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『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』は、DS版の「思い出」に勝てるのか?─体験版で違いをチェック

1月19日に発売を控える『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』は、オリジナル版とどのような違いがあるのか。体験版を元に、そのプレイ感に迫ります。

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『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』は、DS版の「思い出」に勝てるのか?─体験版で違いをチェック
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■探索パートは一変! スイッチ版では臨場感が増し増し

本作はADVですが、会話だけで進展するゲームではありません。マップ上を自由に移動しながら周囲を探索し、謎やギミックに挑んで先へと進む。この探索シーンが、DS版とスイッチ版で、かなり変化しています。

DS版は、目の前の景色を描写する主観的な角度の視点(会話の際には立ち絵なども表示されますが)と、真上から見下ろしたマップ画面を、上下画面にそれぞれ表示。下画面に表示されるマップ画面を見ながら周辺を歩き回り、移動に合わせて切り替わる上画面の主観視点でその場所の詳細な状況を把握する──DS版では、この2画面を照らし合わせながら遊ぶ形でした。

こうした探索パートがスイッチ版では一新されており、視点は真上から三人称視点に変更。アシュレイのやや後方から眺めるカメラ視点に切り替わりました。後方といってもカメラは任意で動かせるので、カメラが前方に回り込むことも可能です。

その結果、立体的に表現された3D空間を、アシュレイを操作して自由に動き回るというスタイルに変更。視点がアシュレイ寄りになったため、探索の臨場感も大きく増しています

探索パート中、その画面構成はほとんど単一です。DS版は2画面構成だったので、この点だけを抜き出してみると、表現がシンプルになったように思われるかもしれません。しかし実際のところは、DS版の2画面をひとつの画面にまとめているのだと分かります。

DS版における見下ろしの移動画面では、アシュレイがどこにいて、周囲に何があるのかを大まかに示していました。しかし描画はざっくりとしており、視点の限定もあって詳細までは分かりません。その部分を補っていたのが、景色を細かく描写する上画面です。DS版では、足りない部分を補い合って、探索するフィールドの情報を提供していました。

一方スイッチ版は、詳細な景色と周辺の情報、その両方を三人称視点に収めたので、情報を補完する必要がなくなりました。この手法自体は、オーソドックスな3D視点のゲームそのものですが、2画面だったDS版を1画面に落とし込んだ進化とその理由は、オリジナル版経験者なら実感できるはず。

実際のプレイ体験としては、2画面の情報が1画面にまとまったことで、探索や謎解きにより集中できるように感じました。また、演出に映える3Dモデルになったことで、登場人物のリアクションが豊かになったのも嬉しい点です。

特にアシュレイは、様々な表情やアクションを見せてくれるので、視覚的な魅力も増しています。さらにキャラクターボイスも新規で追加され、聴覚の面でも表現力が増しているため、物語への没入感という点でも大きく進化しています。

多感な少女が、自分の生い立ちに関わる秘密と直面し、謎めく島で様々な出来事と遭遇するとあっては、その反応も一様ではいられません。それを、一新されたシステムと進化したグラフィック、新たなボイスで雄弁に表現してくれるのは、非常に喜ばしい話です。


「2つの記憶 篇」の第1章だけでも、DS版との違いをいくつも味わうことができました。グラフィックの進化はもちろん表現や演出も異なっており、技術的な面を別にすれば、DS版の味わいに軍配を上げる人もいるかもしれません。

しかし個人的には、DS版の魅力や特徴を踏まえ、それを活かす形で進化したように感じられました。遊びやすさも格段に上がっており、新規のユーザーがこれから遊ぶなら、このスイッチ版がお勧めです。そしてDS版のファンにも、もうひとつの『アナザーコード』として体験する価値は十分あったと、同じくファンのひとりとして伝えさせていただきます。

ニンテンドースイッチソフト『アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉』は、2024年1月19日発売予定です。


《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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