イザナギゲームズとアクワイアは、箱庭型・横スクロール憑依アクションアドベンチャーゲーム『雨魂 - AMEDAMA -』のSteam早期アクセス配信を開始しました。
本作の舞台は、雨が降りしきる江戸時代の街。殺されて魂だけになった主人公がさらわれた妹を助け出すため、さまざまな動物や人物に憑依し、七日間の輪廻を繰り返しながら事件に隠された真実を解き明かしていきます。憑依する対象によって物語が分岐していき、その結末にも影響していきます。
ゲーム内に登場するキャラクターは多彩な武器を持ち、侍や盗賊はもちろん、女郎や町民までも憑依可能。カウンターを基本とするバトルシステムにより、どんな肉体であっても緊張感のある戦闘が楽しめます。また、和とドット絵的アートが融合した美しいグラフィックも本作の大きな魅力です。
本記事ではそんな『雨魂 - AMEDAMA -』のプレイレポートをお届け。2023年9月に「TGS 2023」で行ったイザナギゲームズ代表・梅田慎介氏へのインタビューもあわせてご覧ください。
輪廻の物語はカエルから始まる!
本作の物語は琵琶法師の語りから始まり、その後は主人公“ゆうしん”と、その妹“ゆい”が暮らしている番傘屋のシーンへと切り替わります。“ゆい”は言葉を話すことができないようですが兄妹仲睦まじく、“ゆうしん”の傘張りの稼ぎで貧乏ながらも平和に生活できているようです。
しかしその穏やかな暮らしは、突如として無頼漢たちによって打ち砕かれます。ここで、ゲームのチュートリアルとして移動や戦闘などの基本操作を学びます。“ゆうしん”はカウンターの奥義を持つ「雨雪転晴流」の使い手で、次々と敵を倒していくものの、やはり多勢に無勢。“ゆい”を人質に取られ、ついには斬り殺されてしまいます。
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しかし、殺されたはずの“ゆうしん”は目を覚まし、自身が魂として現世に留まっていることに気付きます。どうやら近くにあったお地蔵様の力によって、この世に引き留められた状態になっているようです。眼の前で妹を連れ去られた“ゆうしん”は、今の魂だけの自分なら「他の生物に取り憑くことはできないか」と思いつき、近くにいたカエルに憑依することに成功します。
カエル姿の“ゆうしん”は町へ移動し、襲ってきた犬との戦いに勝利して憑依。近くにいた住民同士の会話の情報を元に“ゆい”をさらった連中が移動したという方向へ向かいます。その後は道を塞ぐ男と会話するために、行き倒れた老人の肉体に憑依してついに人間としての姿を取り戻します。
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主人公が殺され、カエルに憑依するという衝撃的な展開から始まる本作。自分を殺した連中を見つけて妹を救い出そうという“ゆうしん”は、自身の魂が現世に残る7日間を繰り返し、やがて舞台となる地・藍浜の地に渦巻く大きな謎に迫ることになっていくのです。
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町人でも侍でも戦闘可能な憑依システム!
本作で最も重要な「憑依システム」は、簡単に言えば「作中に登場する多くのキャラクターを自分で操作できる」というもの。憑依できる対象は基本的に「倒れている人間・動物」で、ストーリー上で戦う相手だけでなく、自らが相手を蹴って喧嘩を売り、倒した相手にも憑依ができてしまうのです(逃げてしまう場合もあります)。
ゲーム内に登場する憑依可能なキャラクターは、全員が刀や斧、槍、包丁、竹箒やオールといった武器(?)を装備しています。それぞれのキャラクターで攻撃力や体力といった基本ステータスも異なるので、憑依した対象で戦闘に大きく性能差が出てしまいます。町の屋台や飯屋で食事をすれば、一時的なステータスアップもできます。
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しかし、その戦力差を覆す可能性があるのが“ゆうしん”の流派「雨雪転晴流」と、その剣技【霧雨返し】です。この技は防御状態で相手の攻撃を受けた際に強力な反撃を行うカウンター技で、どの武器でも使用できるという優れものです。防御さえできれば、武器が刃物でなくとも、動物の姿でも勝ててしまうのです。
ただし、防御状態では「集中」ゲージが減り続け、ゲージが0になると無防備状態になってしまいます。武器によってリーチや速度も変わるので、慎重に敵の行動を見極めなければなりません。また、素早い移動ができるステップも使用可能なほか、武器ごとに強力な奥義も用意されています。
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本作は通常攻撃ではあまり大きなダメージを与えることができず、カウンターや背後からの攻撃を狙うのが基本戦術。「チャンバラ劇の迫力」を描くことにこだわったという、防御と刹那のカウンターが大切になる緊張感のある戦闘が大きな醍醐味です。しかも、倒せば憑依できるおまけ付きなので、強敵相手のご褒美もあるのが嬉しいですね!
