人生にゲームをプラスするメディア

『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】

懐かしい夏休み体験を味わえる『なつもん! 20世紀の夏休み』。その魅力を覗かせるプレイレポと開発者インタビューをお届けします。

ゲーム 特集
『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】
  • 『なつもん!』は“見渡す全部が夏”! 民家も崖も登るやんちゃな「ぼく」をいち早く体験ー綾部和氏へ開発秘話も聞きました【先行プレイレポ】

■『なつもん!』の特徴はどうやって生まれた? 開発陣から聞く裏話の数々

今回プレイした範囲では、オープンワールドを活かした“夏の表現”、壁や崖も登れる自由度の高さが生み出す“広大な冒険感”を最も強く感じ、その魅力を中心に掘り下げてお届けしました。

もちろん海や川で泳いだり、ラジオ体操に出席したりと、夏らしい楽しみ方やイベントもたっぷり楽しめます。またゲームを進めれば、様々な人物との出会いや交流、子どもたちと一緒に事件を解決する探偵クエスト、披露するサーカスの演目決めなど、本作で味わえる“ひと夏の体験”はこの先もまだまだ広がります。

特にサーカスの公演は、プレイヤーが演目や衣装、曲などを決めた上で披露されるので、その公演を見る時にも自然と力が入ります。残念ながら失敗する時もありますが、よりよい公演になるかどうかもプレイヤーの頑張り次第です。

まだほんの一部を遊んだだけですが、人によっては懐かしく、そして自然豊かな土地で過ごすひとときへの憧れも満たせる、ひと夏の体験。その期待がさらに高まり、作品への確かな手応えを感じる先行プレイとなりました。

また今回の体験会では、前述の綾部氏や和田氏、そして発売元となるスパイク・チュンソフトの榊原昌平氏に向けたインタビューの時間も用意していただきました。『なつもん!』に関する様々な質問への回答を通して、開発秘話や本作が持つ特徴などもご覧ください。


──本作は、家の壁や崖などを登れますが、こうしたアイデアはどうやって生まれたのでしょうか。また、実装する際に苦労された点はありますか?

綾部和氏(以下、綾部):まず発想ですが、(今回は)わんぱくな主人公にしたかったんです。当初は「登れる壁」と「登れない壁」でデザインを変えて作り分けしようと思っていました。すべての屋根に登れたら、デバッグとか大変になりますしね。

そのはずだったのに、いつの間にかほぼ全部に登れるようになっていて、場所によっては屋上にアイテムとかも置かれています。なんでそうなったのかと言えば……多分、作っていて楽しかったんです(笑)

これは本作の開発時に大切にしていたことともいえます。(『なつもん!』を)作っていたら楽しくて、勝手に膨らませていったものが多くあったんです。作業効率を考えたらそこまでやらない方がいいのに、なぜかそうなってしまった。作ったり遊んだりしている時の「楽しい」は正義なので、そこは許してください(笑)

和田康宏氏(以下、和田):苦労した点は、本当にどこでも登れるようにしちゃったところですね(笑) 開発を全部見ているつもりですが、(発売された後に)自分たちが想像もしていなかったような登り方をプレイヤーの方々が発見するのかなと思うと、楽しみでもあり怖くもあり、みたいな(笑)

──ゲーム内時間の「一日」の長さについて、調整など大変だったのではないでしょうか? また、時間の進み方を調整できる仕様を取り入れた理由もお聞かせください。

綾部:時間の長さについては、正解がないんですよね。「“ちょっと足りないくらい”を目指そう」という線を基本的に考えていました。「あとちょっとで目的が達成できたのに、晩御飯になっちゃった」「時間足りないよ」みたいな。

ただ、「ここまで来たのに晩御飯で呼び戻されたら、さすがに泣くだろう」というタイミングがあるのも確かですね。なので、ある場所では時間が流れていなかったりします。ほどよく足りないけども、こういったフォローを取り入れることで、バランスがうまく成り立っているかと思います。正解がないからこそ、時間の進み方を調整できる機能をつけようと。

和田:(時間の進行については)本当に大変でした。綾部さんが持っているイメージを伝えていただき、その形で進めていたんですが、最初の頃はどうしてもコンテンツが揃わないため時間があまりがちでした。

そのため、「ゲームの密度が足りないのか?」と感じ、密度を上げるためにコンテンツを増やすと、今度は時間が足りないということも起きて。そこで「密度を上げるためだけに増やしたコンテンツは、このゲームに本当に必要なのか?」と、吟味する必要にも迫られ、最終的には“時間の進み方:ふつう”という設定にすることと、「ちょっと時間が足りない」というバランスになったと思います。

──本作は、線路の上を歩けるなど、かなり“やんちゃ”な行動が可能です。遊ぶ側からすると自由度が高くて嬉しいのですが、現在の風潮を踏まえると、こうした表現を盛り込むのは勇気が必要だったのかなと思います。その点についてお聞かせください。

