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2024年1月3日にサービスを開始するも、トラブルによって中国国内の主要プラットフォームが大荒れした新作タイトル『交錯戦線 CROSS CORE』。現在少しずつ、ユーザースコアに回復の兆しが見えてきています。
本作は1月7日にインサイドで公開した「次なるヒット作を探せ!日本未上陸の注目ゲームアプリ3選」でも紹介しているアプリであり、SF世界・メカ・美少女の3要素をミックスさせたRPG作品です。
ゲーム自体は2021年頃に発表。度重なるベータテストを経たのち、3年の歳月を費やしてようやく漕ぎ着けた“サービス開始”でしたが、サーバーにまつわるトラブルによって、プレイヤーたちが全くアクセスできない、入れてもサーバーから強制的に追い出されるという状況が続いていました。
そんな状況に本作を心待ちにしていたユーザーの中には、当時の状況と心境、運営に対する思いの丈を数分刻みで書き綴る猛者も出現するほど。2024年の始めに、苦難の正式リリースを迎えたタイトルになったのです。
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とはいえメンテナンスとアップデートが繰り返し実施され、1月8日の時点では無事ゲームに入れる状態にまで安定してきています。運営からガチャ100連分の手厚い補填もあり、急落していたスコアは徐々に回復中です。まさしくこれからが真のスタートと言えるでしょう。
2024年最初のプレイレポートをお届けするのなら、色々な意味で中国ゲーマーたちに注目された本作しかあり得ないだろうと筆者は思い至りました。今回はそんな『交錯戦線 CROSS CORE』について、ご紹介していきます。
※本稿では、システム上の関係で簡体字で表記すべき部分もすべて繁体字に置換しています。
※世界観・固有名詞・ストーリーの解釈については翻訳ソフトを用いている関係で、仮に日本向けに配信された場合に齟齬が生じる場合があります。何卒、ご留意ください。
◆ 地球外生命体の侵略を阻止するために、異星を探索!
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本作のメインストーリーは、「碎星」と呼ばれる異星を調査するため、全身を強固な装甲に身を包んだ生命体と戦いながら、星の開拓を行っていくというもの。主人公(プレイヤー)は探索チームの隊長として部隊を編成し、個性豊かなメンバーを集めながら、異星の謎を紐解いていくことになります。
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異星探索に待ち受ける数々の困難を打破するため、主人公を含む一部のキャラクターは「機神」と呼ばれるロボットを召喚して戦うことが可能です。
このロボット召喚要素こそが『交錯戦線 CROSS CORE』の醍醐味というべきものでしょう。後ほどあらためて紹介しますが、バトルでは機神が大活躍してくれます。
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ただし、機神は同調できる素質を持った者でなければ呼び出すことができません。作中には多種多様な美少女キャラクターたちが登場しているのですが、機神を召喚できないキャラクターの方が多数派。最高レアリティですら、召喚できないことも珍しくありません。
逆に低レアリティでも機神を召喚できるキャラクターはいるので、何かと戦力が枯渇しがちなゲーム序盤では、編成する楽しみがありそうです。
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さて、メインストーリーでの異星探索における最終目的は、碎星と地球を繋ぐ空間ゲートを閉じることです。この空間ゲートが原因で、地球は碎星に生息している凶暴な生物たちに侵略され続けています。
チュートリアルを含んだ第0章は、碎星に設立された前哨基地を舞台に、消息を絶った仲間探しからスタートします。しかし、ゲームを始めてから比較的早い段階で続々と妖艶なSF系美少女キャラクターたちが登場するため、正直異星探索どころではありませんでした。
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本作のメインストーリーは基本的にテキストベースで進行するので、ボイスなどはありません。その代わり、テキストボリュームがゲーム序盤からみっちりといった印象で、読み応えはありそうです。1つの章でも1ステージごとに物語描写がたっぷりと盛り込まれています。ここはボイスを収録していないからこそでしょう。
読み物としてシナリオを楽しんでいたら、そもそもバトルパートの存在を忘れていた......なんてこともありました。現状ステージごとにほぼ必ずバトルが存在している設計を考えると、そのテキスト量はやはり侮れないものがあります。リリース時点では第2章までが公開されていますが、ストーリーの更新ペースが気になるところですね。
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◆ パーティメンバー全員で攻撃リソースを共有する戦略バトル。強力なSFロボも召喚できる!
