今から25年前、少年だったあの頃。大好きな『遊戯王』の初イベントが東京ドームで開催されました。そのイベントでは当時誰もが欲しがったであろう最強のカード「封印されしエグゾディア」の最後のピースともいえる「封印されしエグゾディア」頭部のカードが入っている「PREMIUM PACK 1」が限定販売に。
その情報を得た子供のころの筆者も父に頼み込み、片田舎から東京へと連れて行ってもらいました。その日は炎天下にもかかわらず推定4万人もの人が行列をなしており、何時間も並んでようやくドームに入れた頃には、カードパックは販売停止となってしまい落胆したという苦い思い出が、今では懐かしいです(※後日雑誌で参加者全員を対象に販売してくれました)。
あれから、25年の時を経てまたこの地へ足を運ぶのだった...。
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2024年2月3日~4日、KONAMIは「遊戯王デュエルモンスターズ 決闘者伝説 QUARTER CENTURY」を開催しました。本イベントは25周年という記念すべき年ということで、第1回と同じ東京ドームでの開催に。
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25年となるとカードゲームではかなり長寿なものとなっていて、会場には本当に大人から子供まで幅広い年齢層の人が参加していました。会場にはアトラクションやフォトスポットが用意されており、それに参加しているだけでも1日があっという間に過ぎ去ってしまうほど。
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◆圧巻!12,000種類以上の歴代「遊戯王OCG」「遊戯王ラッシュデュエル」カードが勢ぞろい
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さらにこれらの展示で1番賑わっていたのが1999年より販売開始した「遊戯王オフィシャルカードゲーム(以下、遊戯王OCG)」と2020年より販売開始した「遊戯王ラッシュデュエル」の全カード展示であり、その数はなんと12,000種類を超えるとのことで、壮観の一言でした。
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初代のカードは展示の中でも特に人気がありました。どれも当時は所持していたけど手放しちゃった人も多いのではないでしょうか?まだ持っている人っていますかね?
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中でも「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)」は郡を抜くほど人気があり、ものすごい人だかりとなっていました。最初に登場したのはSTARTER BOXと呼ばれるカードがバラで販売される前のお試し初心者向けのセットで、必ず1枚入っていました。海馬のような友人は早速3ボックス購入していました。(スターチップを賭けて戦うのも楽しかったですね。)
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会場には他にも特別メニューによるドリンクやフードも販売されていました。ハンバーガーの「ゴッド・ハンド・クラッシャー」は即売り切れていました。
◆誰もが夢見た、アニメのようなデュエル体験がエモすぎて泣いちゃった。『遊戯王 デュエルリンクス Presents SOLID VISION EXPERIMENT』を先行プレイ
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アニメのようなデュエルを実際に体験してみたいという夢は、誰もが思い描いたことでしょう。妄想のなかでモンスターを召喚して戦わせては、ワクワクしていたものです。筆者も没入感を高めるために少年の頃は、友人と対戦する前に声色を変えて、目を細めながら「さあ…ゲームの時間だ」なんて言っていたほどでした。
そういった夢がついに現実になろうとしています。それがこの『遊戯王 デュエルリンクス Presents SOLID VISION EXPERIMENT』です。
VRゴーグルを装着して、VR空間でデュエルすることを体験できる本作はまだ、試作段階のデモでしたが、大興奮な内容でした。試遊にはMeta Quest 3を使用して、PCに接続した状態でのプレイに。ゲームの操作には一切ボタンなどは使用せず、腕の動きや画面上のボタンをタップするような形でゲームが進行するようになっていました。
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プレイヤーは海馬コーポレーションの新しいVR空間を使ったデュエルの被験者として、実験に参加している設定でした。科学者には危険だと言われるものの、海馬瀬人に「被験者なんだからどうなっても構わん。続けろ。」と言われ、絶望の中スタートします。
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使用するデッキを選んだら、まず最初にフィールドカードを発動させてみることに。すると自分が選んだフィールドが目の前に広がっていきます。
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360度どこを見渡しても、続く広大なフィールドとなっていて、これだけでも没入感は妄想を越えています。
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海馬瀬人の指示に従いカードをドローしたら、いよいよモンスターの召喚。こちらはブラックマジシャンガールを召喚しました。
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このブラックマジシャンガールが、めちゃくちゃ可愛すぎて呼吸が乱れました。ただ目の前に現れた程度ではここまで取り乱すことはなかったのですが、プレイヤーに笑いかけたり、リアクションしたりと生々しいまでにリアルな反応を見せてくるためブラックマジシャンガールが本当にその場にいるような感覚になりました。
嫌な指示を出してくる海馬瀬戸を睨めつける場面もあったり、さすがにこれはね...惚れますね...。
