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テンセントがゲームのIP戦略から脱却?スマホ版『アサクリ』スタッフをカジュアルパーティゲーム『DreamStar』へ再配置か

同社の中核をなすゲーム事業は勢いを失っています。

ゲーム ビジネス

中国のインターネットサービス大手で、同国最大のビデオゲーム事業を展開するテンセントがゲームのIP戦略(フランチャイズ戦略)から脱しようとしているとロイターが報じています。

『Assassin's Creed: Jade』のリリースは2025年に延期か

報道によると、同社はユービーアイソフトとの共同プロジェクトであるスマートフォンゲーム『Assassin's Creed: Jade』の開発チームから数百名を、2023年12月にリリースした自社開発パーティーゲーム『DreamStar』へと振り分けたとされています。また、スタッフの再配置によって『Assassin's Creed: Jade』のリリースが2024年ではなく2025年になる可能性が高いともしています。

こうした動きの背景には、他社IPを用いたフランチャイズ展開は成功を収めたところで得られる利益には限度があること、そして同じ中国のヒット作であるNetEaseのパーティーゲーム『Eggy Party』やmiHoYoの『原神』などは、自社開発であるがゆえに利益をすべて自社のものとできていることなどが背景にあると指摘されています。

EAやスクウェア・エニックスとのタイトルが相次いでサービス終了

テンセントの2023年第4四半期(同年10月~12月)は、中核をなすゲーム事業が伸び悩み、中国ゲーム事業の売上高が前年同期比3%減の270億元、海外ゲーム事業の売上高も同1%増の139億元にとどまりました。同社は2024年1月に自社タイトルのインキュベーションを目的とするSpring Bamboo Shoots Project(春の筍プロジェクト)を立ち上げ、1タイトルあたり最高3億元(約4,200万ドル)の予算を提供するなど、IP戦略からの脱却を示唆する動きを見せています。

また、2023年にはテンセント傘下のLightspeed & Quantum Studioがエレクトロニック・アーツと共同開発した『Apex Legends Mobile』がサービスを終えただけでなく、2024年2月には、スクウェア・エニックスの人気IP「ニーア」シリーズの最新作の開発を中止したとも報じられました

こうした動きを受けて、ゲーム業界のコンサルタント会社であるKantan Games(カンタンゲームス)の創設者Serkan Toto氏は「モバイルゲームスタジオは、IPがかつてのようなユーザー獲得の“特効薬”ではないことを学んだ」とコメントしています。


テンセントがゲームのIP戦略から脱却のきざし―『Assassin's Creed: Jade』スタッフをカジュアルパーティゲーム『DreamStar』へ再配置

《蚩尤》
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