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Algomatic(アルゴマティック)は2025年2月20日、ゲーム開発会社向けに、AIを活用したシナリオ生成サービスを開始したと発表しました。キャラクター設定や過去作品のデータを基に、最短1営業日でシナリオを作成できるのが特徴です。シナリオ制作の効率化と多言語展開の促進により、ゲーム開発のワークフローを改善することが期待されます。
同サービスは、「DMM GAME翻訳」をはじめとするゲーム企業向けAIサービスの一環として提供されるもの。企画者が用意したプロットや設定資料を基に、キャラクターの個性や世界観に忠実なシナリオを生成。約130言語へ対応しており、日本語のプロットから直接、多言語のシナリオを制作することが可能です。これにより、従来は日本語版完成後に行っていたローカライズ作業を大幅に効率化できます。
料金設定は1文字2円からと、従来の外注費用と比較して経済的です。ExcelやWordなど希望のフォーマットで納品され、「A列にキャラ名、B列にセリフを入力」といった細かい要望にも対応。プロットからセリフのライティングまで、様々な制作段階での利用が可能で、納品後は2回まで修正依頼を受け付けます。
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ゲーム業界では近年、シナリオのボリューム増加と多言語展開の需要が高まっており、開発工程のボトルネックとなっていました。小規模なゲームでも数週間、大型タイトルでは数年かかることもある中、本サービスの活用により制作期間とコストを大幅に削減できるとしています。
同社が提案する具体的な活用方法は主に2つです。1つ目は「初稿を書き起こす工程に利用し、ライターが推敲に注力する」というもので、ライターの作業効率を高めることができます。特に箱書きが完成している場合、それをAIのインプットとして利用することで、意図に沿ったセリフやナレーションを効率的に生成できます。
2つ目は「小規模ゲームにおいて、ディレクターのみでシナリオライティングを完結させる」という活用法です。凝ったシナリオを必要としない作品の場合、プロットから完成までをAIに任せることで、シナリオライターの確保や管理の手間を省くことができます。
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サービスの利用フローは、問い合わせから始まり、現状の制作段階や提供可能なデータについての打ち合わせを経て、見積もりと契約に進みます。必要なデータの共有後、指定されたフォーマットでシナリオが納品される仕組みです。