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PC版『FFVII リバース』は“画面密度”が違う!浜口Dと北瀬Pがグラフィックの凄みとPCでプレイすべき理由を語る

ライティングの改修や動作確認についての苦労など、たっぷり語っていただきました。

ゲーム PCゲーム
PC版『FFVII リバース』は“画面密度”が違う!浜口Dと北瀬Pがグラフィックの凄みとPCでプレイすべき理由を語る
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(左から)『FFVII リバース』プロデューサー・北瀬佳範氏、ディレクター・浜口直樹氏

スクウェア・エニックスが贈る『ファイナルファンタジー VII リバース』は、2024年にPS5向けタイトルとして発売されたRPG。本作は『ファイナルファンタジー』シリーズ屈指の名作である『FFVII』のリメイク作品です。2020年に発売された『FFVII リメイク』に続く第2弾にあたります。

執筆時点で『FFVII リバース』はPS5版のみとなりますが、2025年1月23日に待望のPC版が発売されます。この日を待ちわびていたPCユーザーは多いのではないでしょうか?

発売が迫るPC版『FFVII リバース』の魅力を深堀りすべく、本作のプロデューサーを務めた北瀬佳範氏と、ディレクターの浜口直樹氏にインタビューを実施。PC版だけの要素はもちろん、開発秘話や裏話、ゲーム本編の魅力などの話をうかがいました。

■PC版『FFVII リバース』の魅力に迫る「PS5以上の感動が味わえます」

――1月23日に発売を控えている『FFVII リバース』のPC版ですが、今のお気持ちを教えてください。

浜口直樹氏(以下、浜口):『FFVII リメイク』のPC版が出ていたことも関係していますが、多くのユーザーから「『FFVII リバース』のPC版を早くプレイしたい!」という声が届いていました。その期待にようやくお答えできるタイミングが来た、というところに嬉しさを感じています。

――PC版『FFVII リバース』の大きな変化は、やはりグラフィック面でしょうか?

浜口:そうですね。PS5やPS5 Proといった家庭用ゲーム機(PS5)以上のスペックを引き出せるところが、PC版の利点だと思います。何より開発当時に用意していたアセットをより高密度に表現できるようになりました。PS5版以上の感動をぜひ味わっていただきたいと思っています。

もうひとつは、ライティングの部分です。PC版を発売するにあたり、PS5版のライティング周りの見直しを行っています。それによって、作中のカットシーンを含むキャラクターの表情や雰囲気がかなり向上しました。

ちなみにライティングを改修した理由は、「建物や木の下にいるキャラクターの表情が暗くて怖い」というユーザーの声が多かったからです。その点、PC版はライティングの部分がかなり改善されているので、プレイされる際はそのあたりもチェックしていただければと思います。

――PC版だから実現できたことは何かありますか?

浜口:しいて言えば、「画面密度」の設定だと思います。家庭用ゲーム機はメモリのスペックに上限があるため、グラフィックの細かいところの調整については多少の縛りがあります。

特に遠景にあるオブジェクトを映す際は、メモリの負担を減らすべく「LOD(ポリゴン数をカメラの距離に合わせて減らし、場面の計算負荷を軽減する手法)」の段階を早めに落とさなければいけません。そうなると、遠くの場所にあるオブジェクトの見映えが悪くなってしまいがちです。

一方、PC版は画面密度のオプションが段階ごとに用意されているのがポイントです。メモリと描画負荷に余裕がある状態で画面密度を上げれば、遠くにある塔などは形状をキープしたまま見えるようになります。

画面密度の例として、「花」がわかりやすいと思います。花などの自然物はポリゴン数が意外と多いんです。PS5版の場合、遠くにある花や草はLODの段階が早く落ちてしまうため、気がつくと花がなくなったり、逆に葉っぱだけになっていないといったこともしばしばあります。しかし、画面密度の設定は上げてもらえれば、花も草も形状を残したままの状態になっているといった具合です。

