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最近、中国と韓国ではゲームの対象年齢が引き上げられるケースが増えてきました。たとえば、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが今月4月26日に発売予定の『Stellar Blade(ステラーブレイド)』は、韓国にて“青少年利用不可”の審査結果を受けています。
直近ではそれ以外にもスマートフォンアプリ『ブラウンダスト2』が、同じように青少年利用不可となることが、韓国の公式コミュニティの投稿より、明らかとなりました。また、Steam/スマートフォンで配信中の『スノウブレイク』は、中国国内にて18歳未満のユーザーが実名認証によって制限されることにもなっています。
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こういった年齢制限に関係する働きかけは、今後も加速していくのでしょうか。一方、日本のゲームはギリギリを攻め続けるチキンレースにチャンレンジしている気がします。とりえず、今週も注目タイトルを3選ご紹介していきましょう。
※本稿では、システム上の関係で簡体字/繁体字で表記すべき部分も異体字に置換している場合があります。
◆『歡樂釣魚大(ハッピー フィッシング マスター)』
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現在中国では3月末にリリースされたスマートフォン向けの新作釣りシミュレーション『歡樂釣魚大師(ハッピー フィッシング マスター)』が大人気です。
ゲーム配信後にはApp Store、TapTapにてランキング上位に浮上し、根強い人気を誇る『王者栄耀』と日本でも注目を集めていた『Persona 5:The Phantom X』、そして事前登録者数合計300万越えの大型RPG『物華弥新』などから、ランキング1位を勝ち取り維持し続けています。
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ただ、『物華弥新』の方は記事執筆時点において正式サービス開始前の事前ダウンロード期間という事情があるので、正式サービス開始後にこの順位が変動する可能性は十分考えられます。
しかしながら『歡樂釣魚大師』は、TapTapだけで491万ダウンロードという驚異的な数値を記録しており、この時点で『物華弥新』の全プラットフォーム合算の事前登録者数をすでに超えてしまいました。
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もちろん、事前登録者の数と実際のダウンロード数は必ずしも同じとはいかないでしょう。ですが、これまで長期にわたってベータテストを繰り返し、多くのユーザーたちの期待値を上げて着実に事前登録者数を伸ばしてきたタイトルが、こうもアッサリと謎の釣りゲーに話題性を持っていかれてしまったのは中々に切ないものがあります。
中国メディア「遊戲資訊」の調べによれば、中国版Tiktok「Douyin」では約5,000万人が今作『歡樂釣魚大師』に関連する動画を視聴しているとのこと。本国のストリーマーたちがこぞって配信していることからも、ゲーマー層ではない一般ユーザー層たちがこのダウンロード数に貢献しているのでしょう。ダークホース的な存在のゲームになりました。
◆『Light of the Stars』
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韓国では4月18日に新作ストラテジーRPG『Light of the Stars』がリリースを迎えました。イラストのビジュアルや美少女キャラクターの雰囲気など、どことなくジャパニーズライクなタイトルといった感じですが、実は日本語版主題歌と日本語音声が既に収録済みだったりします。
公式サイトのキャラクター紹介で視聴できるボイス、さらに本国向けのPVでもわざわざ日本語ナレーションを採用しており、将来的には日本展開にも期待が持てそうです。
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公式YouTubeでは日本語版主題歌と英語版主題歌のどちらも聴くことが可能です。しかしPVで流れるアニメーションのクオリティは決して高いと言えません。普段からアニメを見て作画だとか演出だとかを話題にし、目が肥えてしまった我々の基準は高いのでしょうか。主題歌やキャラクターは良いのですが、アニメーションそのものにどこかに違和感を感じてしまいます。
リリース直後の評価はまずまずといった感触で、中でもキャラクタービジュアルが高く評価されていました。より具体的な評価が固まるまではもうしばし時間がかかりそうです。
◆『ZERO9』
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3月中旬に韓国でリリースされてから、ランキング首位を維持している横スクロールアクションRPG『ZERO9』が人気を集めています。正式リリースからある程度時間が経過していますが、App Store、Google Playどちらも高いスコアを記録していました。
レビューの中身も具体的なものかつ肯定的な意見が多め。また、スコア比率も全体的に高く、低評価と高評価だけが目立つような極端な偏り方は見られません。
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ゲームを手掛けているのはUjoy Games。同社は今年2月14日に、中国で配信中のRPG『アッシュエコーズ-白荊回廊-』の日本向けパブリッシング権を継承したことでも知られています。
これまで広く話題になるようなヒット作品を出してこなかったUjoy Gamesですが、今後登場予定の『アッシュエコーズ-白荊回廊-』が日本市場で好調だった場合、今作『ZERO9』の日本上陸にも期待が持てるかもしれません。