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『ゼルダの伝説』実写化は今回が初じゃない!? 90年代のファンなら誰もが知ってる「出る出る~ゼルダの伝説♪」とは

『ゼルダの伝説』実写映画の企画開始が話題ですが、同作の実写化自体はすでに実施済み。当時どんな映像が生まれたのか、詳しく紹介します。

ゲーム 特集

11月8日、任天堂は『ゼルダの伝説』を題材とした実写(ライブアクション)映画の企画開発を開始したと発表。このニュースは瞬く間に広がり、大きな話題となりました。

任天堂が手がけるゲーム作品の映画化といえば、今年公開された「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が好評を博しており、現時点の興行収入は累計で13億6,000万ドルを突破。一大ヒット作品として上映中です。

今回の発表における注目どころは、実写映画という点でしょう。ファンタジー原作の作品を実写化する流れは、昔も今も定番の手法ですが、これまでゲームが主流だった『ゼルダの伝説』が実写になる、というのはファンにとって大きな驚きです。

とはいえ実は、『ゼルダの伝説』の実写化は、今回の映画企画が初ではありません。若いユーザー層にはほとんど知られていない、かつて実写化された『ゼルダの伝説』について、この機会に紹介したいと思います。

またファンの間でも、ゼルダの世界を現実で再現する試みが行われてきました。その一部も、合わせてご覧ください。

■時代に先駆けた実写化だった!? 衝撃的だった『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』CM

『ゼルダの伝説』の実写と聞いた往年のファンの中には、頭の中で「出る出る~ゼルダの伝説♪」というフレーズを思い出した方もいるのではないでしょうか。

かつて、『ゼルダの伝説』シリーズの3作目にあたる『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の発売に合わせ、CM映像が製作されました。その映像はゲーム画面を一切出さず、リンクやゼルダに扮した出演者たちが踊る……という内容になっており、短いCMながら『ゼルダの伝説』を実写化した先駆けとも言える存在です。

CM全体は、「囚われたゼルダ姫をリンクが助けに来た」というシチュエーションに見えますが、CM全編にわたって流れるスチャダラパーの楽曲と歌詞に合わせ、リンクひとりだけでなく集団でリズミカルなダンスを披露。「出る出る~ゼルダの伝説 出る出る出る出るついに出る♪」というフレーズも心地よく、一度聞けば忘れられないほどでした。

映像の途中でゼルダ姫が檻から解き放たれ、めでたくリンクと手を取り合いますが、ふたりの前にはガノンの姿が。「ここで決戦か!?」と思いきや、ガノンを前にしてもダンスを踊るリンク&ゼルダ姫とその他大勢。軽快なヒップホップがクセになる名CMとして、ゲームファンの記憶に深く刻まれました。

ちなみに、「出る出る~ゼルダの伝説♪」という歌詞は、発売前のもの。発売された後は、「出た出た~ゼルダの伝説♪」と一部の歌詞を変えた別バージョンが使われました。こうした細かいこだわりも、興味深いところです。

■『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』CMの裏話

このCM映像には、いくつかこぼれ話があります。CMでリンクを演じた人物は、実は高校生の女の子(当時)。ゲーム内のリンクは男性ですが、この時の実写化では「ボーイッシュな女の子の方がいい」との判断から、女性がリンクを演じる形になりました。

また、リンク役の彼女はオーディションで選ばれましたが、その最終オーディションに残った候補のひとりに、元TOKIOの長瀬智也さんもいたとのこと。このCMは『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の発売(1991年11月)に合わせて作られたものなので、当時の長瀬さんはまだTOKIO加入前。もし、この時リンク役に採用されていたら、また別の形で活躍したのかもしれません。

『ゼルダの伝説』の実写CMを作る──という点だけでも型破りでしたが、女性の起用や意外な人物との接点など、その裏話も見逃せません。

ちなみに、『ゼルダの伝説』実写CMの裏話は、「ほぼ日刊イトイ新聞」内にある「そのCMを誰が作ったか? 倉恒良彰インタビュー その3“母ちゃん達には内緒だぞ!”」に詳しく記されています。より深く知りたい方は、そちらも併せてご覧ください。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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