※本記事は『FF14』拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』までのネタバレを含みます。ご注意ください。
2024年1月7日~8日にかけて行われるイベント「ファンフェスティバル 2024 in 東京」を控え、夏には最新拡張パッケージがリリース予定と、新生10周年を迎えても勢いが留まることを知らない『ファイナルファンタジーXIV(FF14)』。
その物語の主軸を担う組織「暁の血盟」は、『暁月のフィナーレ』のラストで表向きには解散し、秘密結社に戻るということでしたが、『黄金のレガシー』トレーラーでは全員集合の様子。しかもメンバーを二分しての争いが行われるということで、今からどのようなストーリーが描かれるのかが楽しみです。
そこで再度物語でフォーカスされるであろう「暁の血盟」メンバーそれぞれのベストシーンを、筆者独自の目線で振り返りたいと思います。
またはじめに断っておきますが、「暁の血盟」には以下で紹介するメンバー以外にも、「ホーリー・ボルダー」や「アレンヴァルド」といった裏方や各地で活躍するメンバーも存在します。ですが、さすがにそこまで紹介するとキリがないということで、今回はメインで登場するキャラクターに絞っています。ご了承ください。
◆アルフィノ :『暁月のフィナーレ』 父フルシュノと和解するシーン
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まずはNPCキャラクターのなかでも、特にメイン格と言えるアルフィノ。印象的な場面が多い彼ですが、ここでは『暁月のフィナーレ』から父フルシュノとの和解シーンをピックアップ。アルフィノは『新生エオルゼア』で初登場した際、今では考えられないほどに高慢でこまっしゃくれており、思わず「なんだこのガキ」と感じた人も多いことでしょう。
そこから温めていた「クリスタルブレイブ」構想が瓦解し、その後『蒼天のイシュガルド』でのエスティニアンやイゼルとの交流などが描写されてきました。さまざまな出会いを通して挫折から大きく成長したアルフィノが、冒険の果てに自分の言葉で父を説得するという一連の流れは、まさに王道のビルドゥングスロマンであり、『FF14』における準主人公的なポジションと言っても過言ではないでしょう。
◆アリゼー:『暁月のフィナーレ』ガレマルド終末シーン
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アリゼーのベストシーンは、主人公が終末を止める手段を探るため古代エルピスに赴いているときに、ガレマルドが終末の獣に襲われる場面です。
“私の剣”は『新生エオルゼア』レイドコンテンツ「大迷宮バハムート」で登場した言葉であり、アリゼーと主人公の絆の積み重ねを示す文脈です。主人公に憧れを抱きつつも負けじと背中を追い続けるアリゼーの気高さが感じられるシーンでありつつ、「いつまでも独りで切り込ませていられない」という一言は、最強であるが故に顧みられることが少ない主人公を救う言葉でもあるでしょう。
またこのあとトレーラーの再現構図が挿入され、通称「ひろし」の代わりにグ・ラハ・ティアがアリゼーへの攻撃を防ぐというシーンになっています。思わず「おおっ!」とテンションが上がった人も多いのではないでしょうか。
◆ミンフィリア:『蒼天のイシュガルド』第一世界に旅立つシーン
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「暁の血盟」盟主・ミンフィリア。エオルゼアの救済を掲げた彼女がいなければ、『FF14』のストーリーは今と大きく異なるものになっていたでしょう。『新生エオルゼア』のラストでエンシェント・テレポに自ら巻き込まれ、『蒼天のイシュガルド』で「星の代弁者」として、ハイデリンと一体化した姿を見せるストーリーが衝撃的でした。
かつてウルダハでの事故で天涯孤独となってしまった彼女を、サンクレッドは兄として見守っていました。今回選んだシーンは、その愛情を誰かに分けにいくと、「光の巫女」として光の氾濫を止めるため第一世界へ旅立つことを決めたシーンです。この決断がまわりまわって、リーンという少女の存在につながり、世界と「暁の血盟」を救うことになります。