和田:オープンワールドのゲームというのは、“プレイヤーがやりたいことを、やりたいようにできること”が一番正しいと思っています。その上で、我々作り手の想いとは別に、パブリッシャーであるスパイク・チュンソフトさんが判断されることも当然あります。また、世の中の矢面に立つのは、どうしてもパブリッシャーさんになりがちです。

(本作の開発は)僕らがやりたいことを好き勝手にやらせていただいているんですけど、その中でおそらくスパイク・チュンソフトさんが色んな判断をして、調整をしていただきました。

榊原昌平氏(以下、榊原):我々も、「ここまではいいよ、ここからは悪いよ」と判断しつつ、綾部さんたちが持っている世界やイメージを尊重したいという話もしていました。そのため、我々が確認した範囲では問題ないと考えていたので、あまり口を出しませんでした(笑)

綾部:「高圧電線に登れてしまうと、それを真似する子どもがいたら危ないので、さすがにNG」と考え、高圧電線の鉄塔には登れないように設計したんです。ネズミ返しをつけて。ただ、「すごく高い山の上からマントを使って飛び降りたらどうなるか」とか、我々の考えをゲーム内の現実が超える可能性もあるんですよね。

榊原:スパイク・チュンソフトの中でも、「こんな高いところから飛び降りたり、線路に入ったりして、真似する子供が出たらどうするんだ?」といった議論はありました。ですがやはりゲームなので、遊びの部分を潰してしまうと体験が損なわれてしまいます。

和田:ゲーム内では車も走っていますが、飛び出しても車が止まり、跳ねられたりはしません。これはつまり、フィクションでファンタジーなんですよね。


本作の大きな魅力である「登り」にまつわる開発秘話や、流れる時間の調整、高い自由度の実現など、貴重なお話からも『なつもん!』の魅力が窺えました。

令和に蘇る“90年代の夏”は、かつて『ぼくなつ』を愛したファンや、懐かしさと無縁の若年層に、どのような形で受け入れられるのか。ライターとしてのみならず、今回の先行プレイで期待度が高まったひとりのゲームファンとしても、実に気になります。

この『なつもん! 20世紀の夏休み』は、ニンテンドースイッチ向けに7月28日発売。学生の方は、「よもぎ町」でひと夏を心置きなく過ごすため、この日までに夏休みの宿題をある程度片付けておきましょう!

(C)2023 TOYBOX Inc./Millennium Kitchen Co., Ltd.
※記事内に使用されているゲーム画像は、全て『なつもん! 20世紀の夏休み』のスクリーンショットです。
取材協力:スパイク・チュンソフト

《臥待 弦》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲーム アクセスランキング

  1. 最強ポケモン「メガレックウザ」が、1日限定で登場!エピックレイドの重要ポイントまとめ【ポケモンGO 秋田局】

    最強ポケモン「メガレックウザ」が、1日限定で登場!エピックレイドの重要ポイントまとめ【ポケモンGO 秋田局】

  2. 『龍が如く』最新作が2,728円、スイッチの『ドラクエ』派生作もお手頃価格! PS5やスイッチもお得なゲオ店舗のゲームセールを現地調査

    『龍が如く』最新作が2,728円、スイッチの『ドラクエ』派生作もお手頃価格! PS5やスイッチもお得なゲオ店舗のゲームセールを現地調査

  3. まさに正統派美少女!『ウマ娘』ブエナビスタが勝負服姿で早くも登場―スペシャルウィークやシーザリオの衣装と共通点も

    まさに正統派美少女!『ウマ娘』ブエナビスタが勝負服姿で早くも登場―スペシャルウィークやシーザリオの衣装と共通点も

  4. 『FGO』新サーヴァント「★5 阿曇磯良(ひびき&千鍵)」発表!アーネンエルベの看板娘こと“ひびちか”がまさかの参戦

  5. これが本当のラクーンシティ…動物園「長崎バイオパーク」が『バイオハザード』のゾンビのようにむらがる“ラクーン(アライグマ)”を投稿し話題に

  6. 開幕早々売り切れ続出! ゲオ オンラインのセールソフトが更新─今年の話題作や人気シリーズなどがお買い得、PS4は1,000円以下のタイトルも

  7. 『メタルギア』シリーズの情報番組が本日6月28日20時から放送決定!リメイク版『メタルギアソリッド3』の最新情報に期待

  8. 『BLEACH Brave Souls』9周年記念!黒崎一護役の森田成一に訊く、新たに加わるXbox版&ニンテンドースイッチの魅力と9周年への想い

  9. 毎ターン、たねポケモンを一気に2進化まで成長させる!?『ポケカ』新弾のACE SPEC「偉大な大樹」が破格の性能…ただし注意点も

  10. ある店舗が『ポケカ』公式イベント大会で「ヨマワル」を禁止にするハウスルール適用―大不評の“サマヨール先行ワンキル”に独自対策【UPDATE】

アクセスランキングをもっと見る