スパイク・チュンソフトは、ニンテンドースイッチ向けダンジョンRPG『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』を2024年1月25日に発売予定です。
実に14年ぶりとなるシリーズ最新作では「原点回帰」がひとつのテーマ。スーパーファミコン版のシリーズ初代作『不思議のダンジョン2 風来のシレン』を意識しており、はじめてダンジョンに潜ってもボスまでたどり着く‘‘一発解き’’もできるようなシステムを採用しているようです。
発売まであと一月ほどなのですが、筆者は「原点回帰」の言葉にシリーズファンとしての血が騒ぎました。我慢できずに初代『シレン』を棚から引っ張り出し、あらためて今の時代にプレイしようと思ったのです。
本稿では、シリーズ初代作『不思議のダンジョン2 風来のシレン』のプレイを通じて、「1000回遊べるダンジョンRPG」の変わらぬ魅力を紹介していきます!
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◆初代から完成度の高い「不思議のダンジョン」
『不思議のダンジョン2 風来のシレン』は1995年12月1日に発売されました。1993年に発売された『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』の続編タイトルとしてリリースされ、タイトルが「不思議のダンジョン2」になっています。シレンでは以降の作品では「不思議のダンジョン」が必ず付いています。
シリーズ初代作の『トルネコ』が西洋ファンタジーだったのに対して、この『シレン』では全体的な世界観が和風なのも大きな特徴。主人公・シレンは三度笠と縞合羽がトレードマークの風来人で、シリーズを通して相棒の語りイタチ・コッパと共にさまざまな地域、年代でダンジョンを冒険しています。
ゲームシステムとしては、ランダム生成されるダンジョンを舞台にしたターン制のRPG。敵と戦いながらレベルアップやアイテム集めを行い、ダンジョンの最奥を目指していきます。探検中に力尽きれば全てのアイテムを失って再びやり直すことになるので、何度遊んでも異なる展開が楽しめるのが大きな特徴です。
『トルネコの大冒険』から基本的なゲーム部分は完成していて、今日のダンジョン探索RPGで必須の“動かないで方向を変える”や“斜めにだけ移動する”といった操作方法が存在していました。さらに『風来のシレン』では合成などのシステムや、多彩なルールのダンジョンなどが組み込まれています。後の『トルネコ』シリーズにも導入された要素も多く、初代『シレン』はシリーズの大きな転換点とも言える作品です。
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◆今やっても面白すぎる初代『シレン』
ここからは初代『風来のシレン』のプレイフィールを紹介していきます。本作の物語は黄金のコンドルが住むという「幻の黄金郷」を探し出すのが目的。シレンは冒険のスタート地点である宿場からダンジョンへと入り、奥地を目指していくことになります。
ダンジョンは複数の階層に分かれていて、道中にはいくつかの村が存在しています。村では買い物や回復ができるほか、NPCのイベントなども多数用意されています。このイベントは同じ村やダンジョンを何度か訪れることで進行するもので、プレイヤーがプレイを重ねるごとに新要素がアンロックされていくのです。
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そんな初代『シレン』ですが、久しぶりにプレイしてもその遊びやすさと完成したゲーム性に驚きます。ランダム生成されるダンジョンは、落ちているアイテムも当然ランダムのため、運が悪ければ武器や回復アイテムが手に入らないのは当たり前。レベルアップも重要なのですが、それすらままならないことも……。
当然階層が深くなれば敵は強くなるほか、壁をすり抜けたりこちらの装備を盗んだりと、特殊行動をしてくるモンスターも増えてきます。さらに、マップ内にはそこら中に罠が仕掛けられていて、迂闊な行動で体力最大の状態から一瞬で倒されてしまうことも珍しくありません。
しかし、このゲームは決してただの“運ゲー”ではありません。何度も何度もダンジョンに挑むことで「アイテムの使い方」「どの敵を優先して倒すか」などを経験として覚え、やがてさまざまな知恵を駆使して危機を乗り切れるようになっていくのです。とはいってもやっぱり運が悪いとどうしようもないですけどね!
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筆者は今回新しいデータで最初のダンジョン「こばみ谷」を目指しました。最初の数エリアで武器がない状況だったものの、運良く透視の腕輪(敵とアイテムの位置がわかる)を早い段階で拾えたので、かなり安定した探索ができましたが、最終的には避けられないモンスターハウスに挑み力尽きました。
今の時代に実際にプレイしても、やはりその一歩のミスで死んでしまう緊張感と面白さは際立ちます。ギタン投げや白紙の巻物の活用など、基本的なテクニックは覚えてましたがそれでもやっぱりミスがあったなあと悔やみ、数回のプレイで無事目標は達成できました。
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◆“原点回帰”の『シレン6』はどうなるか?
原点回帰を謳う最新作『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』では、初プレイでもクリアを目指す「一発解き」もできるようになっていることが明らかになっています。これは初代『シレン』でも可能だったもの。また、シレンが「すぐ死ぬ」ことで試行錯誤してほしいというゲームデザインでもあるようです。
もちろん初代を意識しているだけでなく、シリーズおなじみの機能や本作ならではの新要素も公式サイトで紹介されています。満腹度150以上でパワーアップする「ドスコイ状態」、徘徊する巨大モンスター「デッ怪」、強力な装備「神器」、出会ったモンスターで練習ができる「もののけ道場」など、冒険の面白さをより一層高めるような新しいシステムが目白押しです。
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倒れたプレイヤーを救えるおなじみの「風来救助」には、自分自身で救助を出せる「自分救助」も登場します。また、ダンジョンで作成したセーブデータを他の人に共有して続きをプレイしてもらう「パラレルプレイ」は、色々な遊び方ができそうで楽しみ。他にもマップの便利機能などもあり、ただの原点回帰だけでなく14年ぶりの新作という気概を感じます。
「パラレルプレイ」などのシステムに組み込まれたものはもちろん、状況再現である程度プレイヤーに共有して遊べそうな「もののけ道場」など、『シレン』プレイヤー同士での交流も楽しめそうな本作。ダンジョンの数もかなり多く、今作もじっくりと遊べそうです。とは言えせっかくだから「一発解き」には挑戦したいですね!
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『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』は、ニンテンドースイッチ向けに2024年1月25日発売予定。ダウンロード版はマイニンテンドーストアで予約受付中のほか、各種販売サイトではパッケージ通常版や特典がついた限定ボックスも予約受付中です。
※ UPDATE:記事冒頭の発売日に誤りがあったので修正しました。