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作中と同じ“5年”が経過…『FE 風花雪月』“学園モノ”で起こる「血の同窓会」で発売前から衝撃を与え、沼に落とされた当時を振り返ろう

『ファイアーエムブレム風花雪月』内と同じ5年の時がリアルで経過!ということで、発売前と発売直後に抱いた感想を振り返ってみました。

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作中と同じ“5年”が経過…『FE 風花雪月』“学園モノ”で起こる「血の同窓会」で発売前から衝撃を与え、沼に落とされた当時を振り返ろう
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「人の心がない」「道徳0点」……など、パワーワードで表現されることの多い『ファイアーエムブレム 風花雪月(以下、風花雪月)』が、2024年7月26日で5周年を迎えました。筆者は「もう5周年とか嘘でしょ?」という感情をまず抱いたのですが、そんな感傷よりも大事なのは“5年”という年数が作中で大きな意味を持つということです。

ゲーム内のストーリー進行に合わせて経過する5年の時がリアルでも流れ、SNSでは発売日を迎える前日からトレンド入り。多くの先生(プレイヤーの総称)が、本作を振り返り思い思いの感想を投稿していました。

本作は任天堂とこれまで開発に携わってきたインテリジェントシステムズに加えて、シミュレーションゲームの老舗であるコーエーテクモゲームスも参画し開発しています。濃厚なシナリオや豊富なキャラクターが好評となり、5年経つ今でも人気を集め続けるタイトルです。

そんな本作は、「E3 2018」で映像が初お披露目。以降発売までに続報が発表されるたびにファンに衝撃を与え、SNSを騒がせていました。

そこで今回は今でも思い出せる濃厚な発売前期間と、発売後に抱いた印象をまとめて振り返ることに。5年という大きな意味を持つ月日が流れたことを記念して、改めて『風花雪月』への思いを馳せていきましょう。

※この記事にはストーリー(5年後)に関する若干のネタバレが含まれています。ご注意ください。

◆「学園モノ」といえば同窓会!でも“血の雨”が降るってどういうこと?

今から6年前となる2018年6月13日、『風花雪月』の映像が世へ放たれました。その内容はシリーズおなじみ「ペガサスナイト」やSRPGとしてのゲーム性がチラ見えしたり、新キャラクター「エーデルガルト」にプレイヤーと思しき人物「先生」が話しかけられていたりするもの。

以降、比較的本作は“穏やかな学園モノっぽい”として注目されており、今となっては考えられないことですが“戦争モノ”とは無縁そうな空気を放っていました。何を隠そう筆者も「学園モノか、軽そうだな」と思ったことは正直いまだに記憶に残っています。

そう、翌年の「E3 2019」で新PVが公開されるまでは……。

はじめての同窓会は 血の雨が降った

……いやいや、学園モノって話だったから同窓会は分かるけど、血の雨は分からねぇよ!! なんだ、学園モノで血の雨って!?

と、このような感じで当時のSNSは騒然。歴代『FE』シリーズといえば各勢力がぶつかり合う戦争が描かれてきたこともあり、学園モノと聞いて勝手に“平和な『FE』”を予想していたファンであればあるほど大困惑する事態に陥れてくれたのです。

「学園で血を見るって、1人の男を取り合う女同士のおビンタバトル!?」なんて可能性もありそうですが、主人公である1人の先生を複数の教え子たちが実質取り合うようなものなので、あながち間違いじゃないのがまた面白いですね。なお、現場では笑ってる場合ではないレベルで本当に血の雨が降ります。

◆2周目以降でやってくる、無慈悲すぎる現実

そうして迎えた発売日、例の“同窓会”を5年後に浴びた各先生たちはこれまた阿鼻叫喚。それもそのはず、一堂に会した顔見知りを、無惨にも手にかけることになるのですから。

とはいえ、初見プレイでは「これが例の同窓会か~!」とワクワクする気持ちも強く、振り返ってみるとそこまでのダメージはなかったかのように思います。衝撃は相変わらず凄まじいけれど……。

