2023年8月25日に満を持して発売されたロボアクション『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)』ですが、思った以上に難しいという世間の声も多く聞かれ、チュートリアル時点で心が折れかける独立傭兵が相次いでいるようです。
というわけで今回は、本作のストーリー序盤の壁として立ち塞がるボス「バルテウス」と「シースパイダー」とはどのようなボスなのか。その攻略も兼ねた内容を紹介します。
実はシンプル?『AC6』を攻略するための心構え
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まず本作には“スタッガー”という概念があります。これは、攻撃を受け続けるとAP(体力)とは別にあるACSのゲージが溜まっていき、それが限界まで達すると機体が制御不能となって大きな隙が生じるシステムです。
スタッガーはプレイヤーだけでなく敵にも存在し、その状態に陥っている間は受けるダメージが大幅に増加。特に、ボスなどは通常の攻撃が通りにくいのもあり、これを積極的に狙っていくのが本作における基本戦術になります。
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実は当初、筆者もシリーズほぼ未経験者として手探り感覚でプレイを続け、世間のプレイヤーと同じくボス戦のたびに苦戦していました。射程外からマシンガンを連射して弾を無駄にしていたのも良い思い出ですが、このスタッガーを意識しはじめた途端、戦闘が消化試合に思えるほど簡単になってしまったのですから不思議です。
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また、本作は敵が大量の弾幕を放ってくる上、ブーストなどの回避行動中に無敵時間が存在しないらしいということもあり、どうやっても完全な回避は困難。弾薬も有限なので、肉を斬らせて骨を断つ短期決戦で望むことが多々あります。
そういうわけで、本作においては相手が強力なほど多少の被弾は覚悟で挑み、敵を上回る猛攻で一気に決着をつけなければなりません。それ故に、一見すると無謀にも思える“ゴリ押し”がボス戦では正攻法になりえるということを心に留めておきましょう。
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対バルテウス戦
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バルテウスはチャプター1の最終ボスであり、その前に地味に強い中ボス・スッラを撃破する必要があるなど、序盤の難関としては十分すぎる難易度を誇っています。バルテウスは高速で空中を移動する機動力だけでなく、散弾やマシンガン、ミサイルからランチャーといった重武装、さらには火炎放射など無数の攻撃手段を持つ万能型です。
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しかも、バルテウスは常にパルスアーマーを展開しており、これを破らなければ直接ダメージを与えることができません。高威力の爆発系で押し切るのも有効ですが、軽量機体の場合は重量やEN負荷に余裕がないので、片手にパルスガンをひとつ持っていくだけでも有利に戦えるでしょう。
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筆者も最近は軽量機体の逆関節パーツが使いやすいと感じており、メイン武器はプラズマライフルを選択。弾数は少ないものの、攻撃力・衝撃力・衝撃残留が高水準でまとまっており、このうち衝撃力が高いほど相手のACSに与える負荷が大きく、衝撃残留はゲージに残る衝撃の量を表していてスタッガーのさせやすさに直結します。
着弾すると範囲攻撃かつ多段ヒットするのも魅力ですが、弾速が遅いのでAC級などの敵には容易に避けられるのが難点。上から下に向かって撃つと爆発範囲を活かして撃ち損じを減らせるので、空中戦向きの軽量や四脚機体に向いています。グレネードなどの爆発系武器も同様です。
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戦闘時の立ち回りに関しては、バルテウスが挨拶代わりにミサイルを100連発してくるのを無視して懐へ突進。ミサイルひとつ取っても様々な軌道で襲ってきますが、肉薄して常に回避していれば外れる可能も高いです。接近したら全兵装斉射でバルテウスを攻撃し、パルスアーマーの破壊、スタッガー狙いで確実にダメージを与え続けましょう。
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基本的には、細かいダメージは無視してアラート表示が出る攻撃を集中回避し、肉薄攻撃を繰り返します。軽量機体の場合はジャンプするだけで相手の頭上まで飛べるので、そのまま飛び越えるつもりで回避しながら攻撃すると行動の無駄も最小限。ボスの真上や真下は死角になっていることも多く、頭上でホバリングするのが比較的安全です。
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バルテウスのAPが半分ほどを切ると大爆発を起こし、火炎放射による近接攻撃などを多用する攻撃的なスタイルに変化。あくまで体感ですが、敵の攻撃は最後の瞬間までホーミングされているので、直前まで引きつけてから逆方向へ避けると回避しやすいと思います。
