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筆者が子供のころ、サッカーといえば「キャプテン翼」でした。ドライブシュート、タイガーショット、スカイラブハリケーン! 必殺技を叫びながらボールを蹴って遊んだものです。しかし、今ゲーム業界で、サッカー、そして必殺シュートといえば、『イナズマイレブン』かもしれません。
そんな『イナズマイレブン』の最新作『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』が2023年9月21日から開催(一般公開日は9月23日から)されている「東京ゲームショウ2023」でプレイアブル出展されています。筆者はシリーズ未経験の初心者ですが、初めてでも必殺シュートや必殺ドリブルを決めたり、サッカーの駆け引きを大いに楽しめたので、プレイレポをお届けしたいと思います。
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試遊を始めると、すぐに試合開始となります。ボールをもってドリブルで進み、自由にパスを出すこともできます。相手チームの選手が近づいてくると「フォーカス」が発生。ディフェンスの選手から左右に両手を広げたエフェクトが出て、立ちふさがります。この時、エフェクトを避けるようにドリブルで突破するか、パスをするか、あるいは必殺技を使うかという選択に迫られます。
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パスをすれば比較的安全に状況を抜け出せますが、ドリブルで突破すると、「ブレイク」となってテンションゲージをたくさん得ることができます。そしてこのテンションゲージを消費することで必殺技を使うことができます。ドリブルは相手の広げている両手のエフェクトのなるべく外に走り出すことで勝ちやすく、お互いの位置取りをみながら隙を突く1対1の緊張感が楽しめます。
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必殺技を使った場合は、先に使われた方が、後から必殺技を選び、両者の相性や強さによってどちらがボールを取るかがきまります。テンションゲージがなければ必殺技は使えないので、フォーカスでの勝負を避けてばかりいると、ここぞという時に一方的に必殺技を使われて突破されたり、ボールが奪われたりということになります。
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パスは比較的安全にフォーカスを避けられると言いましたが、絶対安心というわけではありません。パスをした味方の近くに相手選手がいると、今度は「スクランブル」が発生します。パスをもらってさらにパスをするか、それとも自分でキープするか、左右にでたアイコンを即座に選んでタイミングよくボタンを押します。ピッタリのタイミングでボタンを押せれば「ジャスト」となって成功率がアップします。
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防御側でのフォーカスは、逆に両手を広げたエフェクトの範囲から相手を逃がさないように動きます。ステップで左右にさっと動くことでうまく相手の動きを抑えられると気分はサッカー選手。
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フォーカスに勝ち、パスを回し、首尾よくゴール前までボールを運べば、「ゾーン」を使うことができます。ゾーンでは、自らシュートを決めるか、他の選手にパス、あるいはセンタリングをするかが選べます。
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シュートする場合は、普通のシュートか、必殺技を選ぶことができ、キーパーの位置を見ながら自分でゴールの枠を狙います。パスを選んだ場合も、パス先の選手がダイレクトシュートをするか、必殺技を選ぶことになります。
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逆に防御側で相手にゾーンを使われると、キーパーが必殺技で守るか、ディフェンダーに指示してDF城壁と呼ばれる守りを固めるかの選択となります。DF城壁というのは、ディフェンダーの壁のようなイメージで、場所を指定すると近くのディフェンダーが寄ってきて守りを固めてくれます。ゴール前の状況を把握して、どのコースをディフェンダーで塞ぐか、あるいは間に合わないと考えてキーパーが必殺技で守るか、判断が問われます。
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必殺技で敵の守りを突破したり、シュートを決めたりというのは、派手な演出も相まってもちろん楽しいのですが、実際にプレイしてみるとそれ以外の部分にかなりアクション要素や戦略性が詰まっていて面白いことに気が付きました。
たとえば、「敵のスキをついてフォーカスに勝利し、パス回しで攪乱、ディフェンスの穴をついて決定的シーンを作って、普通のシュートでゴールを決める」というプレイが、試遊中に1回だけ成功しました。こういったプレイをすると、自分で相手を崩せた感覚があり、必殺シュートを決める以上の達成感で興奮します。うまい攻め方で必殺技を使わずに得点できると、今度はいざというときに必殺技を使うことができ、さらに優位に立てるということでもあります。
今回初めて『イナズマイレブン』をプレイしましたが、ど派手な演出は期待通りで気持ちよく、しかし、それ以外の一見地味とも言えるアクション部分も、アクション性は確保しつつも適度なスローがかかって遊びやすく、敵チームとの駆け引きが感じられ、とても楽しめました。
ど派手な必殺技とサッカーゲームの駆け引きが初心者でも安心して楽しめる『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』は、Nintendo Switch/PS5/PS4/iOS/Android向けに、2023年発売予定です。