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昨今、人気のゲームジャンルに“ローグライク”があります。これは1980年にリリースされた革命的なダンジョン探索RPG『Rogue』が持っていた要素「ランダムなマップ生成」「パーマデス」「ターン制」「グリッド移動」「ノンモーダル(あらゆるアクションが常に実行可能)」「攻略方法の複雑さ」「リソース管理」「ハックスラッシュ」「探索と発見」を内包する作品は、文字通り“ローグのような(Rogue-Like)”ゲームであるということから名付けられ浸透したものです。
そして今ではこれらの要素を一部だけ内包した“ローグライト”とポーカーを組み合わせた『Balatro』を始め、ローグライトと他ジャンルを組み合わせたゲームも人気を博しています。
今回は、そんなローグライト作品からPS5/PS4で遊べるものを5つ紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
◆『Balatro』
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『Balatro』は、トランプを用いてポーカーの役を作りできた役に応じた報酬を受け取る、いわゆるビデオポーカーとローグライトを組み合わせた作品です。
本作の最も面白いところは、必要に応じてポーカーのルールを改変できてしまうことです。求められているスコアに対して役を揃えたスコアが低い場合は「惑星カード」で役のスコアを上げたり、「タロットカード」でカードの内容を改変(カード3枚の絵柄を変えるなど)したり、「ジョーカーカード」でルールそのものを改変(ツーペアを作るとスコアが恒久的に増えるなど)するなどしてスコアを増やせます。また、これらは組み合わせて使用できるため、引くカード次第でスコアが何倍にも何十倍にも増えていく爽快感が味わえます。
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このような特殊カードは、ラウンドクリア後にショップにてシングルカードとして購入するか、「BUFFOON PACK」と名付けられたブースターパックを購入して引き当てることで入手可能です。また、ジョーカーカードは150種類存在し、さらにカードごとに加工と合わせて効果が異なるものが5種類あるため、異なるカードが750種類存在することになります。
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一般的なビデオポーカーに特殊な効果を持つカードを加え、それらを組み合わせてスコアを増やすデッキ構築型ローグライトのようなプレイ感に仕上げている本作は、今大注目のゲームの一つです。
◆『Cult of the Lamb』
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『Cult of the Lamb』は、ダンジョン探索のアクションADVとカルト教団を舞台とした経営シミュレーションが合わさったゲームです。ダンジョン探索で得られる報酬にて教団を改善し、信者の祈りを集め、集まった祈りでキャラを強化してダンジョンに潜るという流れで進行します。可愛らしいグラフィックとは反対に少し過激な表現もありますが、両要素が共存してオリジナリティある世界観に仕上がっている作品です。
ダンジョンパートは移動と攻撃、呪い、回避を使い、ランダム生成される部屋に出現する全てのエネミーを倒すと次の部屋への道が開けるというもので、報酬では新たな信者やアイテムが入手できます。
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教団経営パートには、円滑な運営のために重要となる信仰度・満腹度・衛生環境の3つのパラメーターが存在するので、ダンジョンから連れてきた信者を教団に定住させるために、教祖はこれらのパラメーターを充実させる必要があります。そのためゲームの序盤では、教祖は信者のために木を切り岩を掘り、集めた資源で建物を建て、お腹を満たしてあげるために作物を収穫し料理を作りと、八面六臂の活躍が必要です。
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アクションADVにローグライト、そして経営シミュレーションと複数の要素が合わさった本作では、一般的なカルト教団教祖のイメージ像とは異なり、教団維持のために誰よりも必死に働く教祖プレイを楽しむことができます。
◆『超古代兵器ホリー』
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『超古代兵器ホリー』は、人類への復讐に燃える人型兵器ホリーを操り地上を目指す、ダンジョン探索型のローグライトアクションゲームです。ストーリーは、はるか昔、戦争のために造られたホリーの巨大すぎる力を恐れた人類が彼女を地中奥深くに封印、時を経て眠りから覚めた少女は、人類に復讐すべく地上を目指すという内容になっています。
本作の舞台となるダンジョンは10のフロアで構成され、各フロアに存在する敵の拠点「ゲート」を壊し、ゲートから送り込まれる「スレイヤー」を全滅させることで、上のフロアへと進める仕組みになっています。
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ホリーは、ダンジョンの壁を砕く「ショット」やアップグレードで解禁される鞭を使った攻撃ができますが、メインとなる攻撃手段は穴掘りです。穴を掘った場所に敵を誘導したり、気付かれないよう背後から穴に落とした敵をブロックで埋めると、どのような強力な敵でも一撃で倒すことができます。ショットや鞭は火力が低いため、戦闘では、予め用意しておいた穴に上手く敵を誘導していくという立ち回りが必要です。
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派手な攻撃によるゴリ押しのローグライトアクションではなく、攻略のために戦略が求められることが魅力の作品です。
◆『Ship of Fools』
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『Ship of Fools』は、群島を守っていた大きな灯台が壊れ、島の平和が脅かされることを危惧した「フール」と呼ばれる船員たちが、島の平和を取り戻すために2人乗りの船に乗り、危険な深海の生物と戦うローグライトアクションゲームです。
本作の戦闘では、モンスターの攻撃で船が破壊されてしまうとゲームオーバーになります。プレイヤーが操作するフールにはHPという概念はありませんが、攻撃を貰い過ぎると暫く行動ができなくなるので、その間は船が無防備に。行動不能にならないように立ち回りつつ、如何にして船を守るかが重要となります。
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マップ上の各エリアは、ランダムで生成される六角形の複数のタイルで構成されています。各タイルでは、ショップや宝箱からアイテムが入手できたり、雑魚敵が出現したりします。なお船旅でもっとも注意すべきはマップ右側より進行してくる嵐です。嵐に飲み込まれると海域のボスとの戦闘になるので、その前に必要なアイテムを入手して舩を強化しておかなければなりません。
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プレイヤーが受けたダメージが直接勝敗に影響しない戦闘システムはローグライトアクションとして珍しいため、一風変わったローグライトを探している方に特におすすめです。また、本作はプレイヤー2人による強力プレイが醍醐味でもあるので、友人や家族と遊ぶ作品としても適しています。
◆『BAR ステラアビス』
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『BAR ステラアビス』は、星座の力でキャラクターを強化しながら、プレイの度に姿を変える異世界「ヨイの世界」を探索するローグライトSRPGです。物語は探索のかたわら、バー「ステラアビス」で一風変わった常連客たちと酒を酌み交わすことで進行します。
ダンジョンである「ヨイの世界」を探索中にモンスターと接触するとマス目上の戦闘用マップに移行し、ターン制のSRPG方式でバトルとなります。そのため、敵との相性や位置関係、地形の効果に注意して行動を選択しなければなりません。
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バー「ステラアビス」では、魅力的な常連客たちと酒を酌み交わすことによって探索に有利な効果を得ることや、物語を進行させることができます。常連客たちとの会話では、「肯・否・笑・疑」の相槌4つと「酒を呑む」の合わせて5種類のリアクションが選択できます。会話をどのように進めるかはプレイヤー次第なので、自分だけのBAR トークを楽しんでください。
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酒をテーマにしたローグライトSRPGだけに、実際にお酒を片手に「ヨイの世界」に旅立ちながら、プレイしてみるのも楽しそうですね。
以上、PS5/PS4で遊べるおすすめローグライト5選と題しておすすめの作品を紹介してきました。定番ものから最近のタイトルまで幅広く扱ってきましたが、気になる作品はありましたでしょうか。本稿が新たな作品との出会いの切っ掛けとなれば幸いです。