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バンダイナムコホールディングスの株価が急落し、本稿執筆時点(2月15日15時時点)で前日より471円(15.11%)安い2,647円となり、昨年来安値を更新しました。14日に発表した2024年3月期第3四半期決算の影響とみられます。
◆オンラインゲームの新作タイトルが計画を大幅に下回る
2月14日の決算発表によると、当期の売上高は、前年同期比3.9%増の7,720億3,500万円、営業利益は同26.3%(約280億円)減の782億8,200万円、経常利益は同23.4%減の896億3,000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同28.5%減の603億9,800万円となりました。売上高は過去最高であり、ハイターゲット層(大人層)向け商品やカード商材、カプセルトイなどのトイホビー事業が貢献しました。
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ゲームを含むデジタル事業では『ドラゴンボール』シリーズや「ワンピース」などのアプリゲームが国内外で安定的に推移。家庭用ゲームタイトルでは、新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)』の好調、『ELDEN RING(エルデンリング)』のリピート販売が大きく貢献(これら二作品は日本国内向けはフロム・ソフトウェアが、海外向けにはバンダイナムコエンターテインメントが販売)。
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しかし一方で、オンラインゲームの新作タイトルが計画を大幅に下回ったとし、評価損に加え、次期中期計画を見据えタイトル編成の見直しを行ったことによる処分損を計上。業績予想の下方修正もあいまって翌2月15日に株価が急落したものとみられます。
同決算資料では、今後開発体制の精査を行うとともに、クオリティを重視した開発を強化していくとしています。