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サンボーンがスマートフォン向けに配信している「ドールズフロントライン」シリーズ(以下『ドルフロ』)の最新作、『Project NET』が、先日アジアの一部地域を対象に初回となるベータテストを実施しました。
昨年12月5日にはナンバリング最新作の『ドールズフロントライン2:エクシリウム』を配信したばかりの「ドルフロ」。12月27日に名称『Project NET』のXアカウントが、年を跨ぐことなく突如「ドルフロ」最新作と思われるゲームの実機プレイ映像を公開し話題になりました。
今回はそんな1月9日から1月16日の期間中に実施された『Project NET』の初回ベータテストにしれっと参加。早速どんなゲームなのかをプレイレポートとしてお届けしていきたいと思います。
◆RPG?シミュレーション?いいえ、次回作(多分)は“TPS”です。
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まず、今回のベータテストには、世界観を説明するストーリー系コンテンツが一切ありませんでした。しかし、プレイアブルの戦術人形たちは第1作目『ドールズフロントライン』のコスチュームに身を包んでいます。ゲームの舞台は第1作目の世界観になるか、またはその直後にあたるか、それともパラレルワールドになる可能性なんかも少なくありません。
今作の紹介で何より特筆すべき点なのが、シリーズ初となる「TPS(サードパーソン・シューティング)」ジャンルの採用でしょう。過去シリーズでは指揮官として戦術人形たちに指示を出していく“戦略ゲーム”でした。
それが思い切ったことに、今作では戦術人形をプレイヤーが直接操作するゴリゴリのアクションシューティングに変貌を遂げています。“「ドルフロ」の世界観とキャラクターで遊べるシューティングゲーム”。きっとこんな妄想をした「ドルフロ」ファンはたくさんいることでしょう。その妄想はついに形になったと言えます。
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さて、肝心のゲーム内容について見ていきましょう。まずベータテストのコンテンツは主に2つ用意されていました。1つは最大3人のプレイヤーでチームを結成し、フィールド上に出現する敵を倒しながら、最後のボスステージの突破を目指していくPvEモード。もう1つはプレイヤーが5vs5のチームに分かれて、敵チームの「Ultimate Guard」と呼ばれるNPCを撃破するPvPモードになります。
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どちらのモードでも共通しているのは、プレイヤー1人につき3体の戦術人形たちを編成できるということ。戦術人形たちはそれぞれ武器種が固定されているので、状況に応じて編成した戦術人形を切り替えながら戦っていくことになります。
例えば、遠距離の敵を攻撃する際にはマキアート(WA2000)で狙撃し、接近戦になるならサブリナ(SPAS-12)で対処します。TPSはTPSでも厳密にはシューター要素とRPG要素を混ぜた「シューティングRPG」といったところでしょう。もちろん、戦術人形ごとにスキルも備わっているので、それを使用するためにキャラクター交代するような場面も状況によってはあり得る話です。
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まだ開発中のものであるため、やはりバグや操作性については改善が必要だと感じました。筆者はスマートフォンの仮想パッドに慣れている方だと自負しているのですが、デフォルト操作では、「ダッシュ」がパッドの可動域を超え、さらに奥の方まで親指を押し込む仕様でした。これだけは慣れません。
もしかすると操作方法のカスタマイズ項目から変更できたのかもしれませんが、プレイ時間も限られていたため、細かく設定項目をチェックできなかったのが悔やまれるところです。ちなみに本テストはAndroid端末を対象とした物であり、使用端末が最新機種とは言えないため、本稿掲載のスクリーンショットはかなり粗っぽく見えると思います。
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◆ボス戦までに多くのミッションをこなしてパワーアップを図る!迅速な協力プレイが求められるローグライク系PvE
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PvEモードでは、マップ内の各所に設置された宝箱からアイテムを回収したり、指示されたミッションを迅速にこなしたりすることでアイテムを獲得でき、次第に戦術人形がパワーアップしていきます。
ゲーム開始から制限時間の6分間以内にできる限り多くのパワーアップを集めて、ボスバトルに臨むといったゲームサイクル。当然、ステージ攻略にあたっては仲間と協力し合うことが必要不可欠ですが、残り時間が1分を切ると、チーム全員が散開して、各自で宝箱を回収する流れが多く見られました。
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しかし、パワーアップを獲得できる宝箱周辺には大量の敵が配置されているケースが多く、初回テストで不慣れなプレイヤーが多い中にあっては、こうした単独行動から死亡してしまうプレイヤーも少なくありません。
死亡すると仲間からの救護で蘇生して貰うか、復活アイテムを使って自力で蘇る必要があります。単独行動をしている場合は、どうしても後者が一般的な復活方法になりますが、ここで復活アイテムを使い過ぎてしまうと、ステージの最後で戦うボスバトルが大変厳しいものになりがちです。
