■PSP向けに蘇った『ペルソナ3』
『フェス』がリリースされた2007年当時、Xbox 360(2005年発売)に加え、PS3やWii(ともに2006年発売)などが既に発売され、徐々に広がりつつありました。
しかし、こうしたゲーム機に『P3』が展開することはなく、PS2以外の据え置き機でプレイできる機会にはなかなか恵まれません。当然「エピソードアイギス」も、PS2のみで体験可能で、徐々にプレイできる環境が狭まっていきます。
こうした状況に変化が訪れたのは、2009年11月のこと。携帯ゲーム機のPSP(2004年)に向けた新たな『P3』──『ペルソナ3 ポータブル』(以下、P3P)が発売されました。
『P3P』は単なる移植に留まらず、新たに女性主人公(選択制)が用意されたほか、戦闘中に仲間の行動を直接指示できるようになったり、難易度設定の幅が広がったりと、より豊かなプレイ体験を提供してくれます。
ただし、利点ばかりではなく、キャラモデルベースの演出がイラスト絵を主体とする形になるなど、性能差による演出の簡易化も行われました。
また、今回の主題となる「エピソードアイギス」ですが、『P3P』には収録されていません。PSP向けに登場したことで、“どこでも手軽に『P3』を遊べる”という新たなプレイ環境を手に入れた一方、“「エピソードアイギス」はPS2版のみ”の事情が変わることはありませんでした。
■『ペルソナ3 ポータブル』がリマスター化
そして『P3』の家庭用向けゲーム展開は、長い空白期を迎えることになります。『ペルソナ』シリーズ自体は、定期的に新たなタイトルをリリースしていきますが、2009年の『P3P』以来、『P3』本編の動きは沈黙が続きました。
『P3P』の発売から13年以上が経った2023年1月、ようやく迎えた新展開は『P3P』のリマスター化でした。ニンテンドースイッチ/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PCと、幅広いプラットフォームに向けて『P3P』が登場。このリマスターのおかげで、『P3』へのアクセスが格段にしやすくなったのです。
ただし「エピソードアイギス」に関しては、この限りではありません。一部のリマスター作品では、新たな要素を追加するケースも存在しますが、リマスター版『P3P』に「エピソードアイギス」が新たに加わることはなく、2023年の時点でもPS2版以外では体験できません。