◆サンクレッド:『漆黒のヴィランズ』ランジートとのタイマンシーン
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サンクレッドは悩みに悩んで、廃都ナバスアレンに赴くミンフィリアをランジートから守るシーンを選出しました。
先述の理由でミンフィリアを失ったサンクレッドでしたが、『漆黒のヴィランズ』の舞台である第一世界では彼女の意思が転生して生きており、「ミンフィリア」という名の金髪碧眼の少女が生まれ続けていました。
ほかの「暁の血盟」メンバーより先に第一世界に降り立ったサンクレッドは、その少女を助け旅を続けるものも、転生前のミンフィリアと今の少女の存在を割り切ることができず、そっけない態度を取りつづけます。ですが、冒険を通してミンフィリアではなく少女自身と向き合い、最終的には2人のミンフィリアの意志を尊重し、「家族」として彼女らを守るため命を削りながら戦いました。
この一連のシーンで死亡フラグを立てすぎたサンクレッドを心配する声もありましたが、彼はとにかく頑丈なのでその次の場面では普通に座って話をしており、腰が抜けたプレイヤーもいたようです(筆者含む)。
◆ヤ・シュトラ:「トゥルルル、アワワ~!」
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……ではなく。
◆ヤ・シュトラ:『漆黒のヴィランズ』第一世界で「マトーヤ」を名乗っていたのが、本人にバレるシーン
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『漆黒のヴィランズ』にて第一世界に飛ばされた彼女が拠点にしていた夜の民の集落「スリザーバウ」には、「本名を伏せる」という風習がありました。そこでヤ・シュトラが名乗っていたのが、自らの師「マトーヤ」の名前。幼くしてマトーヤに弟子入りし、以来10年間厳しい修行を積んだヤ・シュトラは、時おり師匠に対して軽口を吐きながらもたびたび訪れています。
マトーヤもヤ・シュトラとの暖かい思い出をホウキに移して保管しているなど、どちらも素直ではない師弟関係は何度噛んでも味がしますね。2人の会話はツンデレ同士の掛け合いのようになっているのが微笑ましく、そして信頼しあっているのが伝わります。この画像もそんなヤ・シュトラのかわいらしさが表現されたシーンだと言えるでしょう。
ちなみに多くのプレイヤーを驚愕させたことで記憶に新しい「トゥルルル、アワワ~!」は、パッチ6.5「光明の起点」でのストーリーを見るに術式を組み直したそう。もう聞くことは叶わないようです。悲しいですね。
◆ウリエンジェ:『暁月のフィナーレ』ムーンブリダ両親との再会シーン
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ウリエンジェは『暁月のフィナーレ』より、ムーンブリダの両親との再会シーンを選びました。『新生エオルゼア』で登場したムーンブリダは、「白聖石」というアシエンを打倒する道具の開発に大きく関わるも、道半ばで舞台を去ってしまいます。彼女と幼馴染のウリエンジェはその死にショックを受け、深い後悔を滲ませていました。
直接ムーンブリダの家族と話をする機会は長い間訪れませんでしたが、『暁月のフィナーレ』でオールド・シャーレアンに両親がいると明かされ、ついに物語終盤でそのシーンが描かれました。このシーンは何回見ても泣いてしまいますし、今回スクリーンショットを撮るために振り返ったときも涙がにじみました。
はじめは難解な詩を引用して話すウリエンジェに対し、なんだかよくわからない人と思っていた方も多いでしょうが、今では「暁の血盟」のなかで一番優しく思慮深いのだと誰もが理解しています。ムーンブリダの遺した知識と技術は彼に受け継がれ、その後何度も世界を危機から救います。そのため『FF14』のテーマである「継承」を強く体現している人物の1人だと言えるでしょう。
◆グ・ラハ・ティア:『暁月のフィナーレ』終末発生の直前シーン
