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『真・女神転生V Vengeance』序盤を先行プレイ。“決定版”に相応しい新要素を体験

ゲーム序盤のプレイレポートをお届け。

ゲーム Nintendo Switch

2021年にニンテンドースイッチにて発売された『真・女神転生V』。シリーズの良さを継承し、『ペルソナ』シリーズとはまた異なるハードでシリアスな世界観が魅力の作品となっていました。筆者も当時大変楽しく遊びましたし、ユーザー/メディアの評価も高く、人気作であると言ってよいでしょう。

このたび、そんな『真・女神転生V』の“決定版”と言える新エディション『真・女神転生V Vengeance(以下、真・女神転生VV)』が発売されます。今回はアトラスから提供されたキーを利用して一足早く序盤部を遊んできましたので、本記事でそのプレイレポートをお届けしていきます。

今回、事前プレイするにあたって筆者はSteam版を選択しました。ニンテンドースイッチのみで展開されていた『真・女神転生V』と異なり、『真・女神転生VV』はPS5/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam/Windows)とマルチプラットフォームのため、自分好みのハードを選択できます。

もちろんそのままスイッチで手軽に遊ぶというのもよいですが、Steam版は4Kを選択できるなど画質がきれいで、ロード時間なども(使用するストレージによるでしょうが)快適かつ新鮮でした。数年前にプレイしたっきりのため自分がほぼストーリーを覚えていないのもあって、まるで新作を遊んでいるかのようでもありました。

本作の目玉である新シナリオへの分岐は、冒頭のわかりやすいタイミングで訪れます。とはいえ序盤はストーリーが共通している部分が多く、変化はそれほど大きくありません。公式サイトの説明によれば、中盤以降はどんどんと話の差異が大きくなるとのこと。

ニンテンドースイッチ版『真・女神転生V』

Steam版『真・女神転生V Vengeance』

画像を比較して見るとわかるのですが、細部のツヤツヤ感というか、グラフィックの質感が向上しています。また画面の下部UIからは、様々な追加機能があることもわかります。

新たなシステムからまず紹介するのは「雲上視界」機能です。『真・女神転生V』は様々なアイテムがマップ中に散らばっているため「探索」が重要な作品なのですが、マップだけをみるとやや迷いやすいきらいがありました。『真・女神転生VV』の雲上視界を用いると、マップより整理された視点で自分の位置を俯瞰することができるため、対象物の位置が把握しやすく、「迷いやすさ」が若干緩和しています。

「護陣エストマ」は“制限のあるエンカウント回避機能”といったところで、『真・女神転生V』では補助スキルとして登場していましたが、本作では主人公のみが扱える「神意」へ変更されています。コツコツとしたレベル上げが好きな筆者は今までほぼ利用しませんでしたが、時間をかけずに探索したい方や慣れているプレイヤーは、利用する機会も多いかと思います。

筆者が最大の変化だと感じた追加機能は「セーブ」です。本作はフィールド上のどこでもセーブが可能になっており、強敵と戦う前などは細かくセーブすることでゲームオーバーのときの「死に戻り」を最低限にすることができます。本作の戦闘は低難度「Casual」であっても一筋縄ではいかず、ボス戦などでは防御相性が非常に重要になるため一旦戦って敗北してから対策を考える……というようなプレイングが必要となってきます。

要はトライ・アンド・エラーを沢山することになるため、どこでもセーブできる機能は非常にありがたいわけです。発売以降などで最低難度である「Safety」が追加される予感もするのですが、筆者としては「ちょっと背伸びした難度選択」でプレイするのが、本作をもっとも楽しめる遊び方だと思います。

新シナリオで登場する「カディシュトゥ」は、今作の難しさを象徴するボスです。『真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス』における魔人戦を彷彿とさせる厳しさで、序盤でもボコボコにされました。ちゃんとスキル構成や防御相性を考慮したパーティーを連れて行かないといけないため、本作のキモである「悪魔合体」を駆使できる大変楽しいポイントになっています。

後半部でストーリーがどう展開するのかはわかりませんが、筆者がプレイした範囲ではヴィランっぽい立ち回りのカディシュトゥたち。キャラクターも立っていて魅力的ですし、なにせデザインが非常にかわいい(?)です。

新シナリオにかなり密接に関係するキャラクター「尋峯(ひろみね)ヨーコ」も非常に魅力的です。キャラデザも素敵ですし、クールっぽい口調で凛とした感じが非常にかっこいいです。物語の序盤からゲストキャラクターとして旅に同行してくれるため、戦闘面でも非常に頼りになります。

「悪魔の裏庭」では仲魔たちと会話をすることができます。過去作ではバトル以外での出番が少なかった仲魔たちも、いくつか会話パターンが用意されているため親しみを覚えやすく、オマケ要素でありつつも『真・女神転生VV』の大きな魅力のひとつだと思います。

筆者は「ピアレイ」と仲良くなりました。顔が逆さまだし全身緑色だしで外見的には正直キモいの一言なのですが、ユーモアのある会話センスでかなり好きになりました。今回プレイした中で一番気に入った要素です。

余談にはなりますが、発表当時は「完全版」について指摘されることも多かった『真・女神転生VV』。実際、筆者としても「この発売スパンでフルプライスはちょっとやめてほしいな」とは思います。ただ、紹介してきたように『真・女神転生VV』には新規コンテンツも多く搭載され、様々な点が遊びやすくなっているので、ソフト単体としては間違いなく「決定版」。未プレイの方には自信をもって勧められるでしょう。

『V』既プレイで『VV』を購入する場合は(同ハードでやれば引き継ぎ要素もちょっとあったりはするのですが)いっそ気分を変えて新ハードでやるのが、個人的な意見としてはオススメです。グラフィックが向上していると、それだけで新しいゲームのようにも感じられますしね。


『真・女神転生V Vengeance』はPS5/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam/Windows)を対象として、2024年6月14日(金)に発売予定。価格は通常版が9,878円(税込)、追加DLCをセットにしたデジタルデラックス版が11,660円(税込)です。


《文章書く彦》
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