お使いの環境に合わせて、グラフィック設定を自由に調整できるのがPC版ならではの魅力だと思います。

――PC版『FFVII リバース』のスペック周りについてはいかがですか。

北瀬佳範氏(以下、北瀬):比較的多くのユーザーにプレイしていただける環境になっていると思います。ミニマムのモデルでも快適にプレイできるぐらい最適化されているので、最高スペックのものでなくても遊べると思います。ハイエンドのゲーミングPCでも良いですし、逆に言うとRTX 30シリーズでも全然動きますよ。

■PC版の開発秘話や苦労話などをうかがった「PCの動作確認が一番大変でした」

――PS5版をベースにしてPC版への最適化を図っていると思いますが、一番苦労された点はありますか。

北瀬:PS5版は家庭用ゲーム機で動けば大丈夫なところもありますが、PC版はインテルやAMDの環境によってはグラフィックの負荷が変わります。そこでQAさんやテスターさんと連携しながら、さまざまな構成のPCで検証しました。PCの動作確認が大変でしたね。

――素朴な疑問なのですが、フレームレートなどのベンチマークテストはどのように実施されるんですか?

浜口:推奨レベルを定めるために、レギュレーション通りにフレームレート計測を行いました。たとえば「30fpsまで下回る状況がしばらく続いたらバグとして報告する」といった感じですね。

さまざまなPC環境を用意してフレームレートの確認を行ったものの、「スペック的には結構いいはずなのに、とある構成のPCだとなぜか処理落ちする」ことがよく発生してしまうんです。対処法を調べるのに相当苦労しました。

――公式で発表された要求スペックの一覧は、内部で行ったベンチマークの結果が関係しているんですか?

北瀬:どちらかといえば、最初に掲げた目標に向けて最適化を行った結果ですね。その目標に到達できたらもう一歩頑張ってみるとか、別のPC環境で確かめてみるといったことをフェーズに分けて検証してみました。その結果が要求スペックに反映されているんです。

――Steam Deckへの最適化、ウルトラワイドディスプレーへの対応についてはいかがですか。

浜口:Steam Deckに関して言うと、かなり安定して動くレベルにまでチューニングができています。あとはValveさんの方で承認が下りるのを待っている状況です。
※1月16日にSteam Deckとの互換性確認済みタイトルであることが発表されました。

『FFVII リメイク』のPC版は、Steam Deckがちょうど発売された時期にリリースされました。Steam Deckについてはユーザーからの反応が非常に良かったですし、話題性もありました。特にリビングやベッドで寝転がりながら『FFVII』のリメイク版をプレイできるので、Steam Deckの利便性は非常に高いと思います。

ウルトラワイドについて申し上げますと、残念ながら今回は見送りとさせていただきました。私もPCユーザーなので、ウルトラワイドの需要は非常にわかってはいるのですが、元々16:9で開発しているゲームをウルトラワイドに対応させるのはどうも敷居が高くて……。なので、ウルトラワイドに関しては断念したという経緯があります。

――最大120fpsに対応しているそうですが、上限解放の予定はありますか。

浜口:いまのところは120fpsが上限となっています。その理由は、フレームレートが速くなりすぎると、物理シュミレーション系のシステムが安定しなくなるからです。とりあえず120fpsを上限にしていますが、ユーザーの需要が多ければ上限解放について検討してみようかと思っています。

――今後、「DLSS FG」や「AFMF」といったフレーム生成技術に対応する予定は?

浜口:『FFVII リバース』はエフェクトが多く描かれています。フレーム生成技術への対応は社内でも検討しましたが、エフェクトとの相性があまりよろしくなかったため、今回はDLSSのみの対応となりました。

しかし、現状はフレーム生成技術がトレンドになりつつあります。業界の動きに合わせて、いずれはフレーム生成技術への対応を実現させたいと思っています。

――では、PC版が発売されたあとにフレーム生成技術に対応する可能性もあると?

