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10,000種類以上のカードたち。それらを有する『遊戯王OCG』の楽しみ方は、“ガチ対戦”だけではありません。
今回、日本最大規模のカジュアル『遊戯王』オフ会に潜入取材。会場で見つけた「個性的なコンボデッキ」を特集します。
◆懐かしのカードも登場!個性的なコンボデッキ
オフ会の会場で見つけた、個性的なコンボデッキを紹介します。
【オシリスの天空竜&神炎皇ウリア】
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《オシリスの天空竜》と《神炎皇ウリア》が共演したデッキです。
一見、罠カードとのシナジーが無さそうな《王の舞台》はこのデッキのマスターピースです。デッキの潤滑油に据えることで、手札補充から展開、さらなる手札補充というサイクルを見事に実現しています。
「罠デッキ」の課題である「手札が0枚になりやすい」を逆手に取ったデッキといえます。
《ハイパーブレイズ》の効果で《神炎皇ウリア》が攻撃力32000になる場面もありました。
【大逆転クイズ】
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《大逆転クイズ》での一撃必殺を狙うデッキです。
3種類のカード群「(1)自身のライフを削るカード」「(2)デッキトップを操作するカード」「(3)《大逆転クイズ》を決めた後にトドメを刺すためのカード」を一連の流れで用意できます。
妨害がない場合のコンボの成功率は4割程度とのこと。
《鎖龍蛇-スカルデット》や《マジシャンズ・ソウルズ》などの、コンボパーツを集めるためのドローソースが多彩で、遊戯王のカードプール全体への理解度の高さを感じます。
【仮面魔獣デス・ガーディウス】
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会場内でも、最新弾「レイジ・オブ・ジ・アビス」の新カード《メタル化・強化反射装甲》《原石の鳴獰》を使ったデッキは多くありましたが、今回は《仮面魔獣デス・ガーディウス》のデッキに注目しました。
コンボが成功しない時でも、《魔犬オクトロス》《破戒神王ヤマ》からサーチできる《雙極の破械神》などで粘り強く戦える点に“オフ会慣れ”を感じます。
このように好きなデッキが、新カードで強化されていくのも『遊戯王』の魅力です。
【アクア・ドラゴン】
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《アクア・ドラゴン》は、1999年8月26日発売のパック「BOOSTER4」に収録された絶版カードであり、3体の融合素材を要するにも関わらず「攻撃力2250」&「効果無し」という、なかなか使いどころの難しいモンスターです。
このデッキは《アクア・ドラゴン》の特徴である「通常モンスターと効果モンスターを素材に要する」「効果を持たない融合モンスター」という点と徹底的に向き合っています。
「《アクア・ドラゴン》を出すだけ」に終始せず「《アクア・ドラゴン》で戦って勝つこと」を目指しており、「決してネタとしては昇華させない」という視座の高さを感じるデッキでした。
◆会場の様子もお届け
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当日は北海道から九州まで、全国各地から参加者700名弱の参加者が集まりました。『遊戯王OCG』のオフ会では史上最大規模です。
・会場が広い!換気もばっちりの快適空間
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ご覧のとおり、天井も高く、入口も広いので換気面はばっちりです。空調の効きもよく、当日の猛暑を忘れるほどの快適空間でした。
・動画クリエイターたちによる運営
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AAオフは10年以上、カジュアル遊戯王を盛り上げてきた、動画クリエイターたちによって運営されています。
配信台では、動画クリエイターと対戦でき、その様子はYouTubeで生放送されます。
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カジュアルなオフ会で心配なのは、対戦相手と自分の「デッキの強さ」が合わずに「一方的にボコられてしまう」です。
ただ、このオフ会ではその課題が自然と解消されつつあり、「相手の動きを阻害しすぎずに、互いのコンボの“ぶつかり合い”を楽しむ」という考えが、コミュニティ内で浸透しているようでした。
・「遊戯王の新たな可能性」を共有
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カジュアルとはいえ、対戦中は真剣勝負です。
「手加減」や「忖度」をするのではなく、あくまで全力で戦いながら「遊戯王の新たな可能性」を共有しているようでした。
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もちろん、テクニカルなコンボデッキがなくても参加できます。
対戦を通してのコミュニケーションが最大の醍醐味なので、『マスターデュエル』や『遊戯王ラッシュデュエル』からの復帰勢でも気軽に参加できるオフ会といえるでしょう。
◆特別ゲスト:副島和樹さんインタビュー
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今回の特別ゲストは、副島和樹さん。
多数の舞台やTV番組/映画に出演し、『遊戯王』を愛する俳優・ジュノンボーイ(『第29回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』審査員特別賞)です。
また、高校時代に『遊戯王』世界大会の出場経験を持つ、ガチの競技プレイヤーでもあります。そんな副島さんに「今回のオフ会の感想」や「カジュアルな遊戯王」について、話を訊きました。
【以下、副島和樹さんコメント】
『遊戯王』は初期からやっています。
7歳からインドに住んでいたのですが、当時は「言葉」でのコミュニケーションが上手くいかず、友だち作りを『遊戯王』に支えられました。《死者蘇生》などのカードはイラストだけで効果がわかるので、異国でのコミュニケーションツールになったんです。
当時は《ボアソルジャー》《地雷蜘蛛》などのデメリットアタッカーを駆使して戦っていて、切り札は《レインボー・フィッシュ》でした。その後も学生時代を『遊戯王』とともに生きてきたので、将来は「お世話になった『遊戯王』に恩返しをしたい」と考えるようになりました。
現在は俳優業を中心としつつ、公式の遊戯王OCGチャンネルや「特捜警察ジャンポリス」での遊戯王デュエルリンクスの特集に出演させていただいています。これらからも『遊戯王』の輪を広げていけるよう活動していきます。
今回、参加させていただいた第7回AAオフの運営元である、YouTubeコミュニティ「城下町デュエル」は僕自身、大学生時代に友人と笑いながら見ていた大好きなチャンネルなんです。
このチャンネルの方々は、とにかく楽しそうにデュエルをするんです。僕たちが子どもの頃に「遊戯王を好きになったキッカケ」を思い起こさせてくれるようなチャンネルです。
AAオフは、まさに「遊戯王好きによる遊戯王好きのためのイベント」なので、普段のデュエルでは見ないような、珍しいカードが次々と出てきます。僕は真剣勝負をする『遊戯王』も好きですが、このオフ会のような「俺はこのカードでコンボを見せたいんだ」という遊び方も『遊戯王』の魅力だと思うんです。
参加される皆さんが、心の底から「コミュニケーションとしての遊戯王」を楽しんでいて、童心に帰れるイベントです。
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【イベント概要】
日付 :2024年8月10日(土)
場所 :東京都立産業貿易センター浜松町館 5階
定員:688名
エントリー料:3,000円
運営アカウント:AAオフ運営委員会(https://x.com/AA21734015)