやはり理由が分からず、それでも歩み寄ろうと必至だったスレッタの姿が印象的です。
「またしても何も知らされていないスレッタ」という言い回しも似合ってしまうほど、周囲の人間に振り回されたスレッタ。ですが戸惑いつつも、根っこにある芯の強さで踏ん張り、逃げ出すよりも前に進み続けた彼女は、徐々に自分の居場所を作っていきます。
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シーズン1は塩気が多めのスタートでしたが、スレッタの人生を味付ける絶妙のスパイスになったのかもしれません。ちなみに、不器用な振る舞いを見せるグエルに対しては、むしろスレッタが塩対応だったとも言えるので、その意味でも“しお味”でちょうど良かった気がします。
■「グエル」×「濃厚チェダーチーズ味」
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シーズン1では、報われない不器用さが光っていた「グエル」のコラボフレーバーは、“濃厚チェダーチーズ味”。スナックのエアリアルでも、特に人気のあるチーズ味に抜擢されており、さすが御曹司です。
「水星の魔女」で直接的にチーズが注目された場面はありませんが、チーズといえばキャンプでもよく用いられる食べ物のひとつ。熱するだけで溶けるので、簡単な一手間で料理のグレードが上がるキャンパーに嬉しい食材です。
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グエルは押しも押されもせぬ御曹司ですが、度重なる決闘の敗北に加え、父親の命令に背いたことが決定打となり、寮を追い出されてしまいます。そんな彼が選んだ居住先は、なんとキャンプ。その逞しさや一種の清々しさなどが視聴者の好感を呼び、キャンプ漫画の代表作「ゆるキャン△」になぞらえ、「グルキャン△」とも呼ばれて話題となりました。
キャンプ中のグエルは、(おそらく自分で淹れた)コーヒーを飲みながらスレッタの決闘を眺めるなど、早くもキャンプ生活に馴染んでいた姿も印象的です。即席ながらキャンパーとなった経験を持つグエルだからこそ、チェダーチーズ味に選ばれたのかもしれません。
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しかもこのチーズ味は、「濃厚」という冠がついています。スレッタへの態度ひとつだけ見ても、見下しや反発、そしてツンデレなど、落差の激しい態度を見せたグエルに「濃厚」の2文字はまさにピッタリです。