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2023年8月3日、中国にてPC版が正式サービスを迎えた『CALABIYAU(卡拉彼丘)』。本作はiDreamSky Technologyが開発し、テンセントがパブリッシングを担当する、スマートフォン&PC向けの対戦型新作TPSです。
魅力的な美少女キャラクターたちが銃撃戦を繰り広げる本作は、5vs5のいわゆる“ヒーローシューター”です。
ヒーローシューターというと、『VALORANT』や『オーバーウォッチ』など、世界的に人気の高いタイトルが挙げられますが、本作のように美少女キャラクターたちが撃ち合うタイプは今までに見なかった新しい切り口といえるでしょう。
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現在bilibili内でも注目を集めているタイトルで、好みの分かれそうな対戦ゲームにも関わらず事前登録者数は90万人以上を誇ります。
日本語ボイスも既に収録済みな本作は、テンセントがパブリッシャーとあって、将来的にグローバルな展開に期待が持てそうな雰囲気があります。そこで今回は、ちょっとユニークなシステムも光る本作『CALABIYAU』についてご紹介していきます。
◆ まるで『ペーパーマン』?紙のようなペラペラ状態になれる新感覚のシステム
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『CALABIYAU』ならではの斬新なシステムがこちらの「弦化」と呼ばれる状態です。紙のようにペラペラな姿になることで敵の攻撃を躱わしたり、高低差を活かし滑空したりもできちゃいます。
このように本作のバトルは、キャラクターの姿形を2Dと3Dの形態に切り替えるのが特徴的で、今までのヒーローシューターには見られない一風変わったシステムが備わっているのです。
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ペラペラなキャラクターが戦う姿は、なんだかPC向けにサービスが運営されていたFPS作品『ペーパーマン』っぽさを感じてしまいます。
弦化状態の汎用性は非常に高く、壁に張り付いて身を隠すほかに、足場のない離れた高所の部屋を壁伝いで移動するなんて芸当も可能なようです。
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ゲームのガワだけを見れば3Dモデルのキャラクターたちが銃を撃ち合うアクションゲームらしさはありますが、実際に公開されている公式トレーラーを見ると、実にユニークでコミカルな作風にすら見えます。
バトルにはキャラクターのスキルと弦化を巧みに使い分ける臨機応変なプレイが求められ、チームプレイでの戦略性のみならず、プレイヤー個々の能動的な工夫がマッチに貢献するようです。
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◆ ユーザー評価は今のところ良好な傾向。しかし問題点も浮き彫りに
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ゲームプレイしたユーザーたちの評価としては好意的な意見が多く挙がっていました。
「弦化状態で壁を走れるのが斬新!」「ビジュアルに魅了されたゲームに引き込まれた」「本当に楽しい」などなど、他のヒーローシューターにはない強みがユーザーたちを虜にしている印象です。
一方でゲームバランスの悪さや、マッチングの仕様、ルールに新鮮さが足りないといった課題も寄せられています。
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取材している中でとりわけ気になったのは、「スマートフォン版を早く出してほしい」と懇願するユーザーが多いという点です。
本作は対戦型のシューティングゲームなので、マウスとキーボードの親和性を考えても、PC版を求めるプレイヤーが多いものと考えていました。しかし、bilibiliやTapTapに投稿されている実際のユーザーコメントを覗いてみると、案外そうでもありません。
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中国のユーザーにとってはもはや“スマートフォン=ゲーム機”の認識が強く、パソコンゲーマー以上にスマートフォンゲーマーの文化が浸透しているのでしょうか。
実際、ハイクオリティなアプリゲームが続々と登場する文化の違いを垣間見たようで、ある種のカルチャーショックとも言えます……。
筆者もいちアプリゲームファンとして、本作のバランス改善には期待しつつ、新たなヒーローシューターの登場を心待ちにしています。