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ゲーミングデバイスメーカーは全体の22%…教育機関や飲食店など多様化進むeスポーツスポンサー―19チーム・160社のスポンサー企業分析

日本のeスポーツチームのスポンサーシップは多様化が進み、IT企業や教育機関も参画。地域密着型の支援も増加し、新たな市場価値が創出されています。

ゲーム ビジネス

近年、日本のeスポーツシーンでは、プロチームの活動基盤を支えるスポンサーシップの在り方が大きく変化しています。本調査では、国内の主要なeスポーツチーム19団体とその協賛企業約160社の関係性を詳細に分析し、業界の現状と将来性を探っていきます。2025年2月18日時点で、各チームの公式サイトに掲載されているスポンサー企業を対象に集計を行いました。

多様化する協賛企業

日本のeスポーツチームを支えるスポンサー企業の業種分布を詳しく見ていきましょう。

ゲーミングデバイス関連企業が21.9%を占めており、その内訳はゲーミングPC、周辺機器(マウス・キーボード)、モニター、ゲーミングチェアなど多岐にわたります。IT・通信企業は23.8%で、システム開発会社が中心となっています。

その他の業種の内訳は以下の通りです:

  • 教育機関:7.5%(専門学校、高等学校、eスポーツ教育機関)

  • 小売業:7.5%(家電量販店、アパレル、スポーツ用品など)

  • 食品・飲料:6.9%(エナジードリンクメーカー、食品メーカーなど)

  • 金融・保険:5.6%(銀行、クレジットカード会社など)

  • メディア・コンテンツ:5.0%(配信プラットフォーム、制作会社など)

  • サービス業:5.0%(各種サービス提供企業)

  • eスポーツ施設:3.1%(専用施設運営企業)

  • アパレル:4.4%(スポーツウェア、カジュアルウェアなど)

  • その他:9.4%(建設、運輸、不動産など)

ゲーミングデバイスメーカーの中でも、複数チームへの協賛を展開する企業が増えています。例えばゲーミングPCブランドのLEVEL∞は、ZETA DIVISION、RIDDLE、NORTHEPTION、Good 8 Squad、FUKUSHIMA IBUSHIGINなどとパートナーシップを結んでいます。同様にマウスコンピューターも、SCARZ、VARREL、CAG OSAKAの3チームを支援しています。

教育機関との結びつき

教育機関の参入も活発で、専門学校7校、高等学校2校、eスポーツ教育機関3機関が、チームスポンサーとして活動しています。これらの教育機関は、eスポーツ関連コースの開設や人材育成プログラムの確立など、業界の将来を見据えた取り組みを行っています。

CAG OSAKAを協賛するルネサンス高等学校グループは、高等学校として日本で初めてeスポーツコースを開設し、実践的な教育を展開しています。AXIZは教育分野との連携に特に力を入れており、ヒューマンアカデミー、大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校、韓国のESA KoreaとGame Coach Academyなど、国内外の教育機関と提携しています。FAV Gamingはバンタンゲームアカデミーと、VARRELは岩崎学園と、それぞれパートナーシップを結んでいます。

地域に根ざした展開

eスポーツチームのスポンサーシップには、明確な地域性も見られ、全国規模で展開する大手企業がある一方で、地域に密着した協賛の形も増えています。例えば、Saishunkan Sol熊本には、地域の医療機関である桜十字病院や、麻生専門学校グループ、飲食店のCooQWest(ゲーミングヤキトリ)、熊本県宇城市が運営するeスポーツ施設「うきのば」など、地元に根ざした企業や団体が名を連ねています。


本調査では以下の19チームを対象としました。

DetonatioN FocusMe、ZETA DIVISION、FENNEL、REJECT、SCARZ、FAV Gaming、Sengoku Gaming、NORTHEPTION、AXIZ、RIDDLE、REIGNITE、VARREL、Good 8 Squad、Saishunkan Sol 熊本、名古屋OJA、FUKUSHIMA IBUSHIGIN、CAG OSAKA、TEAM iXA、CR Gaming

《e-Sports Business.jp》
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