■ドロシーに想いを馳せてしまう1.5周年の楽曲群
痛切な感情が過ぎるドロシーの一幕が終わった後は、10曲目の「OVER ZONE」を皮切りに、ドロシーの心を砕いた物語に関わる楽曲が立て続けに演奏されました。
豪奢で壮大な「GODDESS OF VICTORY」は、人類の希望として戦い続けたゴッデス部隊に相応しい1曲です。広いコンサートの隅々まで高らかと奏でられると、彼女たちに勝利をと願う気持ちに駆られます。
一転して穏やかな曲調の「The Pilgrim(acoustic)」は、過ぎ去った時間、取り戻せない過去などが想起され、ここでも心を揺さぶられてしまいました。
そして、ハーフアニバーサリーの主題歌「SATELLITES」で、一連の流れを美しく締めくくります。防衛戦で悲劇と失望の渦が襲いかかったものの、彼女たちはラプチャーとの戦いを諦めません。人類に裏切られてもなお、ゴッデス部隊は最後まで人類の希望と呼ぶに相応しい存在でした。
■コンサートを締めくくる王のお出ましに、誰もが頭を垂れる
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感情を揺さぶる演奏は時間の流れすら忘却させるのか、気が付けばフィナーレが目前へと迫りました。
誰もが忘れられないマリアンに、レッドフードが駆け抜けた「RED ASH」、そしてドロシーとゴッデス部隊の顛末を描いた「OVER ZONE」など、いずれも聴き応えたっぷりでしたが、最後の3曲も印象深いセレクトです。
まずは、1.5周年を彩るイベントと同名の「LAST KINGDOM」は、クラウンたちが守り続ける王の城に相応しい豪華絢爛な楽曲。演奏による生の音が合わさることで、質量すら感じられるほどの音響を体感させてくれます。
続いては、2023年の冬に訪れたストーリーイベントのBGM「In Neverland」が、近づくコンサートの終わりを明るく盛り上げていきます。ルドミラやミカたちと一緒に過ごした温泉地のひとときも改めて蘇り、ルミに想いを馳せた来場者も少なくなかったことでしょう。
そして大トリを飾ったのは、再び1.5周年の楽曲「The Clarion Call」です。こちらの曲はフルバージョンが公開中ですが、クラウンと強敵インディビリアの戦いに決着がついた圧巻の特別映像も併せてチョイスさせていただきます。
コンサートに足を運んだ人は当日の興奮を思い出しながら、そして残念ながら行けなかった方はプレイ当時の記憶を振り返りつつ、締めくくりに相応しい「The Clarion Call」をお聴きください。そして、王のお出ましに頭を垂れましょう。
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『勝利の女神:NIKKE』初のオーケストラコンサート「MELODIES OF VICTORY」は、来場者の満足度も高い、圧巻の祭典となりました。
当日の興奮や鮮やかなオーケストラサウンドの再現は叶いませんが、当日のセットリストと公開楽曲の組み合わせで、当日の流れや盛り上がりの一端なりとも感じていただければ幸いです。
『勝利の女神:NIKKE』は楽曲も素晴らしいものが多いため、興味が沸いた人は配信中の楽曲などもチェックし、さらに没入してお楽しみください。