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まずこのトピックで紹介するのは、パッチ5.4以降の「グ・ラハ・ティア」だとお伝えします。彼は『漆黒のヴィランズ』の主要人物「水晶公」と精神は地続きではありますが、あくまで別人だと考えております(厄介オタク)のでご了承ください。
グ・ラハ・ティアは無限に名シーンがあるのですが、今回は『暁月のフィナーレ』にて、月でゾディアークが消滅し終末現象が再開されたあとの場面を選びました。
グ・ラハ・ティアは、主人公と戦うためだけにゼノスが出した多大な犠牲や、アシエン・ファダニエルが終末を引き起こすのを止められなかった責任を分けてほしいと言います。「あんたが生きることを願ったオレ」というのはまさしく言葉通りの意味で、『漆黒のヴィランズ』はあったかもしれない未来で起きた“第八霊災”から、主人公を救うためだけに彼とその仲間が描いた物語でした。
だからこそグ・ラハ・ティアは、主人公が生きているという現象自体を背負おうとするのです。彼から主人公に向けられる感情のデカさにはたびたび驚かされますが、光の戦士はまさしく“彼を導く光”なのでしょうがないですね。
◆エスティニアン:『紅蓮のリベレーター』ニーズヘッグとの別れシーン
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エスティニアンは、元々イシュガルドにてニーズヘッグの竜の眼を継承した「蒼の竜騎士」でした。エスティニアンとニーズヘッグの因縁は並々ならぬものがあり、エスティニアンはニーズヘッグに家族を殺され、ニーズヘッグは眷属を彼に殺されと復讐の連鎖が続いていました。そして極めつけはエスティニアンがニーズヘッグの魂に憑依され、憎悪にまみれた「邪竜の影」へと変貌したこともありました。
ですが『蒼天のイシュガルド』で描かれた“竜詩戦争”を通し、人と竜の関係の真実を紐解くにつれ、両者のあいだには奇妙な共感関係が生まれていたのも事実。そしてエスティニアンは自ら「ニーズヘッグ」と名づけた槍を振るい、ニーズヘッグに憑依された影響で人間としては桁違いの力を発揮できるようになったのです。
そんな彼が『紅蓮のリベレーター』のラストで竜の眼を破壊するシーンは、ようやくニーズヘッグを消し去れたという達成感というよりは、どこか哀愁漂うものになっています。
◆パパリモ:『蒼天のイシュガルド』神龍封印シーン
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アルフィノ・アリゼーの祖父、賢人ルイゾワの一番弟子にして、「暁の血盟」の一員であるパパリモ。その最大の活躍シーンはこの神龍封印でしょう。
『蒼天のイシュガルド』のラスト、バエサルの長城にて鉄仮面ことイルベルドが、アラミゴ人の絶望を糧に蛮神「神龍」を召喚。そこでパパリモは5年前ルイゾワがカルテノーの戦いでバハムート相手に使用した封印魔法を、師が愛用した「名杖トゥプシマティ」を手に発動しました。その際、光に包まれる横顔がルイゾワに似ていたのは粋でした。
ちなみにオールドシャーレアンのサブクエストでパパリモの父、いわばパパリモの“パパ”に会うことができます。まだ見ていない方がいたらぜひプレイしてみてください。
◆リセ:『暁月のフィナーレ』終末に立ち向かうため、アラミゴとグリダニアが団結するシーン
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『暁月のフィナーレ』終盤、宇宙へ向かう魔導船ラグナロクを完成させるため、各国がエクスアダマントを集めようとする場面。元「暁の血盟」メンバーのリセは、故郷アラミゴの代表者として活躍しており、このシーンも素材探索の手伝いをしにグリダニアへきました。
パパリモの相棒だったリセは、「イダ」としてマスクと姉の名前を被り、「暁の血盟」時代にグリダニアの調査にきていました。今回選んだシーンはその縁を感じさせるともに、未熟だったリセがアラミゴ奪還やパパリモの死を通し成長しているのだと感じられました。
◆クルル:『暁月のフィナーレ』ウルティマ・トゥーレ出発前シーン
