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9月某日、シリーズ最新作となるPS5向けタイトル『Marvel's Spider-Man 2』のメディア向けイベントが米ロサンゼルスで実施されました。
『Marvel's Spider-Man 2』は、10月20日に発売予定のシリーズ第3作目。前作『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』はPS4とPS5の両機種でのリリースでしたが、本作はPS5専用タイトルとなります。
世界中メディアが集まり、ハンズオンも体験できた本イベントにて、『Marvel's Spider-Man 2』のシニアクリエイティブディレクターを務めるBryan Intihar氏に2社合同インタビューを実施。PS5専用になったことで可能になった表現や、他のスパイダーバースとの繋がりについて訊きました。
また、記事末では本イベント会場のミニフォトレポもお届けします。
別記事では本作のインプレッションも紹介していますのであわせてどうぞ!
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――本作はPS5専用タイトルとなりますが、『Marvel's Spider-Man』や『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』からゲームエンジンの変更やアップデートはあったのでしょうか。もしあったなら、表現やアクションはどのように変化したのでしょうか。
Bryan Intihar氏(以下Bryan):私たちの技術は常に進化し続けています。エンジンについては担当ディレクターの方が詳しいのであまりお話しできませんが、今回もできるだけプレイヤーの体験をレベルアップさせようとしています。プラットフォームがPS5になったことによる進化は、移動速度やキャラクターの切り替えのスムーズさなどがあります。地下と地上を行き来する際の移動がスムーズに行えますし、ライティングも向上しているので、リザードとのボス戦ではとても良い演出ができています。特に、パフォーマンスモードも全て含めて、PS5というプラットフォームでなければ作れなかったものだと感じています。
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――従来のシリーズ作品からの特に目立つ進化のポイントとしては“ブラック・スーツ”に身を包んだ黒いスパイダーマンの登場があるかと思いますが、ピーターのアクションのパワーアップについて詳しく教えてください。映像では複数の敵を一挙に飲み込むような様子も見られましたが、彼はどんなアクションが可能になっているのでしょうか?
Bryan:シンビオートは、スパイダーマンや他のマーベル作品でとても人気なので、私たちも独自の要素を盛り込みたいと考えていました。他の作品の解釈だとかなりアクロバティックに動くなど突飛なキャラクターではあるのですが、私たちは、本作の解釈としてとてもパワーがあって変化自在な存在ということをテーマにして設計しました。ピーターはシンビオートとの繋がりが強くなればなるほど能力がどんどん増えていってゲームプレイの面白さにも繋がってきます。物語としても、シンビオートはピーターの心にも影響してくる展開となっています。私たちのシンビオートやベノムの解釈を楽しんでもらえると嬉しいですね。
――本作ではDualSenseのハプティックフィードバックやトリガーエフェクト、Tempest 3Dオーディオ技術ではどのようなギミックが用意されているのでしょうか。
Bryan:3Dオーディオについてはオーディオディレクターしか説明できない部分がありますので詳しくお話しできませんが、3Dオーディオでもハプティックフィードバックに関しても、どうすればプレイヤーに没入感のある体験をしてもらえるかということを常に考えて開発しています。今回会場でプレイいただいたデモの一番最初のミッションで、さまざまな敵からの攻撃で多様な触感フィードバックを感じることができたと思います。本作にはそういった要素を多く導入していますし、それを通して没入感のあるストーリーをプレイヤーに語っていきたいと考えています。
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――ミッション中以外では自由にピーターとマイルズを切り替えられるとのことでしたが、操作していない方のスパイダーマンはどのように動いているんでしょうか。街中でたまたまふたりが出会う......というようなことはあり得ますか?