さて、この辺で『風花雪月』の基本システムを軽く説明させてください。本作では『ポケモン』の最初の3匹よろしく、プレイヤーは国勢力ごとに分かれる3つの学級から1つを先生として受け持つところから始まります。

冒頭で選ばなかった学級とは5年後に敵対し、上述した同窓会といった数々のマップで敵として立ちはだかるので心を鬼、いや無にして殺……倒すことに。初見時だとまだ1学級しか受け持っていないため他生徒との交流も薄く、「すまない、来世で会おう!」ぐらいの感傷で済むかもしれません。

しかし、本作は全学級を制覇しないとストーリーの全貌が見えてこない、周回プレイ前提のシステム。他学級も堪能すべく周回プレイをする際は当然ながら前世の愛しの教え子が敵に周り、殺戮することとなります。

これが「人の心がない」「道徳0点」などよく揶揄される所以でもあり、各先生の心に乾かない血の雨を降らせることとなりました。発売前の衝撃は、発売して実際にプレイしてなお増長したというわけです。

そういえば人間は生きていくために「丹念に育てた家畜への情を捨て自らの手で殺し、食し、血肉とする」という例え話をどこかで耳にしたことがあります。筆者にそういった経験はないものの、皮肉にも本作でその感覚を理解してしまいました。

◆キャラ魅力が大いに発揮されるからこそ、やっぱりつらい!

そんな先生の心に傷を植え付け、そして沼に落としていく魅力を持つ生徒たちはただ経験値を注いで育てるだけではありません。『FE』はシリーズを通してキャラクターの設定が明確に設けられており、『封印の剣』以降の作品では“支援会話”でそのキャラの人となりを深堀りできます。

本作ではそんな支援会話に加えて、プレイヤーである先生と生徒の関係も存在します。彼ら彼女らとは、一緒にお茶会をしたり落とし物を拾ってあげたりと、日常生活の中で交流を深められる要素も盛りだくさん。

さらには、唯一無二の相手を1人選んで“支援S”を組めば結婚もできるので、選んだ相手によっては前世で恋人だった相手に次周ではむき出しの殺意を向けられつつ手にかけるなんてことも起こります。

ストーリーでもサブコンテンツでも、やり込めばやり込むほど先生にダメージを与えていく『風花雪月』。心をズタズタにされ耐えきれなくなった先生の中には「○○学級しか選べない固定バグ」に陥いる姿もありました。

今振り返ってみても、初お披露目時の学園モノな雰囲気が嘘のよう。しかし、血の同窓会のPVが醸し出した不穏な空気はそのまま的中。発売後、数多の先生を抜けられない沼に落とし、そして周回プレイと噛み合ったシナリオは大きな反響を呼び現在に至ります。

生徒たちが過ごした5年の重みは計り知れるものではありませんが、あれからリアルで同じ年月を経過したと思うと、なかなか感慨深いものではないでしょうか。


2019年の『風花雪月』発売以降、シリーズ最新作となる『FE エンゲージ』のリリースをはじめ、GBA向けソフト『封印の剣』『烈火の剣』がNintendo Switch Onlineにて配信されるなど、さまざまなタイトルがニンテンドースイッチで遊べるようになりました。

筆者的には『FE』の基礎システムが網羅され、古いタイトルにも関わらず近年の作品に引けを取らない2部作『封印の剣』または『烈火の剣』をぜひ遊んでいただきたいところ……。『風花雪月』から本シリーズに興味を持った方は、ぜひこの機会にほか作品も遊んでみてはいかがでしょうか?

またインサイドでは最新作『FE エンゲージ』の1万文字以上にわたるレビュー記事も掲載中です。ぜひともあわせてご覧ください。



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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《八羽汰 わちは》

たまに絵も描く 八羽汰 わちは

はちわたわちは(回文)メディアへの憧れとゲーム好きが融合してゲームライターに。幅広く手を出すが一番好きなジャンルはJRPG。特技はヒトカラ12時間。

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