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2023年10月20日に正式リリースを迎えた自称“健全系RPG”の『ハツリバーブ-HAZEREVERB-』(以下、「ハツリバ」)が、実は不健全なのではないかと筆者の中で話題沸騰中です。
本作は中国にて『蒼霧殘響(※)』の名称で配信中のスマートフォン向けタイトルです。巨大な美少女たちが異星からの侵略者と戦う......という触れ込みなのですが、「よくも堂々とアプリストアで健全さをアピールできたものだ」と、思わずにはいられませんでした。
そして「これは本当に健全なのか?」と疑問を抱いたわけです。
※システム上の関係で簡体字で表記すべき部分もすべて繁体字に置換しています
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手始めに豊富な用例で知られる三省堂出版の「新明解国語辞典 第八版」を手に取り、「健全」について調べてみました。すると、“身体や組織の状態に欠陥・異常がなく、順当な活動が見られる様子”とあります。これは美少女の身体が異常に巨大化しているので健全とは言い難く、アウトでしょう。
ほかにも“悪影響を及ぼすおそれがないので、多くの人に勧めることが出来る様子”といった意味もあるようです。作中にはメンテナンスと称して、美少女の背中を流す交流要素が備わっています。ゲームシステムにしてはお色気要素が強く、思春期男子に与える影響は大きそうです。
果たしてこれが悪影響になるのか議論の尽きないところですが、おそらく肯定的な意見は男性プレイヤーが多くの割合を占めそうな気がします。ただ、そのゲーム画面を自分の両親に見せつけて「悪影響を及ぼすおそれがない」と断言し、それを勧める勇気は到底起きません。筆者的にはアウトだと思います。
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また、同辞書に収録されている「健全な娯楽」という用例は、“世間の公序良俗に反することのない娯楽”の意味で機能します。
つまり、娯楽としての『ハツリバ』に「健全」の言葉を当てはめるのであれば、露骨なローアングルイラストに、はちきれんばかりのヒップ、こぼれ出しそうなバストといった数々の要素は、世間の公序良俗に反していないという明確なジャッジが必要です。
公開中のキービジュアルがもし駅構内に貼ってあると仮定した場合、少なからずクレームは殺到しそうですし、悪い意味でも注目を集めそうです。よって筆者の中では、健全を装う不健全なゲームではないのかと考えてしまうわけです。今回はそんな自称健全系RPG『ハツリバ』のプレイレポを健全にお届けしていこうと思います。
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◆ 多様な性癖に応える美少女キャラクターたち。それ以上に健全(?)な要素がてんこ盛り
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作中に登場する美少女たちは、実は“元々人間”です。特殊な装置を用いて文字通り「巨大化」しており、その大きさは元サイズの約20倍ほどになるとのこと。
巨大化の弊害でそれに相応しい布が用意できないのか、全体的に布面積は少なめ......そう考えてはみたのですが、案外そういったこともなさそうでした。
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当初はキャラクター全般に露出の高い印象を受けましたが、それぞれが所属している部隊ごとに服装のテーマが異なるのか、中には和装やメイド服まで見られます。
また、人類の滅亡を目論む機械生命体「原罪」によって、過去に母星を滅ぼされた亜人種のキャラクターたちも登場していました。彼女たちは異星の文化としてそういうもの、と言われれば納得できる(?)気がします。プレイヤーの幅広い性癖に応える意欲的なキャラデザではないでしょうか。
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ビジュアルでもう1つ目を引くのは、彼女たちが装備している「武装」についてでしょう。機械生命体と戦うための武具は多種多様で、ロボットが手にするゴテゴテとしたメカニックデザインです。
キャラクターの見え方次第では“美少女の巨人化”というより、“何かの擬人化”と表現した方がしっくりくるかもしれません。メカと美少女の組み合わせがドストライクなプレイヤーには刺さりそうなポイントです。
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巨大な美少女、ゴテゴテのメカ、多様な亜人種など、さまざまな“萌え要素”が入り乱れる『ハツリバ』の世界観はかなり混沌としています。
とはいえ、キャラデザだけの話なら、本作以上に欲望丸出しのタイトルはそれなりに現存しているというもの。『ハツリバ』でのポイントは、美少女たちのあられもない姿にギリギリのチャレンジング精神を感じられるという点です。