Bryan:そこは実際にゲームプレイをしていただいて体験していただきたいところです。ピーターやマイルス専用のミッションもあれば、どちらでもクリア可能なミッションも用意しています。例えば、ピーターが通報を受けて駆けつけたところに、マイルズがもういる、みたいな状況も発生します。スパイダーマンの2人がバッタリ会うこともたくさんあるので、実際にプレイして体験していただきたいです。
――『Marvel's Spider-Man』と『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』をリリースした後のプレイヤーの感想はどのようなものは多かったのでしょうか。また、プレイヤーの声を聞いて本作に導入した機能や要素はありますか。
Bryan:私たちはいつもファンの反応を細かく見ています。前作や前々作だと、移動方法や戦闘、スケールの大きさ等々でいい反応をいただいています。そういったところが大好きだと言っているプレイヤーが多いので、最新作でもそれらの要素はファンの期待に応えようとしています。同時に、PS5の性能をフルで活用したいとも考えていましたし、それにあわせて新しい要素をいろいろと入れています。大きなテーマとしては、オープンワールドで、プレイヤーたちが自分で探索できて、自分でいろんなものを見つけられるようにしたいというのがありました。
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他のゲームなどでは、UIによってゲーム側から何か促されて、レールに敷かれたような体験にどうしてもなりがちなので、それをなんとしても避けたかったんです。それで、プレイヤーが自由にマップを探索して冒険する中で、何か面白いものに出会ったりする体験ができるように設計しました。例えば、マップのどこかでドローンが飛んでいたりとか、何か物体がうごめいていたりとか、何かのシンボルが空に映っていたりとか、そういうのをプレイヤーが自分で発見していって、そこに行ってみるとさまざまなミッションが発生したり、面白いものが見つけられますし、探索すればするほど報酬が受け取れるようなシステムになっています。また、ボス戦もスケールをできるだけレベルアップしたいと考えていました。
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リザード戦がとてもいい例ですが、最初は地下で戦ったのちに地上を逃げまわるリザードを追跡するミッションがあります。そこで色々な強力な攻撃に対処が必要かと思ったら、地上に逃げ出してからはオープンワールドで建物を登ったり、攻撃を避けながら追跡する、みたいにガラッと変わるようになっています。そしてまた地下に戻って第3のフェーズが待っていて、そこでは新しい能力が開放されり、とか。今までの方法だと攻略できない要素をたくさん入れてるので、新要素をフル活用していって、さらに強力になったボスを倒して欲しいですね。
――本作の物語について、まだ細かくお聞きすることはできないと思いますが、大きなテーマのようなものが定められていれば教えていただきたいです。「大いなる力には、大いなる責任が伴う(With great power comes great responsibility)」というのは『スパイダーマン』で特に有名な台詞ですが、本作にもこうした作品を象徴するテーマのようなものが採り入れられているのでしょうか。
Bryan:物語の大きなテーマは、「バランス」だと思っています。「バランス」というのは、スパイダーマンのマスクをかぶった自分と普段の自分の人生のバランスを取りながら、その両方をどう両立させていくか、ということですね。主人公の2人ともいろいろと苦労している様子が描かれていますし、似ているところもあれば違うところもあります。例えばピーターは、メイおばさんが亡くなってしまったので大人にならざるを得ない状況です。例えば、家のローンをどうやって返済していくかとか、過去に固執しないように未来を見据えて次の人生に移っていこうかと悩み、苦悩しています。
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マイルズも、リーによって自分の父親が殺されてしまったことを忘れられず固執していますが、同時に大学入学という次のフェーズのために論文を書かないといけなくて苦労しています。過去と未来の「バランス」。マスクを被った自分と、その自分の人生のそれぞれの「バランス」が大きなテーマです。
――スパイダーマンという作品は、さまざまなユニバースとつながる「マルチバース」も特徴です。実際、映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』では本ゲームシリーズのスパイダーマンも少し登場していました。日本では東映版スパイダーマンに登場する巨大ロボット「レオパルドン」が有名なのですが、開発チームの中でレオパルドンをゲームに登場させたいという声はあるのでしょうか。
Bryan:素晴らしい質問ですね。レオパルドンは知ってますし見たことこともありますが、申し訳ないことに現状では本作に出てはこないです。しかし、絶対に出てこないとは言えない世界でもあるので、将来的にはもしかしたら......。
――ありがとうございました。
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最後にイベント会場のミニフォトレポもお届け!
イベント会場はLAのダウンタウンにある古い建物を改装したイベントスペースで、ゲームのスパイダーマンの世界を再現した装いとなっていました。
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『Marvel's Spider-Man 2』は、PS5向けに10月20日発売予定。価格は8,980円(税込)です。
¥7,345
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)