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また、どのステージでも敵は数にものを言わせた物量によって、プレイヤーたちを全力で殺しに来ます。宝箱周辺の敵を掃討しようと戦い始めると、その場の敵を全滅させても2、3WAVEは増援が続きました。
ステージによってはチーム間の連携を一層意識して戦わないといけません。少し離れていたプレイヤーが、全く関係ない敵を引き連れて来て大混乱になることもしばしばです。それでも協力し合ってなんとかステージをクリアできると、厳しい戦いを共に切り抜けた達成感が得られます。
なお、今作は出撃前にロビー画面からフレンドを招待して一緒に出撃できるようなので、身内同士でワイワイ遊べると、中々に盛り上がる気がします。世界観やキャラクターが「ドルフロ」なだけなので、シリーズを知らない人でも遊べてしまうのではないでしょうか。
◆リスキル横行の調整不足が目立つものの、MOBAっぽい駆け引きが新しいPvP
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PvPモードは制限時間が最大で16分と、1マッチあたりの対戦時間が長めな印象を受けます。先述しているように、勝敗条件は敵チームのNPCを倒すこと。ベータテストでは扇状の地形のマップが1種類あるだけで、激戦区になるのは屋内における特定の通路上がほとんどです。
建物から外に出るとパワーアップが取得できる物資エリアが存在しているのですが、あまり活かせているチームは見られません。おまけにリスポーン地点が1箇所しかなく、正面を遮る壁がないために、大きく攻め込まれてしまうとリスポーンキルが横行する有様です。まだまだ調整不足な粗は目立つようで、PvPモードはかなり試験的な試みであることが分かります。
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マッチ中は敵チームに攻め込む足がかりとして、味方NPC兵士たちがぞろぞろと自チームの本陣から出現します。敵陣を守っている敵NPCキャラクターの元まで彼らをエスコートしていき、本陣のUltimate Guardを撃破するのが基本的な試合の流れなのでしょう。
しかし、まだPvPのセオリーも固まっていないことから、筆者も味方も上手く連携が取れず、ほとんどチームデスマッチ感覚で遊んでいた......というのが実情です。こういったことは1度のみならず、筆者がプレイしたタイミングではほとんどのマッチで起きていたと記憶しています。初回ベータテストらしいカオスぶりです。
というのも、特にPvPのチュートリアルが用意されていなかったのです。また、味方NPCを護衛するにも、建物のひらけた空間内で撃ち合うことになるのは避けられず、護衛するほどの余裕もありません。こうしたことから16分間という制限時間の中でUltimate Guardを倒せる試合もあまりなく、結局時間切れを待ってキルスコアの差で勝敗が決まる場面が多々ありました。
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ただ、MOBAにおけるタワー際の駆け引きを銃撃戦という形で実現したかったのだろうという気概は感じられました。攻め込むのが上手い敵チームとの戦いでは、しっかりこちらの本陣にNPC兵士たちを流し込んでくるため、防戦に徹さざるを得ません。横から抜けて敵チームの不意を突こうものなら、余程防衛能力に長けたプレイヤーたちが本陣に残っていない限りは、戦力が分散してこちら側のUltimate Guardを倒されてしまいます。
そして、マップ形状が扇状で外に出られるルートがあるにしても、MOBAのように複数のレーンが設けられているわけではないのです。お互いのNPC兵士とタワーの役割を持つUltimate Guardは、一本道のルート上でのみせめぎ合うだけです。1度大きく攻め込まれてしまうと、不利な状況をリカバーするのは大変に困難だと思われます。
◆初回ベータテストなのでぶっちゃけ粗は目立つ。でも魅力的な戦術人形たちを自分で操作できるのはやっぱり嬉しい!
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初回ベータテストなので不具合や調整不足があるのは当たり前。こうした粗はユーザーフィードバックを受けて反映されていくものです。公式Discordでは参加したプレイヤーたちが既に多くのフィードバックを提供し、チャンネル内でも意見交換が行われていました。
『Project NET』公式Xは、1月16日に今回のフィードバックを受けてさらにゲームを最適化した上で、次回ベータテストを実施することを予告しています。
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本作は現在スマートフォン向けに開発中とされるタイトルですが、PC版の開発も発表されています。ただ、ユーザーの中には家庭用ゲーム機版の展開を臨む声もあることでしょう。今回のベータテストを遊んだ身としても、確かにPS5のデュアルセンスを使い、腰を据えて遊べたらなぁと考えてしまいました。
次回ベータテストの開催日程は決まっていませんが、可能であれば是非ともPC版でのプレイも経験したいところ。「ドルフロ」の魅力的な戦術人形たちを自身の手で動かせる時代が来たのだと思うと、なんだか感慨深いものがありますね。ただの願望ですが、今作の一部コスチュームは『ドールズフロントライン2:エクシリウム』にも輸入して欲しいです。
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