ちなみに、バルテウスは行動の合間に長く制止することが多いので、ACには当たりにくいミサイルを積極的に使用して衝撃やダメージを蓄積させるのもオススメです。
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対シースパイダー戦
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チャプター2の最終ボス・シースパイダーもバルテウス同様、専用の機体に強力な武装を備えています。上部の砲台と各種エネルギー兵装、松ぼっくりのような形のビーム主砲。さらに、巨大な機体を活かした歩幅で一気に距離を詰めて殴りかかるなど、まさにボス級の頑強な移動砲台です。
ただ、攻略法としてはバルテウス戦と同じ肉薄攻撃が通用します。加えて、ここに至るまでに購入できるパーツの種類も増え、アセンブルの選択肢が広がっているという意味でも、バルテウスの方が厄介な相手だったかもしれません。
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シースパイダーも出現と同時に強烈なプレス攻撃を仕掛けてきますが、距離を取って回避してから懐へ突入。バルテウスとは違ってパルスアーマーはないので、今回は両手にプラズマライフルを装備し、衝撃力の高い爆発系のミサイルも併せて攻撃すれば、相手のACSに継続して負荷をかけて畳みかけるようにスタッガー状態にできます。
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ボスの動き自体も緩慢としているものの、死角である真下から少しでもはみ出すと小レーザーの連射でダメージを受け、逆にこちらがスタッガー状態にさせられて大ダメージを受けることもあるので注意しましょう。
バルテウスは真上も死角でしたが、シースパイダーは上部に砲台を備えていて射角も上下左右かなり広め。追尾型のホーミングレーザーも上に向かって発射されるので、真下の松ぼっくりに肉薄するように立ち回るのが一番安全です。
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ところが、APが半分を下回るあたりでバルテウスと同じくスタイルが変化し、浮遊しながらビーム主砲による範囲攻撃を多用してくるので、こちらも空中戦を基本にして攻撃を続けます。空中戦が得意な軽量機体などの真価が発揮される場面ですが、重量機体でも攻撃を見極めてジャンプやブーストで回避すれば問題ありません。
とにかく攻撃を続けてスタッガー状態にできれば、それだけで相手の動きを止めて封殺できます。回避よりも断固に攻撃を優先してスタッガーを狙うゴリ押しはバルテウス戦と変わらないので、これも本作の基本テクニックかつ重要な“コツ”のひとつと言えるでしょう。
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それでも勝てない独立傭兵のために(ネタバレ)
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ゴリ押しや長期戦など様々な戦法で試行錯誤して、それでも勝てないと絶望しているプレイヤーも多いでしょう。
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そこで紹介したいのがこちらのアセンブル。両肩に装備したグレネードでスタッガー状態に陥らせ、肉薄してガトリングを撃ちまくることで敵APを削り取ります。あらゆる強敵を粉砕する超短期決戦・必殺構成です。
グレネードは単純に高火力というだけでなく、衝撃力もずば抜けていてパルスアーマーなど防御力の高い敵にも有効です。ガトリングも連射速度が優秀なのは当然ながら、スタッガー状態の相手に与えるダメージを増幅させる直撃補正が高いのもポイント。
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これらは、ちょうどシースパイダー戦までに解禁されるパーツ。試しに実験してみたところ、二連式のグレネードをダブル斉射することで瞬間的にスタッガー状態となり、ほぼ圧倒する形で勝利しました。
この構成を考えて使っている自分で言うのも何ですが、グレネードが当たりさえすれば大抵の敵は一瞬で消し炭になるので、ボス戦の緊張感や駆け引きはありません。このアセンブルを使用すると敵を淡々と処理していく作業感が強くなるので、使用に関してはプレイヤー各自の自己責任でお願いします。
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心構えの部分でも触れましたが、本作を攻略するにあたってスタッガーを意識すること、完全な回避は諦めることが肝要です。
細かいシステム周りも含めてプレイヤーを追い込むようにできているのは、本作を開発したフロム・ソフトウェアの作品『Bloodborne(ブラッドボーン)』のリゲインに近い概念、積極的な行動に駆り立てようとする開発者の強い意志を感じました。
もうひとつ言うと、本作では明確に“弱い装備”というものがなく、初期装備なども使い方次第でゲームを通して活躍できます。重量やEN負荷の制限もあって、強いものを装備するためにあえて弱いものを装備するというのも奥深く、プレイヤーごとに個性が強く出るのも面白いです。