『ストリートファイター6』(以下、スト6)のカプコン公式大会となる「ストリートファイターリーグ: Pro-JP」。その予選リーグが終了し、決勝トーナメントにあたるプレイオフが12月16日~17日にかけて行われました。
『スト6』の頂点を争うトッププロの中でも、ずば抜けて強い選手たちが勢揃いし、賞金総額800万円を賭けて争う本大会。その激闘の模様を、皆さんにお届けいたしましょう。
◆プレイオフDay2で「Saishunkan Sol 熊本」と「DetonatioN FocusMe」が激突!どんなチームなの?
eスポーツを通して熊本になくてはならない存在になるという思いを込めた「Saishunkan Sol 熊本」。ローカル × eスポーツというアングルで、世界に存在感を示し続けています。
リーダーはJP使いのネモ。メンバーにはマリーザ使いのShuto、ケン使いのかべ、ガイル使いのひぐちがいます。最強と噂されるJPのパワーや、チームのエースであるShutoに要注目です!
前日のプレイオフ Day 1を通過した、言わばチャレンジャー側のSaishunkan Sol 熊本……果たして世界に牙を向けるのか、とても楽しみですね。
対するは、予選リーグを2位通過した「DetonatioN FocusMe」。一時は予選通過が危ぶまれましたが、メンバーのキャラチェンジを経て、不死鳥のごとく返り咲きました。
リーダーはザンギエフ・マリーザ使いの板橋ザンギエフ。メンバーはディージェイ使いのふ~ど、ケン使いのナウマン、ラシード使いの竹内ジョンです。変幻自在の動きを見せる竹内ジョンのラシードや、重戦車の肩書きを持つふ~どのディージェイもチェックです!
圧倒的な実力でもって、Saishunkan Sol 熊本の前に立ちはだかるDetonatioN FocusMe……この両者の内、勝ったチームが年明けのグランドファイナルへと駒を進めます。
2023年最後の激闘が今、口火を切ります。
◆【試合前インタビュー】試合前から、壮絶な舌戦!?
<Saishunkan Sol 熊本>
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――まずは各選手、意気込みを教えてください。
ネモ:ザンギエフをぶっ潰します!
Shuto:昨日は活躍できなかったんですが、今日は活躍したいと思っています。
ひぐち:今日も勝って、まだまだこのチームで遊びたいです。
かべ:昨日戦って緊張がほぐれたんで、良かったです。
――本日のキーマンはどなたでしょうか?
ネモ:これ(相手チームに)聴こえてないよね?(笑) やはりShutoです。
Shuto:頑張ります!
――今日の試合に向けてどういった準備をされましたか?
ネモ:事前に決めたことをやりました。ササモ(※予選リーグで共に戦った元メンバー)を呼んでスパーリングですね。
――ネモさんとかべさんのグローブは必須なんですか?
ネモ:僕のは手汗防止用です。アケコンにも手垢が残らないので使ってます。
かべ:必須ですね。ナシは考えられません。
――こういった大会に臨む際に、ジンクスなどはありますか?
ネモ:水を用意するとか、手洗いに行くとか、そういう当たり前のことを忘れないようにしてます。試合に集中したいので。
Shuto:ノートを見てますね。やるべきことを確認することで、勝ち負けに振り回されないために読んでます。
ひぐち:コーヒーが好きなんで、何杯も飲んでます。
かべ:深呼吸して、上から目線で画面を見るようにしてます。やはり凄いプレイヤーが多いんで、なるべく気後れしないようにしたいんですよね。
ネモ:だから偉そうにしてたのか(笑)
<試合前 DetonatioN FocusMe>
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――まずは各選手、意気込みを教えてください。
ふ~ど:予選を2位で抜けられて、ホームスタートということで、じっくり練習してきたものを出せればと思ってます。
板橋ザンギエフ:倒したい奴がいます! そいつ一点集中です!
ナウマン:結構期間があったので、準備できたかと思います。
竹内ジョン:やり込めました。練習したことを忠実に再現したいと思います。
――昨日の魚群vsSaishunkan Sol 熊本の試合は観られましたか?
ふ~ど:皆で観ました。Solのホームスタートという有利が出たんじゃないかと思います。
――どちらのチームが来るかわからなかった状態で、両方を対策していた形でしょうか?
板橋ザンギエフ:Solのほうが強いかな? と思い、Shutoは潰さなければという思いでやっていましたね。
ふ~ど:7割くらいはSol対策だったかなと。結局マリーザやJP戦をやっていましたね。ずっと皆ボイスチャットを繋ぎっぱなしで練習してました。
板橋ザンギエフ:まだ出たばかりのゲームなので、会議というよりはひたすら練習って感じで。
――立川さんのコーチングはどうでしたか?