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クルルは「暁の血盟」兼「バルデシオン委員会」に所属する、ララフェル族の女性。いつもはアルフィノをからかっているイメージが強いですが、ひときわ面倒見がいいのもクルルの魅力。
今回選んだのは、『暁月のフィナーレ』最終エリアであるウルティマ・トゥーレへの出発前に、調べものに出かけたグ・ラハ・ティアとアリゼーが寝てしまったのを微笑ましく見守るシーンです。「欲張りかもしれないけどね、星が救われるだけじゃなく、あなたたちにも幸せでいてほしいの」は屈指の名台詞。そして、日々の大切な瞬間を積み重ねてほしいと語る彼女の顔は、とても優しいものでした。
現状は戦いについていけないという理由でバトルに参加しないクルルですが、パッチ6.5の最後の描写を見るにどうやら次の拡張パッケージでは彼女にフォーカスがあたりそうです。
SNSではそのシーンのクローバー型の耳飾りが、FFシリーズの緑魔道士のエンブレムと酷似しているということで、まだ発表されていない「黄金のレガシー」追加ジョブのキャスター枠が緑魔道士であり、クルルが担当するのではないかという声も囁かれています。実際どうなるかはわかりませんが、クルルの戦っている姿も見たいものですね。
◆タタル:『暁月のフィナーレ』エンディングシーン
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「暁の血盟」の受付兼金庫番ことタタルさんは、ほかのメンバーと違い戦う力を持ちません。そのため危機になっても対処することが難しかったり、何度も無事に帰ってきてほしいと泣いてしまったりしたこともあります。ですが彼女は「暁の血盟」にとって日常や帰る場所の象徴です。いつも元気に拠点にいて、話しかければ笑顔で返してくれる。各拡張パッケージの終わりにタタルさんに話しかけることで、ようやく一区切りがついたのだと認識していた人も多いでしょう。
『暁月のフィナーレ』エンディングシーンでも、最終戦から無事に帰還した主人公たちにタタルさんが安堵しながら放った「おかえりなさいっ!」の一言で、「あぁ……惑星ハイデリンに帰ってきたんだ、帰ってこれてよかった」と実感しました。『新生エオルゼア』から続いてきたハイデリン・ゾディアーク編の締めくくりとして、これ以上ないくらい綺麗だったと思います。
◆主人公(光の戦士):『漆黒のヴィランズ』エメトセルクとの対決前シーン
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最後に忘れてならないのが、我らが主人公「光の戦士」のベストシーン。今回取り上げたシーンは、『漆黒のヴィランズ』最大の盛り上がりどころと言っても過言ではないでしょう。
ラストダンジョン「終末幻想 アーモロート」を抜け、エメトセルクと対峙するこの場面。アシエンであるエメトセルクの力は強大で、「暁の血盟」メンバーたちも次々と倒れていきます。光の戦士も1人最後の対決へ向かっていきますが、大罪喰いから吸収してきた光の暴走がはじまり絶対絶命。
このとき倒れ込んだ主人公へアルバートから投げかけられた、「あと1歩進む力があったら、この世界を……すべての世界を、救えるか?」という言葉に応える格好よさと言ったら……たまらない。そして『暁月のフィナーレ』メインクエスト「生まれ死んで答を得る」で、ヴェーネスがハイデリンとして歩んできた旅路が、このシーンと重なる演出は今まで積み重ねてきたストーリーの文脈も相まって感動しました。
以上、筆者が選ぶ「暁の血盟」ベストシーンでした。
当初は特定のキャラクターだけを選出しようと考えていたのですが、どのキャラクターも思い出深く決められない!私と同じく箱推しの方も多いだろうということで、主要メンバー全員の活躍を追わせていただきました。
本記事は筆者が“勝手に振り返った”企画ですので、「わかる~」や「〇〇のシーンが好き」など、読者のみなさまの反応もお待ちしております。
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