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「日本開催は“いつか確実に”と思っていた」ー「ALGS」コミッショナー&シニアディレクターが語る開催の経緯や日本eスポーツシーンの印象【ALGS札幌 インタビュー】

ALGSコミッショナー&シニアディレクターであるジョン・ネルソン氏にインタビューを敢行

ゲーム eスポーツ
「日本開催は“いつか確実に”と思っていた」ー「ALGS」コミッショナー&シニアディレクターが語る開催の経緯や日本eスポーツシーンの印象【ALGS札幌 インタビュー】
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2025年1月29日(水)~2月2日(日)まで開催された「Apex Legends Global Series Year 4 : 2024 Championship(以下、ALGS)」。アジア初の日本開催となり、国内はもちろん世界中から多くのファンが駆け付け大盛況となりました。

本稿では、エレクトロニック・アーツ株式会社(Electronic Arts株式会社)でコミッショナー&シニアディレクターのジョン・ネルソン氏へのインタビューをお届け。ALGSの運営を担当するジョン氏に、本イベントの開催の経緯や日本のeスポーツシーンの印象、これからの展望をお聞きしました。

◆「日本開催したいという希望は常にあった」

――まず最初にジョンさんのこれまでの経歴を簡単にご説明いただけますか。

ジョン もともと私はeスポーツのプレイヤーから始まり、そこからHaloというXboxのゲームの大会運営に関わっていました。Electronic Arts株式会社に入社してからは、ローンチの一年前から『エーペックスレジェンズ』に関わらせて頂いており、その段階でこのゲームはこれから成長できるんじゃないかと期待していました。

――今回、ALGSが日本札幌に決まった経緯をお聞かせください。

ジョン 日本で開催したいという希望は常にありましたが、適切なタイミングがなかったという状態が続いていました。そういった中で去年の夏ごろに札幌に初めて来て、会場を見させていただいた時にチーム全員があっけに取られましたね。

今までの規模と比べてあまりにも大きなものにできるのではないか、そしてアジアに初めて『エーペックスレジェンズ』の大会を持ってくるちょうどいい機会なのではないかと感じました。アジア諸国を何カ国か回りましたが、ここしかないという決断に至りました。

大和ハウス プレミストドームの最大収容人数53,820人に対し、前回のALGS Championshipの会場BPパルスライブ(旧リゾートワールドアリーナ)の収容人数は15,500人ほど。

ジョン 実際に運営にあたってからは、札幌市の方々や会場で働いている方々など、本当に様々な方から前向きにお手伝いをして頂けて、ここまで非常にスムーズに持ってこれました。

――ここしかないという話でしたが、具体的にはどういった点が決め手になったのでしょう?

ジョン 会場のサイズであったり、収容人数であったりといったところも大きな要素ではありましたが、それ以外にも実際に会場を目の当たりにすると、どのように配置をするのかや、どういったイベントになるのかというイメージが本当につきやすかったというのがあります。

会場を暗幕で区切り、半分を大会、もう半分は展示やグッズストアなどのファンゾーンとして使用していた。

ジョン それに加えて、札幌市の方々も非常に協力的でした。私たちがここに視察に来た段階で、市長の方がわざわざビデオで挨拶してくださって、「ぜひ札幌を会場に。そしてeスポーツの地にしてください」とのメッセージを頂きました。これには私たち全員が「ここでやりたい」というような気分になりましたね。

――日本における『エーペックスレジェンズ』のeスポーツシーンはどのような印象ですか?

ジョン 視聴者数やプレイヤー数が多いですよね。今まで北米やヨーロッパでALGSを開催した時にも、時差の壁があるにもかかわらず、かなりの数の方々が日本から視聴をしてくださっていました。そういった意味で日本にALGSを持ってくるというのは自然で、いつかは確実にと思っていました。

――実際に現地でファンの盛り上がりを見て、どういった印象を受けましたか?

ジョン 期待を大きく上回りました。チケットも完売しましたし、これまでで最大規模になるというイメージはできていたのですが、観客とプレイヤーの方々の熱量を実際に席で感じると、今までになかったような高揚感を得られます。

――ファンゾーンやオープニングショーなど、大会以外の企画でもファンが楽しんでいたように思えます。

ジョン 個人的にはフリープレイゾーンがあるのが良いですね。大会を見ていると自分もプレイしたいってウズウズしてくるので、もうすぐにその場でプレイできるというのは面白いと思います。

ジョン ここまでの規模のエンターテイメントを観客の皆さんに提供できたのは初めてだったと思います。SiMのオープニングパフォーマンスやクリエイターショーダウン、各チームのストア、ソニーやRed Bull協賛のブース、ミラージュボヤージュなんかもありますが、RAGEの協力がなくてはここまでのイベントや企画は実現できなかったと思います。

――ジョンさん自身はeスポーツ業界全体をどのように捉えていますか?

ジョン かなり上下がある業界だと思います。もともとはeスポーツが野球の世界リーグであったり、もしくはNBAであったり、そういったレベルの興行になるのではないかというような期待がありました。ただ、そういった期間は過ぎて、今はかなり現実的な値に戻ってきたというような業界の変化を感じています。

――「上下がある」とも仰っていましたが、業界全体として安定性が課題になっているように思えます。ALGSはこの問題にどのように向き合っていますか?

ジョン ALGSは安定して成長を遂げているというのが非常に自信を持って言えるところですね。5年目に進化していくにあたって、参加者数や動員数、視聴者数もすべて安定して成長してきています。なので、こういった現地でのイベントや大会というのはまだまだ成長していけるのではないか、という自信を持っています。

――これからのALGSの展望をお聞かせください

ジョン これからのALGSにおいて、ひとつ目玉になるのは規模ですね。バトルロワイアルのイベントとしては最大の160チームが、同じ大会の中で競争することになります。120の世界中のプロリーグと、40のプリセレクションで選ばれたチームが鎬を削っているのです。

なので、そういう意味ではアマチュアの方、もしくはセミプロの方々がこういったプロの世界の場に踊り立つのに非常に良い足がかりになるのではないかと思っています。

――システム面に変化はありますか?

ジョン 各試合、最多でピックされたレジェンドが今後の試合では使用禁止になる“レジェンドBANシステム”が導入されます。例えば今回のALGSでこれが導入されていれば、真っ先にニューキャッスルやジブラルタルがバンされて、次がランパートでその後にカタリストというふうに、マッチポイント制であれば、最終試合にはかなりの数のレジェンドが削られるのではないかと思います。それに加えてブロークンムーンの導入ですね。これによって全体で四つのマップでの試合になります。

――レジェンドBANシステムが導入された理由をお聞かせください。

ジョン 各アップデートでメタが固定されて、結局使われるのはそのシーズン中に強い3~5、多くても7程度のレジェンドであるところは懸念していました。本当に幅広い種類のレジェンドがいるゲームなので、多くのレジェンドの使用を促すために導入することになりました。

これによって、もしかすると試合の中で、新しいメタやローテーションが生まれるかもしれません。観る側にとってもプレイヤーのスキルを、戦術的な意味でも技術的な意味でも楽しめるようになるのではないかと思っています。

――最後に、日本のALGSファンに向けてメッセージをお願いします。

ジョン 今回のALGSの中で、日本のファンの皆様が本当に温かく迎え入れてくれ、そして多大なる市の協力がありました。ここまで熱い反応を見ることができると思っていなかったので、本当に嬉しく思っています。これからもALGSを続けていくので、楽しみにしていただきたいです。

――ありがとうございました!


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