板橋ザンギエフ:今日も楽屋で賑やかしてくれました。立川がガヤガヤ言ってくれるのが嬉しいです。
ふ~ど:ただのガヤみたいな言い方になってる(笑)
板橋ザンギエフ:ほんとに(笑) いや、真面目に言うとミクロ視点でもマクロ視点でもフラットに見てくれるので助かってます。
――昨日はShutoさんがなかなか勝てていなかったのですが、その点はどうでしょうか。
板橋ザンギエフ:Shutoはこっちの対策に重きを置いてるんじゃないかな……?
ふ~ど:ひぐちもその可能性はあるので、気は抜けないかなと思ってます。
◆ついに火蓋が切って落とされた! Saishunkan Sol 熊本vsDetonatioN FocusMe
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今回も予選リーグ2nd STAGEと同じく、試合は「ホーム&アウェイ事前オーダー制」で行われます。(※ホーム側は相手チームの構成を見てから、出場選手を決められる)
DFMが2回ホーム、Solが1回ホームで戦い、先に規定の70Pを取った方が勝利です。先鋒戦と中堅戦は2先、大将戦は3先とスピーディな戦いになりますが、戦略が求められるルールですね。
1巡目は、予選2位通過のDFMがホームでスタート。先鋒戦でネモ vs ふ~ど、中堅戦でひぐち vs 板橋ザンギエフ、大将戦はShuto vs 竹内ジョンとなりました。
気になる試合はふ~どディージェイがジョスクールで徹底的にネモJPを翻弄し、まずはDFMが10P獲得。しかし続く中堅戦でひぐちガイルが板橋ザンギエフのマリーザを下し、Solも10Pを獲得します。
大将戦は、暴れ回るShutoマリーザに竹内ジョンラシードが1ラウンドに2回イウサールを使うという展開で、スマートにポイントを奪っていきました。まずは合計30PとなったDFMが優勢といったところです。
2巡目は、Solがホームに変更されます。
初戦は竹内ジョンラシードが補正切りを上手く使い、ひぐちガイルから10Pをもぎ取ります。
そして、ここでついに板橋ザンギエフのマリーザvsネモJPという因縁の対決!ネモはしょっちゅう投げキャラに突っかかる動画を挙げており、その一角で投げキャラ使いの板橋ザンギエフと犬猿の仲になっております(※本当は仲良しです)。
試合前のコメントでは板橋ザンギエフが、「投げキャラを頭ごなしに否定してインプレッション稼いでるわけじゃないですかぁ?」とネモを挑発!
それに対し、ネモは「名前だけザンギ野郎!」と、相手がキャラ変した事実をなじります。バッチバチにアツいプロレスを見せつけられた所で、中堅戦がスタート!
お互いの哲学がぶつかる試合でしたが、最後の最後でネモのODアムネジアがスカり、板橋ザンギエフの一撃が刺さりました……!
そして、大将戦。ふ~どディージェイvsShutoマリーザ。
お互い一歩も譲らず、インターバルを使いまくり、もつれにもつれこんだフルセットのフルカウントの戦い……散々通した無敵技がアダとなったか、ディージェイのSA3をShutoがギリギリでガードし、DFMの勝利を止めました!
激闘は3巡目へとなだれ込みます。Solが30P、DFMが50Pという状況で、ホームが帰ってきたDFM。
まずはひぐちガイルvsふ~どディージェイというマッチアップです。ふ~どが果敢に触りに行きますが、ひぐちのガードは固く、最後はひぐちの相打ち上等の二ーバズーカでトドメとなりました。
続いて、かべケンvs竹内ジョンラシード。奇しくもパッド対決となります。かべのOD昇龍が輝きますが、本日ノリに乗っている竹内ジョンには敵いませんでした。丁寧に中段を重ねていって勝利を収めます。
あれよという間に大将戦……Shutoマリーザとナウマンケンの試合です。
お互い人読みが回りに回った釣り出し行動で、大火力と運びコンボの応酬という、ストリートファイターらしい激闘になりますが、最後はマリーザジャベリンが突き刺さり、Shutoの勝利となりました。
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ここに来て、ポイント不利だったSolが追いつき、60Pvs60Pという激アツすぎる展開に! すべての決着は、4巡目の先鋒戦(決定戦)に託されていきます……!
泣いても笑ってもこれが最後。選ばれたのは、板橋ザンギエフのマリーザと、Shutoマリーザというまさかまさかの同キャラ対決。二人とも「大怪獣バトル」と称していました。
一度でもパンチが当たると3割程度吹っ飛ぶというドデカい博打の撃ち合いに、観てるだけでハラハラが止まりません。
グラディウスや、めくりキックがカスる中、最後に起き上がり打撃を通し、フルコンを叩き込んで勝利をもぎ取ったのは、板橋ザンギエフでした!
激戦を制し、プレイオフを勝ち抜いたのはDetonatioN FocusMe。彼らはこのまま年明けのグランドファイナルに進み、FAV gamingとの最終決戦に臨みます。ストリートファイターリーグからまだまだ目が離せそうにありませんね!
※ UPDATE:チームの紹介部分に誤りがあったので修正しました。
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