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2023年9月14日、Nianticとカプコンによるスマートフォン用リアルワールドハンティングアクション『モンスターハンターNow』がリリースされました。カプコンの大人気ハンティングアクションゲームは、位置情報ゲームとしてどのように生まれ変わったのか? 本作のディレクターを務めるNianticの菅野千尋氏と、プロデューサーを務める大隅栄氏にうかがいました。
◆コンソールと大きく異なるのは「狩猟時間」と「操作形態」
――事前登録者数が300万人を突破した注目作『モンスターハンターNow』がいよいよリリースされます。
菅野千尋氏(以下、菅野)本作は、カプコンさんの『モンスターハンター』をお借りして、現実の位置情報やARを活用して実際に足を運んだ場所で出会ったモンスターを狩猟するゲームです。
地図上にはコンソールでもおなじみの採集ポイントが発生しますので、モンスターから得た素材と採集による素材を合わせて武器や防具を作成・強化していきます。
――基本的な流れはコンソールの『モンスターハンター』と同じですね。
菅野弊社がこれまでにリリースしてきた他のタイトルと異なるところは、マルチプレイの楽しさにも大きく力を入れているということです。友人やご家族はもちろん、周囲約200mの範囲にいる他のプレイヤーとも気軽にマルチプレイできるようになっています。
また、位置情報ゲームは日常に寄り添うものだと考えていますので、遊びやすさにも気を配りました。具体例のひとつとして、モンスター討伐は最大でも75秒で終わる点が挙げられます。
――コンソールのシリーズでは基本的に最大50分ですので、体験が大きく変わりそうな印象を受けます。
菅野コンソールの『モンハン』はじっくりと時間をかけて狩猟する体験が大きな魅力のひとつですが、本作はそれをグッと凝縮して狩猟のハイライトシーンを楽しんでいただくことを意識しました。
大隅栄氏(以下、大隈)真夏の炎天下や真冬の寒い日にも屋外で狩猟バトルをするなら、どのくらいの時間が適切か、試行錯誤を重ねて最大75秒間としました。
本作がコンソールの『モンハン』と一番大きく異なる点は「狩猟時間」と「狩猟の際の操作」だと思います。モンスターの狩猟は、長押しを含めたタップと上下左右のフリックのみで行えます。
◆「対面で遊ぶモンハンの楽しさ」を今あらためて届けたい
――アクション面の操作に関しても後ほどうかがいますが、位置情報ゲームはその性質上、住んでいる地域や遊べる時間帯などでプレイヤー間の格差が出てしまう傾向にあります。その辺はどうお考えでしょうか?
菅野人が多いスポットが周囲にあると有利ではありますが、本作では郊外にお住まいの方も遊びやすくすることを強く意識しています。例えば、ランドマークのような場所以外でも各種採集アイテムはきちんと出現しますし、モンスターも、大通りでなくとも道の近くであれば出現します。
また、ある程度の広さの公園であればモンスターや採集アイテムがより出現しやすく、さらに再度出現するまでの時間も短くなっていますので、活用していただければと思います。
――コンソールの最新作『モンスターハンターライズ サンブレイク』では、NPCと狩猟にいける盟勇システムが登場しました。本作にも同じようなシステムはありますか?
菅野『モンハンNow』はプレイを通して仲間(ゲーム仲間)が増えていく体験ができること、そうした出会いがもたらされることを何より大切にしていますので、見送らせていただきました。
大隅これまであまり言葉にはしてきませんでしたが、本作はかつてPSPで『モンスターハンター ポータブル』シリーズが大ブームになった時のような「対面でプレイする楽しさ」を再び提供したいという思いがあります。
菅野私はゲーム開発に携わるようになって長いですが、一番最初に『モンハン』を知ったのがその頃だったこともあり、今でも強く印象に残っています。インターネット回線で遠く離れた人とも気軽に遊べる今日の環境はもちろんすばらしいですが、あの頃に仲間たちと顔を突きあわせて遊ぶことにも、異なる魅力があったと感じています。
オンラインゲームでありながら、そうしたローカルマルチプレイがもたらす対面で遊ぶ楽しみが味わえることも位置情報ゲームの強みです。コロナ禍でリモートやオンラインがより一層当たり前になった今に本作をお届けすることは、“古くて新しい”楽しみを提供してくれると考えています。
――自分も、いちプレイヤーとしてPSP時代のブームを味わいました。あの頃はゲームが得意な若手社会人が職場の上司を助けながらマルチプレイする「接待モンハン」なんて言葉まで生まれました。
菅野ありましたね!よく覚えています(笑)。また、本作は懐かしのアイテム「ペイントボール」が復活しています。モンスターに投げてマーキングしておけば、翌日の職場や学校で仲間たちと一緒に狩猟できますので、これもご活用いただければと思います。
大隅ペイントボールは、ゲームを起動していない時でもオトモアイルーが勝手に投げてくれることがあります。忙しい日も、オトモアイルーがモンスターをマーキングしてくれているかもしれませんので、1日の最後にはチェックしてみてください。
◆尻尾や頭部を狙う時は慎重に、毒やマヒなどの属性も健在―狩猟時のあれこれを深堀り!
