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『スノウブレイク:禁域降臨(以下、「スノブレ」)』は、2021年にサービスを終了した美少女系弾幕シューティングRPG『ガール・カフェ・ガン』の開発チームが贈る新作タイトル。
本作はスマートフォン、PC(Windows)向けに配信予定の3D近未来シューティングRPGで、「Unreal Engine 4」を用いたハイクオリティな3Dグラフィックが目を引く注目作です。2023年7月20日のリリースを目前に、5月30日よりPC版、31日からはiOS&Android版のクローズドβテストが開催されています。
日頃の行いが良いのか幸運に恵まれた筆者は、今回めでたくクローズドβテストの参加資格が当選。そこで本稿ではリリースが差し迫り、記事執筆時点で事前登録者数177万人を突破しているという巷で話題の『スノブレ』をプレイレポート。ゲームが持つ魅力やアレコレをまるっとお届けしていきます。
◆美少女と本格3Dガンアクション。ありそうで実は全くない切り口のアプリ
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いわゆる「美少女ゲーム」が数多く蔓延る昨今。特にスマートフォン向けのゲームでは、総数を把握することが困難なほどに、膨大な数の美少女ゲームがアプリストアを埋め尽くしています。
しかし、それら美少女ゲームの中で本格的な3Dガンアクションが楽しめるアプリは2023年の時点でほぼありません(※ 以前は存在していた可能性アリ)。また、美少女が銃を持って戦う作品はRPG、あるいはシミュレーションのジャンルで見かける場合がほとんどでしょう。
そういった事情が関係しているのかはわかりませんが“事前登録者数177万人越え”という数字は「これぞ我々が待ち望んでいた美少女ゲーム」と、グローバルな紳士たちの総意のように思えてならないのです。
実際本作をプレイした上での率直な感想としては、公称ジャンルを「3D近未来シューティングRPG」と謳っている通り、本格的なSF系TPS作品として練り上げている手応えを感じられました。
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ゲームはステージの最奥を目指しながら道中の敵と戦い、ミッション内容に沿ったクリア条件を達成することが求められます。「敵の全滅」「NPCの護衛」「アイテムの回収」「ボス敵の撃破」と、コンテンツのシチュエーションに合わせてその内容は多岐に渡ります。
作戦中は3人編成の部隊から隊員を自由に交代でき、戦況に適した武器・スキルを持つキャラクターによるロールプレイが基本でした。
簡単に紹介すると、敵が密集していれば制圧力の高いスキルを持つ隊員に切り替えたり、厄介な長距離攻撃を放つ敵にはスナイパーで対処したりといったイメージです。
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ゲームを遊ぶにあたって、当然バーチャルパッドでの基本操作が求められてくるワケですが、初期設定はシューターが苦手な人、あるいは初めて遊ぶ人向けの簡単操作が適用されています。これがシューター慣れしている人ほどストレスに感じてしまうクセの強い操作体系でした。
ただ、『スノブレ』はカスタマイズ機能が非常に充実しています。今まで遊び慣れてきたスマホ向けのFPS、またはTPSに近い操作方法へと、プレイヤーの好みで近づけることも可能です。
筆者の場合は便利なアシスト機能として初期配置されていた「ミックス射撃」ボタン(※ エイムと射撃を同時に行う)を非表示にし、通常の「射撃」ボタンを押しやすく調整しています。
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やはりスマートフォンで本格的なシューターを提供するとなれば、千差万別のプレイスタイルに対応できなくてはならないのでしょう。キーコンフィグからUIの透明度調整、ボタンサイズの変更に至るまで、痒い所に手が届くきめ細やかな配慮が感じられます。
ちなみに『スノブレ』ではアプリ版もコントローラーを正式にサポートしているので、バーチャルパッドが苦手な人は最初からコントローラーを使った方がラクチンです。今回のプレイレポートではPS5の「DualSense」を使用しました。
筆者としては自分なりにバーチャルパッドを最適化したつもりだったのですが、あまりにもコントローラー操作との親和性が高いので、クローズドβテストの期間中はコントローラーを繋ぎっぱなしでプレイしていました。
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慣れてくると敵の機銃掃射を掻い潜り、弱点部位を集中的に狙い撃つアクション感満載なシューティングバトルが楽しめます。遮蔽物のカバーアクションなどは備わっていませんが、フィールド内のオブジェクトを壁にした戦い方も強敵相手には有効でしょう。
また、部隊編成に組まれているメンバーは控えにいてもスキル、必殺技の発動が可能です。例えば状況的に不向きなメンバーがいた場合でも、控えさせておくだけでサポート要員としての活躍が見込めます。
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そして、本作を紹介する上で欠かせない要素こそ、巨大な未知の敵「タイタン」とのバトルです。タイタンは作中において、重要な役割を持つ人類の敵であり、世界を汚染している根源でもあります。
大型ボスとの戦闘はアクションゲームのお約束ですが、本作では主要な敵として登場しているため、戦闘する回数も決して少なくありません。
