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一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は2025年1月15日、パシフィコ横浜 国立大ホールにて、「日本eスポーツアワード2024」表彰式典を開催しました。
今回で2回目を迎える「日本eスポーツアワード」は、その年の日本国内eスポーツ界における功績と貢献を称える、年に一度の祭典。選手やチームのみならず、企業、団体、個人にも幅広く焦点を当て、多岐にわたるカテゴリーで功績を讃えます。
本年度は、サイドイベントとして「流行語大賞」を開催。2024年のeスポーツシーンで発生した、ユニークかつ意表を突く表現、突然生まれた新語など、広くeスポーツファンをにぎわせた「ことば」を選び、表彰するものです。
本稿では、表彰式典で発表された上位10ワードとその用語解説をお伝えします。
師弟杯のキッカケにもなった「ガイル村」が大賞に
10位 「165波動拳」
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<用語解説>
『ストリートファイター6』のイベント、獅白杯2ndで行われた「ファン太(本田)vs柊ツルギ(ケン)」戦。柊ツルギ選手が遠距離からの波動拳をノリノリで撃つも、ファン太選手はそのほとんどをパリィするという膠着状態が大半を占める試合展開となり、最終的に2ラウンドともタイムアップで柊ツルギ選手が敗北した事件のこと。撃った波動拳の回数が合計165回だったことからこの名前がつけられている。
9位 「師弟杯」
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<用語解説>
SHAKA氏が「やりたいことを全てやる」という宣言のもと立ち上げた「LEGENDUS」シリーズの一環として、『ストリートファイター6』において師弟関係にある格闘ゲーマーとストリーマーがタッグを組んで戦うイベント。2024年は5月に第1回大会、11月に第2回大会が開催され、特に第2回は後楽園ホールでのオフライン開催となり大きな盛り上がりを見せた。
8位 「突っ込んできたら当てるだけー!」
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<用語解説>
第五人格において、えむこ選手が「ハンターに対して板を当てる」という高難度プレイを決めた際のチーム内VC(ボイスチャット)での発言。えむこ選手の卓越したプレイスキルと元気な声掛けが多くの視聴者の心に残り、その後の大会実況や他チームのVCでも引用されるなど、2024年の第五人格を代表する用語の一つとなった。
7位「コクセン」
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<用語解説>
Apex Legendsで隠れて奇襲を仕掛ける「ハイド」戦法時に、チームRIDDLE ORDERが呪術廻戦の「黒閃」のシーンを真似ていたのが由来。ハイド戦法自体はそれ以前から存在していたが、RIDDLEのエンタメ性の高さも相まって、ハイドを指す用語として定着していった。
6位「〇〇1本で行かせて頂きます」
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<用語解説>
『ストリートファイター6』で新キャラ「豪鬼」に関して「豪鬼1本で行く」と公言していたときど選手が、最終的に「ケン1本で行かせて頂きます」と発言し、ケンに戻ったのが元ネタ。汎用性の高さから様々なシチュエーションで使用されるようになった。
5位「チコついてる」
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<用語解説>
『VALORANT』の大会練習時に柊ツルギ選手が生み出した用語。当初は「敵の視界内に出入りする」という意味で用いられることが多かったが、語感の良さとニュアンスの面白さで多くのストリーマーが使うようになり、様々な意味で用いられるようになった。
4位「伝チョ」
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<用語解説>
『ストリートファイター6』で葛葉選手が、自身が使用している豪鬼の中段技を「伝説のチョップ」と呼び、それが省略されたもの。プレイヤー間だけではなく、大会の実況解説などでもこの用語が使われるなど幅広く浸透した。
3位「換気」
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<用語解説>
天鬼ぷるる氏が、過去に使用していた自作防音室の空気の入れ替え兼小休憩時間として使用していた用語だが、その後の言動から「休憩時間中に喫煙しているのではないか」という疑惑が浮上し、「換気=喫煙の隠語」として視聴者からイジられるようになった。本人は喫煙を否定しているが、所属するチームREJECTから喫煙イラストが描かれた「換気スウェット」が発売されている。
2位「おとこマン」
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<用語解説>
『ストリートファイター6』でわいわい選手が使用していたプレイヤーネーム。わいわい選手は高木選手と第2回師弟杯でタッグを組み、格上の布団ちゃん&マゴチームを追い詰める奮闘をみせる。そしてMVPを受賞した際のインタビューで「彼(高木選手)を漢にするまでは、おとこマンとしてまたここに戻ってきたいと思います」と語り、大会の感動的な名シーンとして多くの視聴者の心に残った。
1位「ガイル村」
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<用語解説>
『ストリートファイター6(以下、スト6)』で「ガイル使いのコミュニティ」という意味で使われる用語。ガイルはあまり使用人口が多くないキャラクターだったが、ひぐち選手とドンピシャ選手の師弟関係を中心としたガイル使いの輪が広がっていき、『スト6』における大きなコミュニティに成長した。「ガイル村」の台頭が師弟杯開催のきっかけの1つとなるなど、『スト6』シーン全体の活性化に大きく貢献している。