――モンスターを狩猟する際のアクションや詳細をお聞かせください。モンスターが攻撃をしてくる際は直前に体全体が赤く光る演出があり、それを見てフリックで回避行動を取ればよい…と特別番組で紹介されていましたが、こちらから攻撃する際もタイミングを計る要素はありますか?
菅野攻撃する時も、タイミングを見計らう要素はあります!
――たとえば、モンスターの背後にまわって尻尾狙いの攻撃をしても、タイミングが悪いと攻撃が尻尾ではなく体に当たってしまうようなことはありますか?
菅野そういうこともありえますね。
――なるほど。登場する武器種の中にはライトボウガンと弓がありますが、これらの武器で狩る際に照準を合わせるような要素はありますか?
菅野不慣れな方のために照準をアシストする要素がありますが、慣れている方はその機能をオフにしてご自身で狙いを付けた方が効率よく立ち回れます。その際は、ジャイロ機能をオンにすると端末を傾けることで照準を付けられます。
――特別番組で公開されたプレイ映像では、プケプケが毒を吐くシーンがありました。毒やマヒなどの属性は本作でも健在でしょうか?
菅野もちろんです。マヒ属性が強い武器を持っていけば、マルチプレイで貢献しやすいのもコンソールそのままです。
――本作は基本無料のアイテム課金となっていますが、具体的にはどのようなアイテムが販売されるのでしょう。
菅野まず大前提としまして、『モンハンNow』は弊社が展開する他のタイトルと同じようにガチャはありませんし、今後も実装する予定はありません。
販売されるのは回復薬を始めとする消費アイテムの一部と、本作ならではのものとして報酬の素材を2倍にする「特製剥ぎ取りナイフ」が用意されています。
これは事前に購入しておく必要はなく、モンスターを倒したあとのリザルト画面で獲得した報酬を見て「1個だけ出たこの素材を2個ほしいから買っちゃおう」という判断ができるようになっています。
――コンソールでは素材のドロップ確率を上昇させる「幸運/激運」スキルがありましたが、同じような効果を持つアイテムなどは販売されますか?
菅野レアドロップ率がアップするようなアイテムの販売はありません。あくまで「獲得した素材の量を増やす」のみです。
大隅また、本作独自のアイテムには「おさんぽ玉」というものもあります。これは屋外を移動している際にゲーム内でアクセスできる範囲を一定時間広げるというもので、これを使うと普段は距離があってアクセスできない、川の向こうなどにいるモンスターを狩猟することができます。
――『モンハン』ならではの要素が、本作にもしっかりあることが分かりました。それでは最後に、今後の展望をお聞かせください。
菅野「物心ついた時には、すでに『モンハン』がオンラインマルチプレイに対応していた」という若い方もいらっしゃると思いますが、本作を通して「人と対面で遊ぶモンハンの楽しさ」を届けられれば幸いです。
――近くにいるのが面識のない人であれば、ムリに対面せずともゲーム内でマッチングできるわけですよね。
菅野はい。モンスターを狩猟する際は、その時周囲に本作を起動しているプレイヤーが何人いるか表示されますので、気軽に招待してマルチプレイを楽しんでください。インターフェースをとことん簡略化させていますので、誘い方が分からない…ということもないと思います。
大隅招待を受けたプレイヤーの画面には「ひと狩り行こうぜ!」というメッセージが表示されるようになっているんですよ。
――『モンハン』ではおなじみのワードですね!
大隅また、本作は1シーズンに1回の大型アップデートを予定しており、武器種の追加など、遊び方が大きく変わる変更はそのタイミングで実施していく予定です。日常的な遊びやすさなどを向上させる細かな変更・修正は、大型アップデートを待たずに随時行っていきます。
ゆくゆくは『モンハン』のすべてのモンスターが集まるゲームにして、そのうえでカプコンさんと協力して本作オリジナルのモンスターを生み出す……というのが今の野望です(笑)。
菅野 カプコンさんによるコンソールの『モンハン』が大好きなのは、私たちもみなさんと同じです。それと比べてどちらがどうというよりは、「自宅ではコンソールの『モンハン』でじっくり遊び、外出時は本作で気軽に遊ぶ」と“家でも外でもモンハン”な遊び方をしていただけたらうれしいです。よろしくお願いします!
(C) 2023 Niantic. Characters / Artwork / Music (C) CAPCOM CO., LTD.
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