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筆者は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『時をかける少女』を始め、“時間”がテーマの作品がテレビや映画館でやっていたらつい観てしまいます。タイムトラベルやタイムループなんかを絡めた作品は個人的に好きだし、外さないと思っているのです。
それはもちろんゲームでも同じこと。今回は“時間”をテーマにしたゲームを4つ紹介します。寒い冬はお部屋にこもってのんびりプレイしたいですね。
『Outer Wilds』
『Outer Wilds』は22分間で滅びる宇宙を探索するオープンワールドアドベンチャー。本作をクリアしてしまってロスに苦しむ人々、通称“Outer Wildsゾンビ”が生まれるほど面白いと評判のゲームです。
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新米宇宙飛行士のあなたは、様々な惑星の遺跡調査を行います。乗り込んだ宇宙船でどの星に降り立つか、どこを探索するかはあなた次第。しかし22分経つと必ず宇宙が滅びてしまい、気が付いた時には最初の場面に戻ってしまいます。無限のタイムループの先には何があるのか?そしてこの宇宙に潜む真実とは?
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小規模のオープンワールドで何をするのもプレイヤー次第。何からやって良いかわからないほどの自由さが本作の魅力です。何かアクションを起こして宇宙に変化を与える、ということはほとんど無くプレイヤーができるのは“見る”ことだけ。数々のループで見た知識を蓄え、宇宙の真相に迫っていきます。同じところでもよ~く観察することで、これまで発見できていなかった要素を発見できたりと、気持ちの良い“気づき”を味わうことができるのも本作の面白さです。
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そして、なぜループするのかという謎の他にも、月にエイリアンの遺跡が建っていたりチョウチンアンコウのような形の島があったりと、プレイヤーの探求心をくすぐるような要素が無限に存在します。22分という短時間の制限の中、あれもこれも行きたいという気持ちが生まれくるんですね。
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正直、本作を長く説明するのは、面白さを減らしかねません。それほどに面白いゲームなので、気になった方はぜひプレイしてみて下さい。
『Ultros』
『Ultros』はタイムループするメトロイドヴァニア、という珍しいジャンルのゲーム。惹き込まれるようなサイケデリックなビジュアルが特徴的な2Dアクションです。
まず目を引くのはこのデザイン。本作のアートを手掛けるのは『ホットライン マイアミ』シリーズでアートを担当したことで知られるEl Huervo氏。彼の奇才っぷりが遺憾なく発揮され、ネオンカラーが特徴的なサイケデリックな世界観が出来上がっています。
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そんな幻想的な世界をシンプルかつ多彩なアクションで探索していきます。物語を進めていくとアクションが増えて行動範囲が広がるというメトロイドヴァニアの楽しさはもちろん、本作で特徴的なのが、探索を進めていくと謎の力に飲み込まれゲーム序盤の状態に戻ってしまうということ。道中で得たスキルも武器も全部リセットされてしまいます。ループ前と全て同じかと言うとそうではなく、マップに変化が現れていたり、植物が成長していたりと、変化が加えられることでマンネリしない探索が味わえます。
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サイケデリック、タイムループ、メトロイドヴァニアと属性がてんこ盛りな本作。気になった方はぜひプレイしてみて下さい。
『Twelve Minutes』
『Twelve Minutes』は12分間の悪夢のループからの脱出を目指すアドベンチャーゲーム。見下ろし型のインタラクティブ・スリラーで、クリックとドラッグの簡単操作で楽しむことができます。
帰宅して妻とロマンチックに過ごすはずだった夜は、突然部屋に押し入ってきた警官のせいで悪夢に変わってしまいます。警官は妻を殺人犯と決めつけ、あなたを殴り殺す……。しかし気がつくと、あなたはドアを開けた瞬間に戻っていました。こうして12分間(Twelve Minutes)でループする時間に閉じ込められ、同じ惨劇を繰り返し体験させられることになる……という作品です。
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12分間の悪夢が繰り返される本作。妻との会話で警官との関係を探ってみたり、警官を迎撃するために道具を配置したり、自殺を考えてみたりと、試行錯誤を繰り返してループからの脱出を目指していきます。早くしないと警官が来る…という緊張感もさながら、ループが進めば進むほど深まっていく謎が味わえます。
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少しアイテムの配置を変えただけでも場面が変化していくので、あれもこれも試してみたくなるのも魅力。そうしていく内にプレイヤーはどんどん真実に近づいていきます。「いい意味で裏切られる」との声が多い本作。ぜひあなたも12分間のループに飛び込んでみてください。
『Return of the Obra Dinn』
『Return of the Obra Dinn』は死者の記憶から、奇妙な真実を読み解く推理アドベンチャー。ある調査員の商船オブラ・ディン号での体験がモノトーンで描かれます。
1802年、200トン以上の交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」が、ロンドンから東方に向けて出港します。その6か月後、同船は予定されていた喜望峰への到達を果たさず、消息不明扱いに……。
そして1807年10月14日早朝のこと。オブラ・ディン号は突然、ファルマス港に姿を現します。帆は損傷し、船員の姿も見えません。これを受け、東インド会社ロンドン本社所属の保険調査官であるプレイヤーは、ただちにファルマス港に派遣されます。同船内を直接調べ、損害査定書を作成するために――。
プレイヤーの手元にはあるのは、乗客全員の名前リストと船内地図が書いてある手記、そしてひとつの懐中時計のみ。懐中時計は、船内に転がっている死体の最期の瞬間に訪れることができる能力を有しています。記憶に映っている登場人物が誰かもわからないので、最初は断片的な情報しか得られないのですが、調査を続けていく内に「別の記憶で見たあのシーンとこのシーンをつなぎ合わせれば…」と点と点が線になる感覚をリアルに味わえるでしょう。
そんな推理アドベンチャーの醍醐味に酔いしれて調査を続けていくと、あなたはオブラ・ディン号に起きた怪奇な真実を知ることに。ぜひプレイして、その目で確かめてみて下さい。
以上、“時間”がテーマのゲーム4選でした。どの作品も、時間をループさせてずっと遊んでいたいと思えるような4作品ですので、ぜひプレイしてみてください。