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コナミが2008年にPS3向けに発売した『メタルギアソリッド4』は現在までも移植等がなくオリジナルプラットフォームでプレイする以外の選択肢がありませんが、なんと同世代機であるXbox 360への移植が検討されていたことが元開発者のインタビューから判明しました。
当初はPS3独占ではなかった…プラットフォームを決めたのはとある仕様
この話題は、『MGS4』でアシスタントプロデューサーを務めたライアン・ペイトン氏が、ビデオゲームジャーナリストとして知られるスティーブン・L・ケント氏の著書「The Ultimate History of Video Games Vol 2」の中で語った内容から判明したものです。
ペイトン氏によれば、本作は当初PS3との独占契約を結んでおらず、一時期、コナミの研究開発チーム内にXbox 360向けに移植できるかを検討する専門チームが立ち上げられていたそうです。
一方で、2つの理由によってその移植は実現しなかったといいます。ひとつは、当時の小島プロダクション内のスタッフに筋金入りのソニーファンが多く、Xbox 360移植へのテストにリソースを費やすことを賛成しませんでした。同機で快適に動作するかどうかも懐疑的であったそうですが、実際には同氏がXbox 360上で美しくなめらかに動作するのを確認したといいます。
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もうひとつは、Xbox 360のディスク仕様に問題がありました。PS3のディスクはBD-ROMを採用しており、最大54GBの容量を収録することができました。一方でDVD-ROMを採用したXbox 360は最大8.3GBしか入らず、『MGS4』のパッケージ版の販売にはディスクを何枚にも分割せねばなりませんでした。この点にコナミが難色を示し、見送りになったといいます。
現代の観点からではデジタル専用配信という案も浮かぶかもしれませんが、2008年の段階ではAAA級タイトルを主ハードではないとはいえ、デジタルオンリーで発売するのは難しい決断だったかもしれません。
あくまで一人の視点から語られた内容であるため、実際のところは他にも事情があった可能性はあります。しかしながら、当時のコナミおよび小島プロダクション内の事情が窺い知れる興味深い話題となりました。
『MGS MASTER COLLECTION』への収録に期待!
過去作をリマスターする『METAL GEAR SOLID MASTER COLLECTION』は現時点で初代『MGS』から『MGS3』までの収録される「Vol.1」が発表されていますが、第2弾以降でソリッド・スネーク(オールド・スネーク)の物語が完結する『MGS4』の収録にも期待したいところです。
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現時点でPS5向けのみ発表されている同コレクションですが、後日発表されるとされる他ハード展開において、Xboxやニンテンドースイッチなど他プラットフォームへの移植が行われるかにも注目が集まります。