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対する相手は「闇・道化師サギー」を召喚。こんなのにウチのブラックマジシャンガールが負けるわけがありません。攻撃の指示方法もスマートフォンアプリの『遊戯王デュエルリンクス』に近い形で、カードを上にスワイプするような形で操作して、相手に攻撃をしかけます。
攻撃を指示し、「黒・魔・導・爆・裂・破(ブラック・バーニング)」にて一撃で仕留めました。
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あまりの強さで圧倒すると、何やら海馬瀬人もご立腹の様子で、いきなり「青眼の白龍」を召喚してしまいます。いくらなんでも本気出しすぎです。
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画像では分かりづらいかと思いますが、実際にVR空間で見た「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)」は、他のモンスターと比べ物にならない位大きなサイズ感で描かれており、その強さに相応しい迫力がありました。そう関心しているとプレイヤーは「滅びの爆裂疾風弾(ほろびのバーストストリーム)」を受けることになります。
ここで終わりか... という所で、闇・遊戯とブラックマジシャンが助っ人に!その瞬間の遊戯と一緒に共闘する感覚は、それこそ子供の頃に夢見たシーンそのものだと感じて、ついつい涙が流れてしまいました。今回体験したものは配信するプラットフォームや時期は未定となっていますが、これは一度でも遊戯王に触れたことのある人には是非体験してほしいと思えるほどのものでした。
◆「作品で予見されていた、ファンが思い描いたデュエルを再現したかった」ディレクター寺嶋氏メディア合同インタビュー
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ここからは『遊戯王 デュエルリンクス Presents SOLID VISION EXPERIMENT』や『遊戯王 デュエルリンクス』のプロデューサーを担当している寺嶋秋津氏(以下、寺嶋氏)へのメディア合同インタビューの様子をお届けします。
――最初にこの作品を作ろうと思ったきっかけはなんでしょうか?
寺嶋氏:多くのファンが集まる今回のイベントで、デジタル版の遊戯王の未来を見せたいという想いから企画がスタートしました。その中で『遊戯王 デュエルリンクス』が、出来ることってなんだろうと思い、キャラクターが出てきてセリフもあるということで、それを最大限に活かせるものは、今回のようなVR作品ではないかという所に行き着きました。
――『遊戯王 デュエルリンクス Presents SOLID VISION EXPERIMENT』は、今回のイベントのために作られたデモのようなものだったかと思うのですが、このあと来れなかった人が体験できる機会はあるのでしょうか?
寺嶋氏: 現状未定ではありますが、体験された方々の反応を見た感じでは、恍惚とした表情で出ていかれていたので、今後機会があれば東京ゲームショーなどの機会に出展したいなと考えております。
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ーー3Dモデルのクオリティが非常に高く、クロスデュエル以上でした。今後の本作を展開していく上でこれがベースとなってくるのでしょうか?
寺嶋氏: もちろん今回に関しては試行錯誤して作っていたという事もありまして、クロスデュエルの3Dをまんま使ったわけではなく、今回のVR作品用に新たに作り直した3Dモデルを使用しています。とはいっても、これだけのクオリティのものを更に1万種類以上のカード分用意しなければならないので、順追って制作していくと思います。クオリティに関しては、今回体験していただいた作品をベースにしていかないと、VR作品として見た時に違和感もできてしまうので、調整しながら磨きをかけていきたいです。
ーー今後クロスデュエルよりも更にクオリティの高いモデルが期待できるのでしょうか?
寺嶋氏: はい!そこは楽しみにしててください!(笑)
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――今回はMeta Quest 3を使用したものとなっていましたが、販売したり無料でダウンロードできる体験版みたいなものは、今のところ予定はしていないのでしょうか?
寺嶋氏: これからユーザーのみなさんの声を元に、色々検討していきたいと思っています。元々遊戯王というひとつのIPでこれだけ沢山の人が集まっていただける機会なんてなかなかないので、是非このタイミングに合わせようと思って作ってきたものですので、今回の反応を元に更に開発を進めていきたいなと思っています。
――実際にオンラインで対戦したりとか、そういった事ができるような物を将来的には目指していますか?
寺嶋氏: もちろん最終的な目標は、ユーザー同士が戦うことのできるオンライン対戦を目標にしていきたいと思っています。特にアニメや原作のほうで、今の時代が予見されたかのようなVRのような空間でデュエルをする場面が描かれてきました。ああいった体験が実際にできるようなものを目指しています。今回のデモに関しては、自由にデュエルができるというよりも、多くの人に召喚やバトルを手軽に体験してほしいということで、物語的なアトラクションのような内容にしました。
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――今回のデモには最後に「to be continue」とあったのですが、この作品の続きはあるのでしょうか?
寺嶋氏: あれは、私の気持ちとなっています!(笑)。最終的にはデュエルをVR空間で出来るようにしたいので、これからも、この作品を作り続けるぞという気持ちのあらわれです(笑)。
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『遊戯王』は25年という歴史の中で、独自の進化を遂げていることを今回のイベントを通して感じることができました。さらに想像もつかない未来の形も見据えて日々色々なものを開発している制作者の熱い魂がファンにも届いており、だからこそ未だに第一線で人気のカードゲームとなっているのだとも実感しました。
これからの『遊戯王』にもぜひ、注目していきましょう。
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