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砲塔を引きずって改装する……いきなりインパクトありますね。今回はScarlet Academyが、2024年1月18日にSteamにてWindows PC向けに早期アクセスリリースした俯瞰角戦車射撃ゲーム『多砲塔神教』をご紹介したいと思います。
『多砲塔神教』とは?
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戦車、女の子、ローグライク!ごちゃまぜキメラの合体戦車!本作は俯瞰視点のマップを縦横無尽に走りながら、出現する敵を撃破していくシューティングスタイルのゲーム。架空世界におけるソ連学園を舞台に、同志車長として、戦車サークルの生徒たちを率いて作戦(ミッション)をこなしていきましょう。色々キワドイ設定が重なりますが、まとめて流してパンツァーうんたらかんたら。
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使用可能戦車は第二次世界大戦シリーズからやってきました90台以上。登場数の多さもさることながら、それら戦車の「砲塔がなんでも付け替え可能」というのは本作最大の特徴です。自由恋愛ならぬ自由交換、しかもほぼ任意のタイミングで行えちまうんです。
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あっちの砲塔が性能いいな……よし今の旧式に乗っけちまおうぜ!なにうちの戦車は多砲塔?おっしゃ全部乗せ替えちまおうぜ!こうして爆誕した「可能性のキメラ」……本来だったらあり得ない組み合わせの戦車は、今日も元気に敵を蹴散らしていきます。
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こうしてみるとネタゲー極振りかと思いますがどっこい、ゲームの根幹を支えるシステムもがっしり組まれているのが本作の良いところ。早期アクセスでありながら、既にゲームのコアバリューである「戦闘の駆け引き」も味としてしっかり染み込んでいたのが好感触でした。ともあれさっそく紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
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本作はキーボード&マウス操作に対応。コントローラーでも遊べましたが、個人的にはキーボード&マウスの方が遊びやすかった印象です。全体的な設定項目にはオーソドックスなものが並び、他には「旧イラスト公開」「ゲームデータ公開」といった追加設定、そして音楽鑑賞というものもあります。
また早期アクセスながら日本語にも対応。翻訳が若干怪しい部分もありますが、プレイに支障は出なかったので問題のない範囲だと思います。
本編開始
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さあ始まりました『多砲塔神教』。ゲームを開始すると丁寧なチュートリアルが始まります。前進後退に旋回といった基本動作に、照準と射撃、ブーストダッシュ、砲塔交換といったことを順に学びながらステージ最奥を目指します。
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こちらはゲーム開始時に表示されるトップ画面。機体選択、ゲーム開始、オプションそして終了とシンプルな構成です。先程から画面左端で凛々しく立たれている女性は政委さん。同志こと我々車長さんを手取り足取りサポートしてくださいます。
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よーくみると縦にバーも添えられており、こいつを上下に動かすことで政委女史のおみ足も拝見できます。ここで邪な下心を持った車長さんはアハト・アハトの前へ駆け足、整列、討て(撃て)。
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ちなみに最初は気づかなかったのですが、この連絡先から各生徒と個別にやり取りするメッセージ画面に移ります。ここでは各キャラの性格(?)をちょっぴり知りつつ、作戦方針やボーナスアイテム引き換えなどが行なえます。何度か作戦を完遂してから受け取りに来ると良いでしょう。
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こちらの格納庫では、現在の出撃戦車を設定や、各車の性能を確認、さらには購入によって新しい戦車をアンロック等ができます。購入には、作戦出撃によって得られる通貨を使用します。こちらも何度か作戦を行ってから、徐々に手持ちを増やしていく流れになりますね。
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個人的にこの格納庫で好感度が高い部分は、未購入の戦車であっても「テストドライブ」が可能な点。選択すると画面が移り、実際に動かして試し撃ちや足回りの良さを確認することができます。
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そこそこ高い資金を支払って購入する戦車ですからね……性能値だけ見て喜んでいたらとんでもなく取り回しが難しい機体で結局埃を被ることになった、というのは避けたいところ。
