※本記事は『FF14』パッチ6.55「光明の起点 Part2」のネタバレを含みます。
2024年1月7日~8日にかけて開催された『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』のイベント「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2024 in 東京」では、新拡張パッケージでの追加ジョブ「ピクトマンサー」が発表されました。
ピクトマンサーは、遠隔魔法DPSで絵筆に似た魔具「筆」を武器に持ち、練り上げた魔力を「絵の具」に見立て、想像力を具現化して戦うとのこと。暁の血盟の一員であるクルルがジョブを担当するということは判明していますが、断片的な情報ばかりでくわしい性能は『黄金のレガシー』のリリース待ち。どういったジョブなのかが非常に気になります…!
そこで今回は好き勝手考えられるのも今のうちということで、ピクトマンサーの初出となる『ファイナルファンタジーVI(以下、FF6)』のリルムを振り返りつつ、どういうジョブなのかを想像してみました。
◆そもそもピクトマンサーとはなにか
そもそもピクトマンサーというジョブに聞き馴染みのない方も多いでしょうが、『ファイナルファンタジー』シリーズにおいて同ジョブが登場したのは『FF6』のみであり、『黄金のレガシー』が実に30年ぶりのシリーズ再登場となっています。
『FF6』においては、リルムという絵を描くのが好きな少女のジョブに設定されており、「スケッチ」という専用コマンドが使えました。モンスターに使用すると敵ごとに設定された技が発動するという仕様でしたが、失敗することもあり少々安定性に欠けるコマンドだったと言えます。
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『FF14』にピクトマンサーを実装にするにあたり、莫大な数の相手ごとに対応するスキルを設定するというのは現実的ではありません。青魔道士の「ラーニング」ように特定の敵をスケッチして技を習得する方法もありますが、それはコンテンツ制限のあるリミテッドジョブだからこその仕様であり、通常ジョブに導入するとプレイヤーの進め方によって使い勝手に差が出すぎてしまうため考えにくいでしょう。
そのため「絵を描く」という行為はピクトマンサーの個性として残しつつも、性能自体は『FF6』と別物になると考えています。ですがまったく関係がないのかと言われるとそうではなく、ピクトマンサーというジョブの背景を『FF6』から引用するのではないかと考えています。
◆『FF14』パッチ6.55「光明の起点 Part2」にて“リルム”の名前が登場
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『暁月のフィナーレ』最後のメインストーリー更新がなされた『FF14』パッチ6.55「光明の起点 Part2」にて、クルルが『黄金のレガシー』に先駆けたお披露目としてピクトマンサーにジョブチェンジしていました。イベントシーンでの登場だったためバトルの様子は見れませんでしたが、モーグリを描いて敵を撃破する姿が確認できます。
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そしてその後のイベントのなかで「十二賢者リルム」という見逃せない発言が。『FF14』作中ではリルムという人物がピクトマンサーの魔法を広めたということで、明らかに『FF6』を踏襲しています。ちなみ十二賢者はリルム含め現在4名まで判明しており、たとえばシャーレアンの原型を築いたとされる賢者ニュンクレフは、オールド・シャーレアンのサブクエストなどで何度も言及されています。
『黄金のレガシー』の舞台がトラル大陸だとすると、ピクトマンサーというジョブとトラル大陸の関連性も朧気に浮かび上がります。そもそも『FF6』リルムのスケッチは、彼女の祖父「ストラゴス」の青魔法から着想を得たものであり、『FF』シリーズにおけるピクトマンサーは青魔道士が基になっている言えます。
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『FF14』での青魔道士は『紅蓮のリベレーター』パッチ4.5に追加されたジョブで、青魔法は「西方の新大陸に住む少数部族・ワラキ族」が使用する魔法にルーツがあるとジョブクエストで語られています。そしてパッチ6.55のメインストーリー内でトラル大陸について調べる際に、その西方の新大陸がトラル大陸のことだと判明しました。つまり『黄金のレガシー』にて青魔道士についての情報が掘り下げられる可能性が高く、同時に『FF』において青魔法と強い関係があるピクトマンサーも、芋づる式に深く描かれるのではないかと考えます。
また『暁月のフィナーレ』の追加ジョブである「賢者」と「リーパー」も、アルフィノとゼノス/ゼロが担当し、ストーリー内でもどういったジョブなのかが描写されていました。ピクトマンサーもメインキャラクターであるクルルが就くため、シナリオ内でそのジョブの背景に踏み込むのはある意味自然でしょう。『FF6』オマージュで、十二賢者リルムがピクトマンサーの魔法に開眼したのが、トラル大陸の青魔法由来という展開もあり得るかもしれません。
◆ピクトマンサーの性能予想について
ピクトマンサーの性能予想をするにあたり、日本ファンフェスの基調講演で発表済みの情報を整理してみましょう。
遠隔魔法DPSで装備はキャスター枠
絵を描くのに詠唱時間が必要だが、それを補うための無詠唱魔法やアビリティを持つ
描いた生物や武器、風景を具現化できる
パーティを強化する魔法を修得するが蘇生魔法はなし
サポートジョブではないが、黒魔道士のような攻撃特化でもない
推察材料が非常に少ないですが、ジョブ紹介動画を見ると赤の絵の具でファイア・紫の絵の具でサンダー・黄の絵の具でストーンのエフェクトが発生しています。この多種多様な魔法を使用するというのは、キャスターでも特に赤魔道士の運用を思い起こさせます。同時に「描いた生物や武器、風景を具現化」や、クルルがストーリーで見せたようにモーグリを呼び出す描写もあるため、召喚士のような側面もありそうです。
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アビリティの予想としては、絵を描くには複数の色を塗り重ねる必要があるため、たとえば忍者の印のように発動させた絵の具スキルの順番により絵画(アビリティ効果)が変化したり、踊り子のように複数の絵の具Procを続けて成功させることで、絵が完成して強力な効果が発動したりするのではないかと考えます。
バフ役として名高いレンジの「吟遊詩人」「踊り子」とピクトマンサーは同じ“芸術系ジョブ”という共通点があります。そして「パーティを強化する魔法を修得する」が「サポートジョブではない」とのことですが、サポートに特化していないだけでサポーターとしての側面も強そうです。
またスクウェア・エニックスが手がける『ブレイブリーデフォルトII』でも同名のジョブが登場しますが、こちらは敵を自在に弱体化させるデバッファーになっています。『FF14』でもデバフ役の可能性もありますが、それであればジョブ紹介が「パーティを強化する」ではなく、「相手を妨害する」という言い回しになると思われるため、素直にバッファーとしての側面が強いのでしょう。
以上のことから、極端に他ジョブとの差別化を図ったジョブではなく、赤魔道士&召喚士+踊り子&吟遊詩人のような、キャスターとレンジの性能を組み合わせた万能型ジョブではないでしょうか。キャスターとして詠唱時間を考慮しながら魔法攻撃を繰り出し、その合間にレンジ職のように味方のサポートも行う立ち回りが求められそうです。
器用貧乏になってしまうか、「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」となるのかは分かりませんが、冒頭に書いたように未実装ジョブについて好き勝手考えるのは今しかできないため、皆さんもいろいろと予想してみてはいかがでしょうか。『黄金のレガシー』での実装が楽しみです。
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