北瀬:そうですね。PC版『FFVII リバース』がリリースしたあと、ユーザーの皆様からそういったお声があれば、社内で検討させていただくかもしれません。ユーザーが求めているものがわかれば、我々が注力すべき部分が見えやすくなると思いますので。

――PC版『FFVII リメイク』にさまざまなMODを導入してプレイするユーザーもいるようですが、MODに関してはどのようにお考えなのでしょうか。

浜口:MODに関しては私も非常にリスペクトしていますし、ゲームを遊ぶ際にMODを利用したりすることもあります。なので、MODに対してネガティブな考えは一切持っていません。

ただ、MODの中にはユーザーが不利益になるものもあります。例えば、明らかに不適切な表現だったり、ウイルス感染など二次被害を生むものですね。MODを作る側も選ぶ側もそうですが、ユーザーのゲーム体験を損ねないようマナーを意識してほしいなとは思っています。

■PC版『FFVII リバース』をプレイすべき最たる理由とは?

――『FFVII リバース』本編の魅力についてお聞かせください。

北瀬:『FFVII リバース』では、ファンの間で伝説とされている「エアリスの運命」が描かれています。今回我々が作ったリメイク作品ではどのような結末を迎えるのか、そしてどういう展開になるのかを体験できるのがポイントです。

もうひとつのポイントは、オープンワールド体験。原作のワールドマップはポリゴンタッチでしたが、リメイク版では美麗で広大な世界を自由に探索できます。オープンワールドのゲーム体験の中で、『FFVII』の世界を振り返りながら体験できるのも魅力と言えるでしょう。

――PC版をプレイする際に注目してほしいポイントはありますか。

浜口:ライティングもそうですが、これまで以上のクオリティを誇るビジュアルも注目すべきところです。各キャラクターの表情を含めて最後まで楽しんでもらえると思います。

あと、本作は多数のミニゲームが用意されています。ミニゲームに合わせてキーボードの設定ができるので、操作面もかなり充実していると思います。

分かりやすく言うと、ピアノのミニゲームです。ゲームパッドのアナログスティックを使って「ドレミファソラシド」の音階を操作する必要がありました。一方、PC版は音階ごとでキーの割り当てができたり、ミニゲームによってはキーバインディングを個別に設定できるようになっています。そのあたりの操作も最適化されているので、ゲームをより深く楽しめるようになっていると思います。

――現在開発が進んでいる3部作目の進捗については……?

北瀬:内容に関してはまだお答えできませんが、目指すべき方向性をチーム全体に共有できるところまでは進んでいます。今年から本格的に作り込みをしていくといった状況ですね。最もベストな進捗だと思っているので、皆様にお待たせしない形で完成までこぎつければと思います。

――これを機にPC版の『FFVII リバース』を購入される方が増えそうですね。

北瀬:本編単体だけでなく、第1弾と第2弾がセットになった「ツインパック」も販売しています。第1弾をまだプレイされていない方はツインパックがお得だと思います。早期購入は30%オフになっているのでよりお得ですよ。

浜口:プレオーダーの状況を見ても、ツインパックの予約購入は非常に好調です。これをきっかけにリメイク版『FFVII』に参入されるユーザーが世界中で増えてきているので、我々としては本当に嬉しく感じています。

――PC版『FFVII リバース』を楽しみにされている読者に向けてメッセージをお願いします。

北瀬:PS5版の『FFVII リバース』を発売した時もそうですが、本シリーズは三部作ということもあり「三部作が終わるのを待ってから買おう」といった方は割と少なくありません。

ですが、実際にゲームをプレイして次回作の発売までに作品を考察するといった楽しみ方があります。なぜなら、リメイク版は原作準拠でありながら、原作と異なる展開も同時に描かれているからです。

1作目と2作目をプレイして、次の作品が登場するまで考察を深めていただきたいと思っています。ツインパックもありますので、この波に乗ってみてはいかがでしょうか?

――ありがとうございました!


今回のインタビューで取り上げたPC版『FFVII リバース』は、2025年1月27日よりSteamとEpic Gamesストアにて販売されます。ツインパックも販売中なので、PC版『FFVII』をプレイしてみたい方はぜひチェックしてみてください。


© SQUARE ENIX CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO


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