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バトルは能力値が素早い順に行動できるタイムライン形式のターン制バトルです。キャラクター1人ひとりに最大3つの固有スキルと、SPが溜まり次第発動できる強化コマンド、そして機神を呼び出せるキャラクターのみに表示される専用コマンドが存在しています。
バトル中はキャラクターが使用したスキルによって、画面中央下部の【NP】と呼ばれるポイントが増減。これはパーティ全体が共有する攻撃リソースにあたり、戦闘序盤から強力なスキルを連発できない仕組みとも言えます。
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また、キャラクターにはそれぞれが得意とする陣形ポジションがあります。これを意識して陣形を組むことで、能力値ボーナスが加算されていき、有利に戦闘を進められるという仕組みになっているようです。
メインストーリーの難易度「普通」をクリアするだけならあまり意識する必要はなさそうですが、より難しい「困難」や、今後登場しそうな高難度系イベントコンテンツでは、特に重要視されることでしょう。
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なお、今回のゲームプレイでは、サーバートラブルによる100連分のガチャチケットが補填されていたため、最高レアリティのキャラクターがパーティ上限(フレンド枠は除く)の5人分、獲得できてしまいました。
前項でも軽く触れましたが、機神を召喚できるキャラクターは少数です。人によっては主人公以外で機神召喚できるキャラクターを入手できなかった......なんてプレイヤーもいたそう。筆者は運良く最高レアリティで機神召喚が可能なキャラクターを引けたのですが、その数は5人中1人だけでした。
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機神はバトル中にスキル攻撃でキャラクターの【SP】を溜め、それと引き換えに戦場への召喚が可能です。レア度は関係なく、機神それぞれに専用の召喚演出まで挿入されているのも見どころ。
機神は陣形一番奥の3マスを占有する形で出現します。このとき、召喚したキャラクターが離脱することはありません。機神は6人目のパーティメンバーとして(フレンド枠は除く)、強力な武装を引っ提げながら戦闘に参加してくれるのです。
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召喚に時間がかかる分、その性能には戦況を覆せるだけの戦闘力が備わっています。キャラクターが持つ演出付きの必殺技系スキルもちゃんと用意されているので、強力な攻撃を使って敵を仕留めたくなります。戦闘が長丁場になる強敵が相手のときは、比較的召喚がしやすいです。
一方、機神の召喚ができないキャラクターも、単純に固有スキルが強力な場合が多く、SPを消費して発動可能なバフ効果【OVERLOAD】の恩恵が大きくなっていました。しかしながら、今後実装されるキャラクターの性能傾向次第ですが、この辺りのバランス感は特に考慮しなければ、“機神召喚できるキャラクター”にだけ売り上げが集中してしまいそうな懸念も感じています。
◆ ユーザースコアの回復は納得できるほどに遊べる。有名日本人声優も勢揃い
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当初はトラブルで大きくユーザースコアを落とした『交錯戦線 CROSS CORE』。実際にゲームを遊んでみると、異星探索をテーマにした骨太のSFストーリーに加えて、魅力的なキャラクターイラストに機神召喚のユニークさと、ほかではあまり見られない独自の良さが光ります。バトルでは全キャラクターに必殺技系スキルの固有演出が用意されている点も評価したいところ。
バトルシステムだけはややテンポが悪く、改善の余地がまだまだありそうだと考えています。しかし、キャラクターはデフォルメ3Dモデルながら、表情が非常に豊か。攻撃アニメーションも凝っているので「バトル中のカメラがもう少し寄れたらいいなぁ」と、何度もピンチ操作を試みていました。
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また、スマートフォンゲームのRPGで頻繁に見られる要素の1つに、プレイヤーが自分だけの拠点を持つといったものが挙げられます。拠点要素を入れたいがために無茶な理由付けをするゲームが多い中で、本作はとても自然でした。
本作では異星探索という大きな主目的があって、さらにゲーム冒頭から前哨基地に向かうというストーリーが展開されます。それがこの拠点要素と世界観に噛み合っており、“やらなきゃいけない感”が薄く感じられました。
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メインストーリーはパートボイスすらありませんが、バトルやホーム画面でキャラクターたちが喋ってくれます。デフォルトのボイスは「日本語」に設定されており、まだまだ日本の声優陣が根強い人気を誇っていることを実感できます。
なお、女性主人公を演じているのは石川由依さん。昨今中国が開発するスマートフォンゲームにて主役キャラクターやメインヒロインでの採用率が圧倒的であり、中国ゲーム業界における断トツの信頼感を感じさせてくれます(単純に人気が高いだけかもしれません)。
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ほかに確認できる声優さんはチラ見しただけでも佐倉綾音さん、小松未可子さん、日笠陽子さんなど、もはや聞いたことしかないほど人気の方ばかりでキャストが固められています。
本稿で紹介し出すとキリがないため、ここで詳しく紹介するのは避けようと思います。もし気になる方は、bilibili内に存在する本作の公式wikiをチェックしてみてください。
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スマートフォンゲーマーたちの話題に事欠かない大型タイトルのような品格は全くありませんが、目のやり場に困るセクシーさ抜群の美少女たちと、巨大ロボの組み合わせは多くの男性を虜にする魔力があると思います。
プレイしていて極端に体験を損なう要素がほとんどないため、ゲームを評価するユーザーがいても納得できるクオリティではありました。不具合によるメンテナンス後の補填内容が手厚く、そのことがユーザースコア回復に一役買っているのは間違いないでしょうが、一部の固定ファンたちに末長く愛され続けそうな気配がしてなりません。今後の展開に期待したいところですね。
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