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さてさて実際にゲームを始めていきます。アイコンごとに作戦やアイテム(新しい人員や砲塔)、雑貨屋など割り振られており、たまに中ボスを挟みつつ、これらを直線で繋げて並べられたルートを一つずつ進んでいきます。最奥にいる最終ボスミッションに勝利すれば、ゲームクリアですね。
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たまにルートが上下2つに分岐しますが、枝分かれして最終ボスも異なる……ということはなく、必ずひとつのルートに収束します。要は新しいアイテムと雑貨屋どっちにする?という感じの選択肢ですね。気楽に選んでボス戦で戦力不足に涙を流しながら息を引き取りましょう(理不尽)。
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作戦内容は、時間いっぱいまで生き残ったり、防衛したり、占拠したりといったものですね。アイコン選択時に「ミッション選択」ということで、選択肢が表示されます。エリアと内容の組み合わせがランダムなので、異なる報酬を求めるのであれば、ミッション中に稼いだ資金を利用して再抽選することも可能(初回無料)。
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ゲーム序盤は、まだ手持ち戦車や資金が揃ってないため、生存ミッションを選んだ方が、ルート最奥まで進みやすくボス戦のクリア率も高かった印象です。というのも、占拠や防衛ミッションは特定エリアに留まって敵と戦闘する必要があり、運が悪ければタコ殴りからの撃破コース。その点、生存ミッションであれば、時間内を生き残れば良いだけなので、リスクの高い戦闘を避けて逃げ回るだけでもクリア可能でした。
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とはいえ戦闘も、システムを理解して立ち回れば、ちゃんと戦えるのでご安心を。ここらへん個人的に結構好きな「駆け引き」の塩梅でして、敵の横を走り抜けながら射撃して小さなダメージを与えるも良し、あえて停車して狙いをつけた射撃で大きなダメージを与えるなど選択肢が熱い。角度が浅いと相手の装甲に弾かれることもあるのもグッド。数で囲まれた?諦めましょう(爆発四散)……じゃなくて、ブーストダッシュで逃げると良いでしょう。
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戦車はダメージを受けると、いくつかのアイコンが吹き飛ぶ演出が表示されます。これは、搭乗者が消し炭殿になったことを示しており、自分が撃破された場合は、画面左に表示される補充人員を割り当てて復活が可能。人員が0の場合はミッション失敗、ゲームオーバーとなります。
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ミッションの報酬などで新しい搭乗員は入手可能ですが、あくまでバフ効果を与えるもので、補充人員が増えることはないので注意。その効果も射程を伸ばしたり、移動速度を上げたりといったものから、搭乗者の耐久性を上げたり時間経過で回復させたりといったものまで様々。いやしかしどのキャラクターも可愛らしいですな車長さんも縦バーを上下に移動させて確認しちゃいま(銃剣で刺し貫かれる音)
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バフ効果とは少し違いますが、ミッション中に手に入れた砲塔は交換以外にも、分解して他の砲塔を能力アップさせることができます。貫通力や射程は申し分ないのに破壊力がいささか心もとない……そんな貴方に徹甲弾。こんな具合で鍛え上げたキメラ戦車は、ルート終盤で結構な活躍をしてくれます。
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そんなこんなで本作にこなれてきた筆者。それなりの運も必要でしたが、バフ効果で「時間経過による搭乗員の回復」を添えて、「再装填時間」が短めかつ、破壊力そこそこの機体を組むというスタイルに落ち着きました。貫通力や射程は、接近してからのブーストダッシュ、そして勇気でなんとかする……!だいたい安定してミッションをこなして行けた印象でしたね。
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戦車だしミリタリーだし、ついていけるかしら?と不安を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが大丈夫です。そもそもが砲塔付け替えなんでもござれの作品世界なので、カジュアルに遊べるよう整えられています。何か少しでも間違えようものなら、各国の軍事関連に造詣が深い方々が塹壕からやってきてこちらの頭をスコップで横薙ぎに教育的指導してくるかも……なんてこともありません。大いに楽しみましょう。
タイトル:『多砲塔神教』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2024年1月18日
著者プレイ時間:3時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:1,000円(2024年1月26日まで900円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
システムを理解すると一気に遊びやすくなるスパ!ネタ系かと思いきや駆け引きが熱いスパよ!