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タイタン戦は、体の部位を少しずつ破壊しながら行動を抑制していき、確実にHPを削っていく極めてボス戦らしいバトルとなっています。
無数の弾幕や巨体を活かした攻撃力など、人型のボス敵と比較してもかなり手ごわく、確かな遊びごたえがありました。
『スノブレ』はマルチプレイにも対応しているため、タイタン戦をフレンドと遊べたらかなり盛り上がりそうな印象です。残念ながらマルチプレイコンテンツの解放までに時間がかかる関係で、マッチングまでは試せませんでした。
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荒廃した大都市を駆け回り、巨大ボスに銃で立ち向かうTPS...この特徴を聞くだけならコンシューマーゲームやPC向けタイトルをイメージされそうなものです。
しかし、『スノブレ』はPCとのクロスプラットフォームに対応している紛うことなきモバイルゲーム。ゲーム体験は実に濃厚なアクションTPSで、活躍するのは「Unreal Engine」によって美しく描画された美少女キャラクターたちです。
リッチなプレイフィールを提供してくれるために、スマートフォンで遊ぶとそれなりのスペックが要求されると思われますが、こんなタイトルを待ち望んでいた人は多いかもしれません。少なくとも筆者は待ち焦がれていました。
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◆退廃的な世界と哲学的な思想が交わるSFストーリー
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『スノブレ』の世界は未知の巨人・タイタンの出現によって、人体に有害な物質で都市が汚染された世界観です。汚染地域には「キオーン」と呼ばれる奇妙な雪が降り続けているのも特徴的です。
主人公が率いるのは、そんな荒廃した世の中を牛耳る巨大企業ユグドラシル社が、タイタンに対抗するため結成した武装部隊「ヘイムダル」。ゲームの顔役と言えるキャラクター「リフ・ベストラ」や、同じ部隊に所属する多数の部隊員たちと共に、荒れた世界でタイタンの撲滅を目指しています。
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しかしこの世界では、タイタンの出現と都市汚染により、結果的に迫害された市民たちや、タイタンを神と崇める狂気のカルト集団が暴徒と化しています。ユグドラシル社が下す過酷な命令に対して主人公たち一行は、時に悩み苦しみながらも彼らを鎮圧し、前触れもなく出現するタイタンとも戦わねばなりません。
作中では未知の災厄を受けて崩壊しかけた人間の倫理観や、強大な力にすがる人々を描いていました。しかも主人公たちは比較的恵まれた環境下で生活していることもあり、言ってしまえば民衆の敵側なのです。
それを頭で理解していても、ユグドラシル社と交わした契約の効力が主人公を蝕みます。重要な局面においては、自身の道徳規範に逆らってまで成すべき任務なのかと、悩ましい自問自答の心理描写が展開されるので必見です。
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世界観もさることながら、考えさせられるストーリーがシリアスかつダークなテイストに仕上がっています。ゲーム冒頭で物語のメインテーマを暗示するかの如く、ウィトゲンシュタインやユングの言葉が引用されるのも、不穏な部分を引き出す印象的なシーンです。
3Dの美少女キャラクターが登場するからといって、“安直な萌えシナリオ”を期待していると、思わぬメインストーリーの重厚感に気圧されることになります。
一部日本語テキスト周りで気になる箇所があるものの、豊富なスチルイラストと緩急の富んだシナリオ展開は、ノベルゲームのような読み応えがありました。
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密度の高いメインストーリー以外にも、キャラクター1人ひとりにスポットを当てた「エピソード」が用意されています。こちらはコミカルなものが多く、キャラクターを深掘りしたシナリオが楽しめます。
報酬にキャラクターを重ねるためのアイテムが用意されているので、育成素材の回収目的としても積極的に活用したいところですね。
◆正式リリースが待ち遠しい期待のスマホTPS
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「本気(マジ)クオリティな美少女系ガンシューティングが遊びたい」
『スノブレ』は世界中のプレイヤーたちが熱望(?)していた要望に対し、最適解を提示したと考えても良いのかもしれません。ただし、現状は紳士諸君のお眼鏡に叶うムフフ要素を期待しない方が良いでしょう。
全くないことはないですが、それもちょっとしたチラリズム程度のもので比較的健全です。
今回のクローズドβテストをプレイして、またひとつ遊ぶゲームが増えるのは嬉しくも苦しいところなのですが、「美少女ゲーム」という量産され過ぎて有り難みに欠けたジャンルに対し、“ゲーム性”と“クオリティ”の2つで新しい基準を叩きつけてくれたのは胸がすく思いです。
興味のある方はぜひ本作に触れてもらい、アプリゲームの進化をダイレクトに感じ取っていただきたいですね。『スノウブレイク:禁域降臨』は、2023年7月20日に配信予定とのことです。
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