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セーフかアウトのボーダーラインを極限まで攻めているようですが、もはやアウトに片足を突っ込んでそうなグラフィックまで確認できます。
ちなみにセクシーを超えてもはや過激な域に達したゲーム『ラストオリジン』では、成人向けのDMM GAMES版(※)や、韓国独自のアプリストアONE STORE版が存在し、App Store&Google Play版などとはバージョンごとにグラフィックが分けられています。
流石に『ラストオリジン』ほどではないにしろ、どんなテクニックでApp Storeの審査を通過できたのか不思議でなりません。なお、『ハツリバ』は、スマートフォン版とのデータ連携が可能なDMM GAMES版(PC版)の事前登録が受付開始となっています。
※ DMM GAMES版の成人向け『ラストオリジンR』は2022年06月23日(木)にサービスを終了しています。
◆ ストーリーは意外にもダークな展開が光るシリアス系のSF
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『ハツリバ』では見上げるほど巨大な美少女たち、「ドライバー」を指揮する主人公の視点で物語が進みます。導入からかなり不穏な空気で、登場人物の誰が倒れたとしてもおかしくないほどに陰鬱としています。
前情報を何も取り入れず、ちょっとえっちなゲーム程度に期待したプレイヤーたちは驚いたかもしれません。
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死体だらけの荒廃した街並み、何やら再起不能な状態に陥ったヒロインらしき人物、容赦無く襲い来る無機質な機械生命体。あえて多くを語らないミステリアスな冒頭は、この世界で起きている“ことの深刻さ”が少しずつ伝わるシナリオ構成です。
意味深長気味に物語が進み始め、どういった経緯を経て主人公たちが戦い続けていくのか。チャプター0~2まで時間をかけて、緻密に描いていました。
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ストーリー序盤からクライマックスといった盛り上がり方で、『ハツリバ』が健全か不健全かなど、もはやどうでも良くなりそうです。
本作は期間限定イベントを含む全てのストーリーがフルボイスで収録されるとのことで、ヒロインたちや主人公、モブキャラを含む全登場人物がドラマチックに物語を彩ります。スチルやキャラクターイラストは確かにセクシーですが、シナリオは予想外に骨太でその中身もいたって健全と言えるでしょう。
◆ キャラ配置の奥深さと手強さを感じられるバトルシステム
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『ハツリバ』は、キャラクターの配置箇所と行動順が重要なオートバトルを採用しています。
味方→敵→味方...と、各キャラクターの行動順が1人ずつ交互に入れ替わっていくのが特徴的で、一人の行動1回が1ターンとして計算される仕組みになっています。このバトルは序盤から程よく手強い印象でした。
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ゲームジャンルが「RPG」とされているように、盾役を前方、サポート役を後方に回すようなロールプレイの特色が強めです。
たとえ個々のキャラクターを十分に育成していても、配置箇所が悪ければ集中的な攻撃を受けてパーティは即座に瓦解。キャラクター性能に頼り切ったパワープレイでは乗り切れない局面も多く、試行錯誤を連続とする戦略性の高いバトルになっていると感じます。
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配置箇所を1つ変えただけで、同じパーティ編成でも異なる結果が生まれやすく、そこにバトルの奥深さがありそうです。
戦略をしっかり練るのが好きなプレイヤーには向いていますが、バトルに手軽さを求めているプレイヤーにはやや辛い部分があるかもしれません。そのため、バトルの難易度に関してはハッキリ好みが別れそうなバランス感でした。
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◆ 不健全ではあるけど、ゲームとしては健全な面白さがある
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美少女キャラクターの見せ方やけしからん交流要素の数々、これらを経験したうえで本作を「健全」と言い張ってしまうのは、中々に難しいものがあります。
しかし、バトルシステムの奥深さや本格的なSFシナリオなど、ゲーム作品としての健全な面白さを感じてしまったのは事実。今となっては、澄まし顔で健全アピールをする『ハツリバ』の萌え要素さえ、なんだか許容できてしまう気がするのです。
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『ハツリバ』の公式YouTubeチャンネルでは、より健全なキャラクタースキンの紹介映像が公開されています。いつアカウントが凍結されてもおかしくない気がするので、興味のある方は、その勇姿を網膜に焼き付けておくのがいいでしょう。