なお、ゲーム中で敵を倒すと「魂の灯火」と呼ばれる数値が減っていき、0になれば強制的に魂は排出されてしまいます。同じ肉体を最後まで使うのは難しいので「味方がいるときは止めを任せる」「定期的に他の肉体を使う」など、さまざまな工夫も大切です。
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ループする「初七日」で事件の謎を解け
本作はいわゆる「ループもの」なので、プレイヤーは物語を何度も繰り返し、さまざまな行動を試してて目的を達成しなくてはなりません。ゲーム内は昼と夜の2つのパートに分かれ、特定の行動や決断をしたときに時間が進む形式。7日間が過ぎて目的が達成できない場合は“ゆうしん”は殺された時間へと戻され、再び第1日目からゲームが始まります。
ゲーム内では藩士や盗賊、博徒などいくつかの勢力があり、ストーリー上で“ゆうしん”が憑依した対象によって展開が変わっていきます。例えば2つの勢力が争っているときに味方する立場が変化したり、特定のキャラクターに憑依することで新しいルートが展開したりと、戦闘や物語にも大きく関わってくるのです。
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“ゆうしん”がいつ、どのような行動を取ったのか、現在どのルートを進んでいるかなどは、メニューのチャート画面から確認可能。ルート内の分岐はヒントとして表示され、一度ループを体験すればいつでも第1日目から再スタートもできるので、いろいろなルートを試していくことが大切です。
もちろんループものとしての遊びやすさも充実しています。一度憑依した敵はボスなどを除き次回から簡単に憑依できるようになるほか、戦闘で“ゆうしん”のレベルが上がれば基礎能力がアップするので、戦闘も有利に展開できます。時間ではなく行動で日数が経過するシステムと相まって、慣れてくるとテンポよく物語を楽しめます。
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さらに、ゲーム内では憑依した相手や食べた食事などの図鑑、隠された文書など、コレクション要素も充実。特に「肉体図鑑」に書かれているキャラクターデータも面白いので、ついつい多くの肉体を集めたくなります。
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『雨魂 - AMEDAMA -』は、異色の「憑依&ループもの時代劇」という題材を存分に活かし、多くの視点で複雑に展開していくストーリーを解き明かしていくアドベンチャーゲームとして楽しめます。戦闘も難しすぎず、周回要素で遊びやすさも拡がっていくので、物語を十全に楽しめるゲームデザインです。
主人公が死ぬという始まり方にもかかわらず、決して暗くなりすぎない雰囲気も好印象。イザナギゲームズ&アクワイアというタッグだからこそ実現したゲーム内の「遊び」要素も多く、雨が降りしきる美しい世界をくまなく探索したり、ちょっと変わった選択肢を選んだりと、遊び方も幅広く用意されています。
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なお、Steam早期アクセスのリリースですが、ストアページにある通り「エンディングまで想定するメインゲームプレイ要素」は現時点で体験可能。今後はクエストやサブシナリオ追加などが予定されているので、今はメインストーリーやコレクションを堪能し、今後は追加要素も遊んでいく……という楽しみ方もできそうですね。
多彩なプレイができる「憑依」と、繰り返して謎に迫る「ループもの」のが融合した面白さに満ちた一本!美しいグラフィックと充実のコレクション・遊び要素にも注目スパ!
タイトル:雨魂 - AMEDAMA -
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2024年3月22日(早期アクセス)
価格:2,490円