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『グランド・セフト・オート』シリーズのような、暴力的・犯罪的な演出を含むゲームに付けられることの多い、海外レーティング機関・エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会(ESRB)による「M指定」(17歳以上対象)。この「M指定」を巡り、「最近のゲームはもはやM指定と言えないのではないか」という海外掲示板Redditの投稿が物議をかもしています。
「血が流れるだけでもM指定かよ」「いや暴力的なゲームもたくさんあるぞ」……海外ゲーマー間でも見解が分かれる激論
トピックの作成者は、「(私が30歳になったからかもしれませんが)M指定のゲームを買って、さあこれから残酷体験をするんだ!という感覚が懐かしい。『モータルコンバット』や『GTA』シリーズを残虐描写を求めてプレイする人がいるかもしれないが、M指定ゲームの中には、たまたま血が流れているだけのゲームも含んでいる気がする」と述べています。
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トピックの作成者は具体的なタイトルこそ挙げませんでしたが、他の投稿者が「たまたま血が流れているだけのゲーム」の例として『Starfield』を挙げました。「このゲームを楽しんでいるが、『Fallout』や『スカイリム』に比べるとM指定に比して演出が簡素な事にガッカリした」「おそらくこのゲームのM指定は、流血とドラッグの使用によるものだと思われる」という意見が挙がっています。
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「最近のゲームの多くは、ただの残酷描写だけではなく、大衆を喜ばせ誰も傷つけないようにするために、極度に浄化されているように感じる」という極論もありましたが、こういった意見については「『Helldivers 2』『Warhammer 40K: Space Marines 2』『Doom 2016/Eternal』『バイオハザード RE:2/RE:4/7』『バルダーズ・ゲート3』……これらはすべて最近のもので、残酷なシーンや極度の暴力シーンがある。これらを思い出すのにあまり考える必要はなかった。きっと他にもたくさん思いつくだろう」といった反論も寄せられています。
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「プレイヤーの感覚が麻痺しているのでは?」という意見も挙がりました。「他の成人向け映画なども観て刺激が足りない……と思ったら、それはきっと感覚が麻痺している」「成長したことで、人によっては過激ととられる表現も受け入れられるようになったのかもしれない。また、昔のゲームは荒いグラフィックで残酷な演出を強調するために、現実よりも誇張した血みどろ表現をしなければならなかった」というものです。
また、直接的にこれらの議論とは関係ありませんが、日本と海外のゲームでレーティングの方向性が真逆だという点も話題に。「西洋のゲームは暴力・残酷シーンを許容しているが性的な内容は避けているのに対し、日本のゲームはまるでその逆だと感じた」「『モータルコンバット』はまだ日本では入手困難なのだろう」「日本のコンビニではソフトコアな乙女向けコミックが手に入るが、アメリカのコンビニが同じことをしたら銃撃されるだろう」という意見が見られました。
国内・海外を問わず、さまざまな意見のある「レーティング」。何はともあれ、適切に運用されて健全な業界の育成にこれからも貢献してもらいたいものです。
M-Rated Games Don’t Feel M-Rated Anymore
byu/epicflex ingaming