■2021年受賞作:『It Takes Two』
ここまで紹介した受賞作は、いずれも大作級のタイトルばかりでした。しかし2021年は、その壁を打ち破った『It Takes Two』が、並みいる強豪を打ち破ってGOTYに輝きます。
価格が必ずボリュームと比例するわけではありませんが、本作の価格はミドル帯の4,300円。大作となれば8,000円前後も珍しくない昨今、お手頃な価格帯の作品がGOTYを射止めるのは、見事な快挙と言えるでしょう。
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本作にまず驚かされるのは、2人協力プレイ専用という点です。1人もしくは2人で遊ぶゲームは多数ありますが、本作は2人でのプレイを前提とした内容になっています。難しさが理由ではなく、「協力」がカギとなるためです。
1人で遊べるゲームが大半を占める中、あえて「もう1人」を必須とした『It Takes Two』。そのハードルを超えるのは、少々高めかもしれませんが、その先にある刺激や驚きは、超えるだけの価値があります。離婚の危機にある夫婦の冒険を通じて、誰かと繋がる体験をぜひ味わってみてください。
■2022年受賞作:『ELDEN RING』
もっとも直近となる2022年にGOTYに選ばれたのは、『ELDEN RING』でした。こちらもフロム・ソフトウェアの作品で、“死にゲー”の代表的なシリーズ『ダークソウル』の流れを汲みつつ、見渡す限り冒険の舞台となるオープンワールド化も実現。この融合が、かつてない刺激と興奮をプレイヤーにもたらしました。
廊下の角をひとつ曲がるだけで、その先に強敵が潜んでいるかもしれない“死にゲー”。この緊張感が、ダンジョンに限らずフィールドの至る場所に広がり、先が予測できない冒険が詰まったプレイ体験を提供し、プレイヤーを虜とします。
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ですがフィールドの自由度が増した分、どこかの強敵で詰まっても、行き先を変えることで新たな探索が可能に。その先で成長したり、強力な武具を手に入れ、戦力を強化してから再挑戦する、といったプレイも可能になり、より多くの人が楽しめるデザインにもなっています。
“死にゲー”とオープンワールドの合わせ技は、国内外で多くの関心を集め、発売から約1年ほどで累計出荷本数が2,000万本を突破。評価も、そして結果も残した『ELDEN RING』が、2022年を代表するゲームと呼ばれるのも納得です。
過去6年のGOTY受賞作、あなたはいくつ覚えていましたか? 中には、ちょっと意外なタイトルもあったかと思います。こうした受賞作の傾向から、今年のGOTYを予測するのも一興かもしれませんね。