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ゴールデンウィークは、親から子へ名作タイトルを語り継ぐ絶好の機会でもあります。
筆者は今年で40歳。残念ながら未だ嫁の来手のない独身男ですが、同世代の連中は嫁だけでなく子供もいます。そして、1984年生まれといえばコンピューターゲームがカンブリア爆発を遂げた1990年代を小中学生として過ごした時期。小学校入学が1991年で中学校卒業が1999年ですから、ピッタリ90年代なんです!
典型的なゲーム少年として過ごした筆者が特に記憶に残っているのが、1993年8月にスクウェアから発売されたスーパーファミコンソフト『聖剣伝説2』。壮大な世界観とそれに見合ったBGM、そして当時としては珍しい最大3人プレイができる名作です。
親から子へ語り継ぐには最適の作品だ! と筆者は声を大にして主張します。
◆豊富な武器と「熟練度」
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アクションRPG『聖剣伝説2』は、様々な面で当時の子供たちに衝撃を与えました。
道中の敵を倒すとキャラがレベルアップしていくシステムは当然ですが、それとは別の「武器の熟練度」という概念があります。全8種類の武器を徐々に使いこなせるようになり、それに応じて派手なアクションのチャージ攻撃が可能に。
そして、その武器自体にもレベルという概念が。剣の場合は錆びた聖剣→ディフェンダー→クサナギの剣→オリハルコンの剣という具合に、計9段階の進化が実装されています。
ダンジョンに出現するモンスターの豊富さも、プレイヤーの目を楽しませてくれます。それぞれのモンスターの弱点に応じた武器や魔法を繰り出して戦局を打開する戦略性もあり、ついつい長時間プレイして母ちゃんに叱られてしまうことも……。
◆最大3人協力プレイができる!
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スーパーファミコンは、デフォルトの状態ではコントローラーを2台までしか接続できません。
しかしスーパーマルチタップという周辺機器を使えば、コントローラー接続数を拡張することが可能。晴れて『聖剣伝説2』を3人でプレイできる! というわけです。当時のゲームのマルチプレイといえば、最大2人。3人同時に楽しめるゲーム自体、まだまだ珍しいという状況です。
このシステムは、小学生を熱中させるのに十分過ぎるインパクトを含んでいました。
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当時はインターネットが一般家庭に普及する前。マルチプレイで遊ぶなら、自宅に誰かを呼ばなければならない時代です。家族や友人を横に並べて、それぞれにコントローラーを渡して『聖剣伝説2』をマルチプレイ。しかも、3人協力プレイです。この時の感動を文章でどう伝えればいいのか、筆者は悩んでいます。
さらにこのゲーム、上述の武器をプレイヤー同士で交換することも可能。たとえばランディの持っている剣が現時点での最高熟練度に達した時、他の武器の熟練度を上げるためにプリムの持っている弓とその場で交換する……という方法も選択できます。「協力している」ということを実感できるゲーム性に仕上がっている名作、それが『聖剣伝説2』です!!
◆親から子へ「リングコマンド」を語り継ぐ
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そんな『聖剣伝説2』を今の時代にプレイする方法はいくつかあります。スマホアプリにもなっているほどですが、筆者がおススメなのは『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』(いわゆるミニスーファミ)でプレイする手段。
残念ながら3人プレイはできませんが、「あの頃の雰囲気」を味わうのには最適! その上、コントローラーもスーファミのものと同じデザインのため、「パパは子供の頃、リングコマンドをこうやって操作して出してたんだよ」というような説明もできます。
ジョイスティックに慣れた現代の子にとって徹頭徹尾十字キーで移動操作を完結する仕組みは新鮮かもしれませんが、そのあたりについてもパパやママが昔の思い出話と共に教えてあげることもできるはず。
◆バグの思い出
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そういえば、『聖剣伝説2』は「侵攻不可能になるバグが存在する」ことで有名なソフトでした。
特に「ボスを倒した直後、余計な操作をすると部屋から出られなくなるバグ」は当時の子供たちを悩ませました。当時はゲームの不具合を修正するパッチ配信などはないため、ソフト化されたゲームのバグは修正できません。今では考えられない現象です。
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ですが、このあたりも今では良き思い出。子供に語り継ぐには絶好のお話です。
スーパーファミコン全盛期の名作で、数々の移植版やリメイク版も制作されている『聖剣伝説2』。もっとも気軽に手に取りやすいのは、『聖剣伝説-ファイナルファンタジー外伝-』『聖剣伝説2』『聖剣伝説3』の初期3作品が収録された『聖剣伝説コレクション』でしょう。
今年のゴールデンウィークは、親子でマナの力を封印する旅に出よう!