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母ちゃんたちには内緒だぞ!ガチじゃないけど本格的だった名作戦争シミュ『ファミコンウォーズ』を振り返る

名作『ファミコンウォーズ』は、今遊んでも面白い!

ゲーム Nintendo Switch
母ちゃんたちには内緒だぞ!ガチじゃないけど本格的だった名作戦争シミュ『ファミコンウォーズ』を振り返る
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「戦争シミュレーションゲーム」というジャンルが存在します。プレイヤーは地図上に配置された軍隊を、将棋やチェスのコマのように進めて敵軍を撃破するという内容です。

このジャンルを分かりやすく設計し、なおかつ子供たちが安心して遊べるようにした傑作ファミコンソフトが、『ファミコンウォーズ』です。映画「フルメタル・ジャケット」を意識したCMを今でも覚えている人は少なくないはず。そして、ソフト自体も「名作」と呼ぶに相応しい出来栄えでした。

今回は子供たちを魅了した、“どえらいシミュレーション”について振り返っていきます。

◆「ガチじゃない」戦争シミュレーション

戦争シミュレーションゲームは多くの場合、それ相応の知識がある人に向けた仕上がりになります。

一例を挙げると、1990年発売のPCゲーム『ブリッツクリーク』はまさに、“ガチな人向け”のゲーム。ドイツ軍の装甲師団を率いてソ連軍と戦うという内容ですが、出てくる兵器はどれも本当にあったもので、しかも細かい! 1941年6月のバルバロッサ作戦開始当初のドイツ軍の戦車はIII号戦車と短砲身型のIV号戦車しかなく、ソ連のKV1やT34を相手にするにはかなり手こずるということもきちんと再現されていました。

なお、この『ブリッツクリーク』はスーパーファミコンソフト「バルバロッサ」というタイトルで移植もされましたが、パッケージに“ボヘミアの伍長”が堂々と描かれていました。現代だったら世界のいろんな団体から指摘されちまうんじゃ!?

そうしたガチの戦争シミュレーションゲームに比べると、1988年発売の『ファミコンウォーズ』は非常にポップな世界観です。

実際にある国をモチーフにしているわけではなく、戦場も「ソラマメ島」「オニギリ島」というように、その地形にちなんだ可愛らしい名称。そして、「戦車A」「戦車B」「自走砲A」「自走砲B」という感じで、兵器の種類を極力少なくしている点も遊びやすさに直結しています。

同じ兵器同士なら、敵陣営との性能差は一切ありません。『ブリッツクリーク』のように、「T34はIII号戦車ではなかなか撃ち抜けないけれど、88mm砲かティーガー戦車を呼んでくればらくらく撃破できる」というような、細か過ぎる内容にはなっていないというわけです。

◆実は本格的な戦略性

しかし、兵器の性能差がないからこその戦略性が『ファミコンウォーズ』にはありました。

たとえば、ドーナツ島は中央に大きな湖があるステージ。ここを右回りに行けば森林地帯、左回りに行けば市街地です。ユニットを生産して、とりあえず右方面と左方面の両方から進軍する……というのはナンセンスな発想。

ここは装甲車両の通過が難しい森林地帯には最低限の兵力を置くに留め、機動戦を容易に展開できる市街地を目指します。『ファミコンウォーズ』で重要なのは地形であり、「ここに戦車を行かせればどうなるのか」「地形を利用して最小限の兵力で相手を食い止められるのではないか」と考えることが勝利を呼び込みます。おおっ、まるで将軍になったかのような気分!

また、もしも開戦の段階で相手の兵力のほうが大きかった場合、防御的な戦闘で時間稼ぎをしてユニットの生産を待つということもできます。

これは、本物の戦争でも実施されている戦略です。序盤から順調に進撃しているからといって、それが最後まで続くとは限りません。むしろ、相手に先手を打たせて疲弊させるという手もあります。兵器の性能差がないからこそ、こうした頭脳戦が物を言うわけです。

◆みんなが真似したテレビCM

リアルな戦略性を確保しつつ、兵隊のコミカルな動きや生々しさを極力抑えた戦闘シーン等、家庭で遊べるゲームとしての作りになっているのが『ファミコンウォーズ』の大きな特徴。そして、何と言ってもテレビCMのインパクトが絶大でした。

「ファミコンウォーズが出るぞ! 母ちゃんたちには内緒だぞ!」

当時の小学生の心理をよく汲み取ったこの台詞、真似した人もいるのではないでしょうか?

そしてよく考えると、このCMは尺の中にゲーム画像を一切使っていません。にもかかわらず、恐ろしいほどに購買意欲を掻き立てられるのはなぜでしょうか。『ファミコンウォーズ』はそのタイトルに相応しく、ファミコンを代表する作品として今でも語り継がれています。現代の子供たちが手にしても、十分に遊べるはずです!

そんな『ファミコンウォーズ』は、「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」の収録ソフトとして配信されています。


《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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