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宮本茂氏が「マリオゲームでモバイルを優先しない」と発言―「操作の直感性」はゲーム体験から切り離せないから

映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は米国で4月5日、日本では4月28日に公開を控えています。そしてスーパーマリオの生みの親である宮本茂氏にも注目が集まっているためか、海外メディアの取材を受けることも増えてきています。

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映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は米国で4月5日に公開され、ゲーム出自の映画史上最高のスタートを切りました。日本では4月28日に公開を控えています。そしてスーパーマリオの生みの親である宮本茂氏にも注目が集まっているためか、海外メディアの取材を受けることも増えてきています。





その一方で、気になるのがマリオ関連のモバイルゲームがめっきり減っていることでしょう。この件つき海外メディアThe Varietyが今後の展望や、マイクロソフトが任天堂に10年間の提供を約束した『Call of Duty』 への見解を遠回しに取材しています

宮本氏は「モバイルアプリが今後マリオゲームの主要な道筋になることはない」、つまりマリオシリーズがスマートフォン向けを優先することはないと発言。最近の任天堂の振る舞いから認識されていたことではありますが、ご本人が直接言及することは珍しい印象があります。

2016年にiPhone版先行発売で登場した『スーパーマリオ ラン』は初年度に6000万ドル、2019年の『マリオカートツアー』は3億ドルを売り上げ。いずれも立派な記録ではありますが、『マリオカート8 デラックス』(2022年末に累計5200万本)と比べれば寂しい感もあります。また『ドクターマリオ ワールド』は特に理由の説明もなく、2年でサービス終了となっています

さらに宮本氏は、任天堂のコア戦略が「ハードウェアとソフトウェアが統合されたゲーム体験」であることを確認。なぜなら「操作の直感性」がゲーム体験の一部として統合されているからだとして、自社が開発したハードウェアの手触りを込みにして任天堂のゲームであると示唆しているようです。

そして『スーパーマリオ ラン』では、「スマートフォンという一般的なデバイスでマリオのゲームを作る機会を探ったとき、そのゲームはどうあるべきかに挑戦しました。だからこそ、任天堂のハードの経験をスマートデバイスに反映できる」ディレクターの役割を引き受けたそうです。

そして『スーパーマリオメーカー』シリーズや『スーパーマリオ オデッセィ』の革新性に触れつつ、どのようにしてマリオゲームの開発を始めるかを説明。すなわち「ゲームプレイとは何か、方法とは何かを定義して、どのデバイスを使うかを決めます」と述べています。

要するに「ゲームプレイとは何か、方法とは何か」を探る上で、スマートフォンは候補から外さないにせよ、優先順位は低いということ。マリオゲームの新作を立ち上げる場合は、ゲームに特化した自社ハードウェアと汎用デバイスのスマホを公平に比べた場合、後者は選びにくいと仄めかしているようです。

しかし、2017年の超大作『スーパーマリオ オデッセィ』から約6年が経過し、次のマリオの主流シリーズが出るのはいつ頃に?とVarietyが尋ねるのも無理のないこと。これに対して宮本氏は笑いながら『私が言えるのは、今後のNintendo Directに期待してください」とはぐらかしています。

ほか興味深いのは、「宮本氏がビデオゲームの暴力に反対している」との噂話につき、ご本人が語っていることです。

私はシューティングゲームや暴力的なゲームに反対しているわけではないとハッキリしておきたい

人を楽しませるやり方はいろいろとありますが、面白い、楽しいゲームを作るために他の方法を見つけることが私の使命だと思っています。マリオは決して他人を傷つけないキャラクターだと自分に言い聞かせているので、マリオを表現する別の方法を探したかったんです

この発言は、マイクロソフトが超人気シューティング『Call of Duty』シリーズを、今後10年にわたり提供する契約を任天堂と締結した文脈を考え合わせると、とても含蓄深く思える発言でしょう。



そもそも『DOOM ETERNAL』ほかCoD並に血なまぐさい(人ならざるものの血とはいえ)FPSゲームがスイッチ向けにリリースされているなかでは当然の発言ではありますが、少なくともマリオがポンプの水やインク以外でヘッドショットを決めるシューティングは未来永劫なさそうです。

宮本茂氏、「マリオゲームでモバイルを優先しない」と発言。「操作の直感性」はゲーム体験から切り離せないから

《Kiyoshi Tane》
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