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1997年に発売された『ファイナルファンタジー7』(以下、FF7)は、シリーズで初めて3D表現を全面的に取り入れ、多くのプレイヤーを魅了した圧巻の物語を、最先端の描画で描き切りました。
また、「アクティブ・タイム・バトル(ATB)」も引き継ぎ、コマンド入力にリアルタイム性を取り入れたバトル(※アクティブ設定の場合)も好評を博し、ビジュアル・物語・戦闘の全てにおいて質の高い体験を提供。個々の魅力が高いレベルで融合し、名作RPGとして長く語り継がれています。
この『FF7』を3部作の構成でリメイクするプロジェクトが現在進行しており、待望の2作目『ファイナルファンタジー7 リバース』(以下、FF7 リバース)が今月29日に発売を迎えます。
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基本的なゲームシステムは、前作の『ファイナルファンタジー7 リメイク』(以下、FF7 リメイク)を踏襲していますが、ミッドガルを脱出したことで冒険の舞台は“広大な世界”へと一気に広がりました。
名作の復活、そして『FF7 リメイク』の続編という、ふたつの役目を担っている『FF7 リバース』は、高まる期待に応えることができるのか。発売に先駆けてプレイする機会に恵まれたので、そのプレイ体験を通したレビューをいち早くお届けします。
『FF7 リバース』の全容を……と言いたいところですが、プレイの楽しみを奪うのは野暮なので、ストーリーの本筋には直接触れません。ネタバレなしなので、どうぞご安心ください。また、本作を30時間ほどプレイした、中盤までの体験を通したレビューとなります。
■「フィールド」の探索要素は連鎖し、止め時を失う没頭度
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バトルを含めたゲームシステム全般は、基本的に『FF7 リメイク』を受け継いでいます。ですが、プレイ感も同じなのかと聞かれれば、その手触りは“単なる続編”という枠に収まっていません。
プレイ感で最も顕著な違いは、フィールドの広さです。『FF7 リメイク』は近代的な都市部と下層のスラムが主な舞台であり、物理的な空間はどうしても狭めで、一本道の構成も多々ありました。
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ですが『FF7 リバース』では、最序盤の展開を終えた後、まずは「グラスランド」エリアの冒険が幕を開けます。一面に広がる草原や丘陵は景観としても見ごたえがありますが、そこを縦横無尽に駆け回れるという事実に、冒険心が大いにくすぐられました。
すでに公言されている通り、本作のフィールドはオープンワールドではありません。各地はエリアごとに分かれており、また登れない岩山なども存在します。ですが、それを差し引いても、「広大なフィールドを舞台とする探索」を楽しめるほど広く、閉塞感はゼロ。
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また、ただ広さがあるだけでなく、各地を巡る楽しさもしっかり用意されていました。前作で仮想空間でのバトルを提供してくれた「チャドリー」が本作にも登場し、その要素を拡大させた「ワールドレポート」という形でプレイヤーの探索を促します。
「ワールドレポート」は、周辺の状況を網羅する通信塔の起動、特定モンスターの討伐、召喚獣のデータ収集、ライフスポットの発見など、様々な項目に分かれており、フィールドにおける探索の楽しさを大きく担っています。
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これはひとつの例ですが、通信塔を起動させると討伐対象の場所が判明し、そこへ向かう途中にライフスポットと出会うことも。また、モンスターの討伐を進めると仮想空間でのバトルが順次解禁され、クリアすると様々なマテリアがもらえます。道中やVRバトルには手強いモンスターもいるため、LVアップやマテリア入手で戦力が上がったタイミングで再戦を挑むこともありました。
このように、ひとつの目的達成が別の要素と連動し、連鎖的に「出来ること」が増えていくのが『FF7 リバース』における探索の面白さ。それぞれの関係は密接に、かつバランスよく配置されているので、プレイの止め時を見失うくらい没頭してしまいます。
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探索自体は比較的シンプルで、込み入った複雑さはありません。細かな発見が随所にあるタイプではなく、イベントやスポットが要所要所に存在し、それを巡るようなスタイルになっています。
このように説明すると、「探索のボリュームが薄いのでは?」と不安に感じるかもしれませんが、「グラスランド」エリアの探索とクエストを一通りこなすだけでも、筆者は7~8時間ほどかかりました。元々寄り道が好きな性分なのと、育成やミニゲームの攻略にこだわった点もあるものの、「エリアひとつの探索があっという間に終わる」といった肩透かし感とは無縁です。
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もちろん、広域の探索エリアは「グラスランド」だけではありません。例えば、「グラスランド」と隣接する「ジュノン」エリアも同等の広さを誇ります。まだプレイ途中の身ですが、『FF7 リメイク』の探索が物足りなかった人ほど、この『FF7 リバース』で報われるはず。少なくとも現時点までのプレイで、それを期待するに十分なボリュームでした。