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『天穂のサクナヒメ』は何が凄いの? 今遊んでも面白いの?─「いっせいトライアル」で遊べる名作を振り返る

11月6日12時より、「いっせいトライアル」で『天穂のサクナヒメ』が遊べます。3年前のゲームながら、今振り返ってもその出来栄えは見事の一言。その魅力を、今回改めて振り返ります。

ゲーム 特集

「Nintendo Switch Online」加入者が、対象となるゲームを期間限定ながら全て遊べる限定イベント「いっせいトライアル」。今回は、11月6日12時から11月12日17時59分にかけて、『天穂のサクナヒメ』が遊べるようになります。

『天穂のサクナヒメ』が登場したのは、2020年11月12日のこと。今から約3年前に発売されたアクションRPGです。本作は、様々な理由から当時高く評価されましたが、3年という時間は決して短くありません。未体験のユーザーからすれば、「3年前のゲームなんて、今遊んでも面白くないのでは?」といった不安を感じてもおかしくないでしょう。

ですが、その問いにはハッキリと「NO!」と答えたい! 発売日にスイッチ版を購入し、その面白さにハマったひとりのファンとして、『天穂のサクナヒメ』は今も遊ぶ価値のあるゲームだと断言できます。

とはいえ、一個人の想いだけ語られても、説得力がないのも事実。そこで本記事では、『天穂のサクナヒメ』が持つ魅力や特徴、また多くの方から支持を集めた背景などに迫り、プレイに値する理由をお届けします。『天穂のサクナヒメ』未経験の方は、ぜひ参考にどうぞ。

■『天穂のサクナヒメ』といえば、やはり「稲作」!

『天穂のサクナヒメ』が、当初最も注目を集めたポイントは、こだわり抜かれた「稲作」の描写でした。本作のジャンルは“横スクロールのアクションRPG”ですが、主人公のサクナヒメを成長させる主な要素を、この稲作が担っています。

武神タケリビと豊穣神トヨハナの間に生まれたサクナヒメは、敵と戦う力に加え、豊穣との結びつきも強く、ゲーム的に言えば「米の収穫に応じて成長する」という一面を持っています。良質な米を多く収穫するほど、サクナヒメの能力が上昇。手強かった敵も豊作の後に戦うとあっさり勝てた、ということも。

アクションRPGと稲作が結びつくのは珍しいものの、稲を育てて米を収穫できるゲーム自体はそれなりにあります。スローライフ系作品や農業系ゲームで、稲作を体験した方もいるはず。ですが大半のゲームでは、様々な農作物のうちのひとつとして登場する程度。その点『天穂のサクナヒメ』は、稲作にこだわり抜いた描写と仕組みが際立っています。

本作の稲作は、まず土壌を整える「田起こし」から始まり、「種籾選別」「育苗」を経て、育った苗を植える「田植え」まで行うと、田んぼに苗が立ち並ぶお馴染みの光景に辿り着きます。

ここまで来たら、あとは枯れないようにしながら収穫を待つだけ……と思い込みがちですが、本作の稲作はまだまだ気が抜けません。「水やり」はもちろん、「肥料」で育成を促したり、害虫の発生を押さえることも大事な手順のひとつ。また、稲の栄養を奪う雑草の駆除、「草むしり」も良い米作りには欠かせません。

こまめな手入れを乗り越えると、いよいよ「稲刈り」です。刈り取るだけでなく、稲を干す「稲架掛け」、収穫した稲の籾を外す「脱穀」、そして籾を米にする「籾摺り」といった作業も必要です。

米を収穫するまでに2桁の大台に乗る工程を再現し、きめ細かく描写した『天穂のサクナヒメ』。ここまで稲作の手順に迫ったゲームは、かつてないほどでした。そのこだわりぶりに度肝を抜かれたプレイヤーも多く、SNSなどでは「米ゲー」という通称と共にその名が一躍広まりました。

ちなみに、「手順が多くて面倒そう」と感じられるかもしれませんが、稲作を続けていくうちに、使う農具もどんどん進化し、各工程が楽になっていきます。

最初は、新鮮な体験なので稲作が楽しいものの、慣れてくると次第に作業感を覚え始めます。ですが、農具を開発することで作業感が減り、しかも収穫はさらに良くなるという、嬉しい好循環が待っているのです。

他のゲームには見られない、こだわりが感じられる「稲作」の充実ぶり。そして、こだわりだけに固執せず、報酬(サクナヒメの成長)の用意や、作業のストレスを大きく減らす農具の開発など、稲作がちゃんと“ゲーム”に落とし込まれている点も、『天穂のサクナヒメ』が大きく評価された点のひとつです。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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